笑顔取り戻した札幌＝課題の守備で無失点―Ｊリーグ

　札幌にとって、悪い流れを断つ価値ある勝利となった。リーグ戦は３連敗中で、２２日の天皇杯３回戦ではＪ２甲府に敗れる苦境で迎えたホームの一戦。１点を守り切って１カ月ぶりの勝ち点３を手にし、ピッチに選手の笑顔が広がった。 　好機を生かせない展開が続いたが、後半６分。ドリブルで運んだ駒井が右サイドの金子へパス。折り返しの浮き球のクロスを自ら頭で決めた。「合わせるだけだった」 　リーグ戦直近５試合で計２０失点と、崩壊していた守備も立て直した。この日はけがから復帰したＧＫ菅野を起点に組み立て、安定してボールを保持。中盤ではこぼれ球の争奪戦に勝ち、最終ラインの岡村らが相手攻撃陣に仕事をさせなかったのも光った。「ハードワークという基本ができれば、こういう試合ができる」と菅野は胸を張る。 　嫌な空気を振り払い、後半戦は白星スタート。ペトロビッチ監督は「勝利をみんなで分かち合う幸せな気持ちを忘れかけていた。うれしい」と実感を込めた。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、ゴールを決めて喜ぶ札幌の駒井＝２６日、札幌ドーム 〔写真説明〕前半、シュートを放つ札幌の金子（右）＝２６日、札幌ドーム