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村田、前に出て見せ場=「楽しい瞬間もあった」―ボクシング世界戦


 試合前に予告していた通り、村田は臆することなく前に出た。ゴロフキンの弱点とされるボディーを攻め、強烈なパンチをたたき込む。序盤にはゴロフキンの顔が紅潮し、クリンチをされる場面も。番狂わせを期待する会場のファンからは歓声が上がったが、見せ場は続かなかった。  相手は世界的に選手層の厚いミドル級で、20戦連続防衛や世界主要3団体統一などの実績を誇る名チャンピオン。村田は威力のあるジャブ、打ち下ろすような独特のフック、アッパーなどで追い詰められ、「ダメージが蓄積していった」。そして9回、右フックを受けてよろけるように膝を突くと、セコンドからタオルが投げ込まれた。  ゴロフキンは、村田にとってアマチュア時代から戦いぶりを参考にし、「ミドル級史上最強」と認める憧れの選手。拳を交える日が来ることを待ちわびていた。  苦しい戦いのはずなのに、ラウンド間でコーナーに戻ると笑顔も見せた。TKOされた9回以外にも、ロープに追い詰められて動きが止まる場面は何度もあったが、そのたびに息を吹き返したかのように相手に立ち向かっていった。「ゴロフキンとやっているとか、打ち合えているとか、意外といけているとか、ボディーが効いたとか。ちょっと楽しい瞬間もあったかもしれない」。感慨深げな表情で戦いを振り返った。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕世界ミドル級王座統一戦の1回、打ち合う村田諒太(右)とゴロフキン=9日、さいたまスーパーアリーナ 〔写真説明〕世界ミドル級王座統一戦の9回、ゴロフキン(右)にダウンを奪われる村田諒太=9日、さいたまスーパーアリーナ(代表撮影)
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