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中嶋監督、確かな手腕=柔軟な起用と采配―プロ野球・連覇のオリックス(上)


 プロ野球パ・リーグはオリックスが2年連続14度目の優勝を果たした。「中嶋マジック」と呼ばれる巧みな監督采配と、若手の成長が背景にあった。  ◇巧みなやりくり  昨季と同様に多くのチームを襲った新型コロナウイルス禍。オリックスも主力の多くが感染して戦列を離れ、中嶋監督は選手のやりくりに頭を悩ませた。  今季は「日替わり打線」だった。特に1番には福田ら16人を据えた。9月10日のソフトバンク戦では11打数無安打だったルーキーの渡部を2番に抜てき。四回にプロ初安打となる2点右前打を放ち、結果で応えた。  1、2軍の密な連携もうかがえた。8月30日の楽天戦。水本ヘッドコーチは「ファームから推薦があった。思い切ってやってみよう」と西村をこの日1軍昇格させ、先発起用。九回2死から放った今季初安打が逆転の2点二塁打となった。状態のいい選手は実績が少なくてもためらわず起用する。決断の速さが好影響をもたらした。  特筆すべきは救援陣の起用。50試合以上登板した投手は12球団で唯一のゼロだった。基本的には3連投をさせない方針を貫き、抑えの平野佳でも体調や連投状況を考慮してベンチから外れる日もあった。8投手がセーブを記録したのも多くの投手が役割を果たした証しだろう。  機を見た配置転換も奏功。先発の一角だったワゲスパック、山崎颯を「四、五回でもたつくところがあった」と救援に回した。2人は150キロ台後半の直球を存分に生かし、相手の脅威となった。  4月に完全試合を許したロッテの佐々木朗に対し、9月2日の対戦ではほとんどの打者が1巡目にバントの構えで揺さぶるなど、奇策を仕掛けることもあった。臨機応変なタクトが連覇を引き寄せた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕9回、生還した杉本(右)を笑顔で迎えるオリックスの中嶋監督=2日、楽天生命パーク宮城
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