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思いつないだ新旧エース=渡った「諦めない」バトン―距離スキー〔パラリンピック〕


 ゴール直後、あおむけに倒れ込んだ川除を、41歳の新田が抱きかかえる。「諦めるな。その思いを実践してくれた」と新田。ノルディックスキー距離を締めくくるオープン10キロリレー。日本の新旧エースがつないだ思いは、7位入賞の成績以上の価値があった。  クラシカル走法の1、3走をベテラン新田が務め、フリーの2、4走を川除が担った。最終周の残り1キロの時点で、7位ドイツとの差は40秒以上あった。しかし、後半の下りでドイツ選手が転倒。川除はスキー板がよく滑る日陰の雪面を選ぶなど冷静な滑りで徐々に迫った。「これはいける」。最後の直線で追い抜き、「諦めないのは大切だな」と実感を込めた。  サプライズの人選だった。川除を混合10キロリレーに回すことも考えられたが、長浜コーチは「最後にこの2人で、思い切り走らせたい気持ちがあった」。この大会を競技人生の区切りとしている第一人者と、20キロクラシカル立位で金メダルに輝いた若きエースのコンビにこだわった。  川除はコーチからの提案を快諾したという。新田は「純粋にうれしかった。準備しないといけないなと思った」。2010年バンクーバー大会で獲得した金メダルを見せた時は、川除はまだ小学生だった。今や日本を背負って立つ存在になった21歳と一緒に最後のレースを終え、新田は言った。「バトンは渡せた。いろんな意味でやってきた役割は果たせた」(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕ノルディックスキー距離オープン10キロリレー、ゴールした川除大輝(左)に駆け寄る新田佳浩=13日、張家口 〔写真説明〕ノルディックスキー距離オープン10キロリレー、ゴール後に笑顔を見せる川除大輝(右)と新田佳浩=13日、張家口 〔写真説明〕ノルディックスキー距離オープン10キロリレー、力走する最終走者の川除大輝(手前右端)。左端は第3走者の新田佳浩=13日、張家口
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