打撃で見返した巨人の小林＝若手引っ張る扇の要―プロ野球

　見くびられたままでは終われない。巨人の小林は、少し笑顔で打席に入った。ウィーラーが申告敬遠された後の四回２死一、二塁。１点を奪った直後だけに、一打が出れば大きい。「相手の作戦だし、僕は（打順が）後ろ。当然のこと」 　冷静に、足元への初球を見送った。続く外角低めの変化球を振り抜き、三塁線を破る適時二塁打。「何とか物にしたかった。打ててよかった」。二塁上で控えめに右拳を握った。 　守備に定評はあるが、昨季の打率は９分３厘。出場機会も減った。「本当に情けない」。今年のキャンプ直前には新型コロナウイルス陽性で離脱した。焦りも感じる中、二岡２軍監督とともに体の使い方やスイングの軌道を修正。「手応えはオープン戦からあった。少ないチャンスを生かしたい」と実感を込める。 　６月で３３歳になる。若手を引っ張る意欲が強く、開幕直後に坂本が離脱した際は主将代行も担った。この日は計７投手を好リード。「若い選手が多く、僕も一緒に成長したい。強いバッテリーに」。扇の要として、攻守で支える覚悟だ。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕４回、巨人の小林が適時二塁打を放つ＝３０日、神宮