望みつないだエース＝千賀、中５日でも本領―プロ野球ＣＳ・ソフトバンク

　引き分けさえ許されない窮地で、マウンドを託された。ソフトバンクの千賀は、今季オリックスとの相性は良かったが、「そんなことは関係ない。丁寧に投げるだけ」。レギュラーシーズン最終戦で優勝をさらわれた宿敵を前に、強い気持ちで臨んだ。 　第２戦までは投手陣がぴりっとせずに相手に主導権を握られたが、さすがエースという投球だった。「中５日は何も思わない」とさらりと言ったように、直球は一回から１６０キロ台を計測した。 　相手のキーマンに付け入る隙を与えなかった。４番吉田正に対しては強気に内角を攻め、状態を上げてきた杉本は二つの三振を奪って封じた。 　スライダーやカットボール、フォークと持ち球を駆使して、二回からの４イニングは一人の走者も出さない完璧な内容。崖っぷちで本領を発揮し、勝利への道筋をつくった。 　七回途中３安打無失点で、救援陣にバトンをつないだ。大逆転での日本シリーズ進出には、残り３試合全勝しかない。「自分の投球をしてチームが勝てばいい」と意気込んでいたエースは力投で奮起を促した。ソフトバンクは、どこまで意地を見せるか。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕４回、オリックスの中川圭を打ち取り、笑顔を見せる千賀＝１４日、京セラドーム 〔写真説明〕試合後、観客に手を振るソフトバンクの千賀＝１４日、京セラドーム