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「強さの象徴」ゴロフキン=KO率80%超―ボクシング世界戦


 世界ボクシング協会(WBA)ミドル級スーパー王者の村田諒太(帝拳)が9日、さいたまスーパーアリーナで国際ボクシング連盟(IBF)同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との王座統一戦に臨む。世界主要3団体統一を果たした経験のある強豪ゴロフキンの「強さ」を分析する。    ◇  長きにわたって対戦を待ち望んできた村田は、ゴロフキンを「強さの象徴」とまで言う。桁外れのパンチ力にテクニックも兼ね備え、かつて世界王座を17試合連続でKO防衛するなど、KO率は83.7%。ゴロフキンは「自分の戦績に誇りを持っている。これは生涯にわたるハードワークと献身、鍛錬が反映されたもの」。判定ではなく、相手をKOで倒すことにこだわっている。  2004年アテネ五輪で銀メダルを獲得し、06年にプロデビュー。打たれ強さもあり、陣営によるとアマチュア時代も含め、ダウンは一度もない。14年7月のダニエル・ギール(オーストラリア)戦では、3回に右をまともに顔面に受けながら、強烈な右を返してTKO勝ちするなどインパクト十分の戦いを見せてきた。  戦績は41勝(36KO)1敗1分け。勝ちを逃した2試合は、ともに現スーパーミドル級4団体統一王者のサウル・アルバレス(メキシコ)との対戦。2戦とも判定だが、どちらもゴロフキンが勝っていてもおかしくない内容だった。  過去の選手などに関する知識も豊富な村田は、ゴロフキンについて「ミドル級史上最強。1敗1分けは勝っていた試合。事実上負けたことのない選手」と言い切る。2人の戦いは、日本ボクシング史に刻まれる試合になりそうだ。  ◇ゴロフキンに挑んだ日本人=淵上さんと石田さん  ゴロフキンは、2010年から18年にかけて世界王座の20連続防衛を果たし、主要3団体の王座を統一した経験を持つ。この間、日本選手2人が挑み、はね返された。  12年5月にウクライナで拳を交えた淵上誠さん(38)は第1ラウンド、「いける」と感じたという。しかし、この回の終盤に右目付近を切って流血。視界が悪くなり、第2ラウンドには「鈍器で殴られているようなパンチ」をまともに受け、ダウンを喫した。  強打だけではない。淵上さん会心の左ストレートを顔に当てた場面があったが、ゴロフキンは1歩下がっただけ。「効かねえの?と思って、逆にこっちがひるんだ」。第3ラウンドは一方的に攻められ、レフェリーが試合を止めた。  石田順裕さん(46)は13年3月にモナコで3回KOの完敗を喫した。「もちろんパンチ力は強かったが、体の力が全然違った。クリンチをしようとしても引き離された」。果敢に接近戦を挑んだが、最後は強烈な右フックで、上半身がロープの外へ飛び出すほど派手に倒された。  そんなゴロフキンにも弱点がないわけではない。19年10月の試合では、勝ったものの、ボディーを攻められて苦戦。石田さんは「ゴロフキンにパンチが効いた場面なんて、今まで見たことがなかった」と言う。村田もその点は十分に研究し尽くしているだろう。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕パンチ力とテクニックを兼ね備えるIBFミドル級王者のゲンナジー・ゴロフキン=2018年5月5日、米カリフォルニア州カーソン(AFP時事) 〔写真説明〕WBAミドル級タイトルマッチでゲンナジー・ゴロフキン(左)のパンチを受ける石田順裕さん=2013年3月30日、モナコ(AFP時事)
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