Bリーグ1部(B1)は5月23日から26日にかけて横浜アリーナでチャンピオンシップ(CS)ファイナルが行われ、西地区1位の長崎ヴェルカは同3位の琉球ゴールデンキングスと対戦。1勝1敗で挑んだ26日の第3戦を72−64で勝利し、クラブ史上初となるファイナル優勝を果たした。
第3戦は序盤、一進一退の展開となったものの、長崎は強度の高いディフェンスで琉球のオフェンスを封じ、第1クォーターを17-10とリード。第2Qはジャレル・ブラントリーや熊谷航、スタンリー・ジョンソンらが得点を重ね、36-23とさらにリードを広げていく。
第3Qでは、第1戦、第2戦と低調だった長崎の3ポイントシュートが火を吹く。イヒョンジュンや熊谷、ジョンソンが次々に長距離砲を沈め、このクォーターだけで5本の3Pシュートを成功。10点リードで迎えた第4Qには一時13点までリードを広げたものの、琉球に10-0のランを許し、59-56と1ポゼッション差まで迫られる。それでも、ファウルトラブルでベンチに下がっていた馬場雄大がコートに入ると、攻守で再び勢いをもたらし、最終的には72−64で勝利。2020年のクラブ創設以来初出場となったCSを勝ち進み、2025−26シーズンのBリーグ王者に輝いた。
長崎は第3戦では、イヒョンジュンが両軍最多の23得点5リバウンド、馬場とブラントリーがそれぞれ14得点を記録。司令塔の熊谷航は6得点6リバウンド2スティールと攻守で存在感を発揮した。ファイナル賞には馬場が輝き、CS・MVPにはイが選出された。
試合後の記者会見ではモーディ・マオールHCと馬場、イが会見で質問に答えた。

モーディ・マオールHCのファイナル第3戦後のコメント
ーー優勝してどんな気持ちか
まず、本当にこのチームを誇りに思っていますし、感謝しています。優勝した瞬間にあれだけたくさんの人が泣いていたのをこれまで見たことがないです。それだけ自分たちが優勝するためにやってきました。
この組織にいる全員が一歩ずつちゃんとステップを踏んでいるとともに誰もスキップをしていなくて、そのプロセスというのは5年前から始まっていて、チームのビジョンがはっきりしていて、この組織の全員がそれに対してコミットしているというのは非常に素晴らしいと思います。そして、チームとしてもこの2年間は自分たちで積み上げてきました。全員が一人一人の役割を理解していて、一つずつのピースができ上がって、最終的に総合的なピースができ上がった。全員が本当に誇りに思っていいと思います。
私たちは1年間を通してベストなチームだったと思いますし、CSでも3強(アルバルク東京、千葉ジェッツ、琉球)と言われるチームをしっかり倒してきました。この組織はこうしてしっかり目標を達成しましたが、今後も引き続き受け継がれていくと思っています。

ーー「ポジションレスバスケ」を掲げ、それを貫いて優勝したことについてはどう思うか
確かにスタイルだったり、自分たちのコンセプトだったり、そういう戦術的なことも大事だと思いますが、正直バスケットで勝つにはいろいろな方法で勝てると思っていますし、自分たちのシステムが良かったから勝てたとは思っていないです。自分たちが達成したいことをしっかり遂行できたから今シーズン勝てたと思っています。
どんな方法であっても、それをしっかり遂行できれば勝てると思っていますし、もう一つすごく思うことは、自分はラッキーだということです。本当に周りの方たちが素晴らしいですし、タレントもそろっていました。彼らが本当に素晴らしかったから自分たちのシステムを追求することができて、それが逆では不可能でした。
馬場雄大のファイナル第3戦後のコメント
ーー優勝してどんな気持ちか
シーズンの途中から優勝だけを目指して戦ってきたので、狩俣さんの引退の件もありましたし、もう最高の気分です。
ーー第1戦を落としてから2連勝で優勝できた要因は
一試合目はあまり自分たちのやりたいバスケができないという状況で、ある意味少し自滅してしまったかなという印象があった。ゲーム2、ゲーム3はちゃんと自分たちに返って、自分たちが今シーズンやってきたことを(やる)というスカウティングをモーディ(HC)がしてくれたので、そこでちゃんとわれに返ることができて、自分たちの力を発揮することができたので、こうやって優勝をつかめたのかなと思います。

ーーこれまでにもさまざまなクラブ、チームを経験しているが、長崎が優勝できた要因をどう見ているか
モーディが言ったことが全てかなと思います。この組織、(社長兼GMの)伊藤拓摩さんですね。拓摩さんを中心に全員が本当にコミットメントとしたと思いますし、全員が自分たちの仕事にプライドを持って一日一日過ごしていたと思う。彼を中心として彼の姿勢を見て過ごしてきた、集まった仲間たちのおかげでこういった結果ができたと思うので、誰しもできたわけではない。ここにいるメンバーが一人欠けても優勝できなかったと思うので、一人一人がプライドを持って働いた結果だと思います。
ーー「ポジションレスバスケ」を掲げて、それを貫いて優勝したことについてはどう思うか
まず自分たちのやってきたことを信じていましたし、モーディが自信を持って、時間をかけて僕たちに指導してくれていたので、正直自分たちも自信がありました。また今までのBリーグは典型としては、少しこうビッグがゲームを支配する機会が多かったと思うのですが、僕たちがこういうバスケをして優勝することによって新しい可能性を、日本のバスケット、リーグに示すことができたと思うので、そこはすごく自信を思っています。
ーー自身のプレーを振り返ってどう評価するか
まず僕に関してはファウルが少しかさんでいたこともあって、(第4Qの)あのタイミングで出ることになったんですが、やっぱり僕が出られない分、出ていた山口選手や星川選手があそこまで頑張っていて、それを受け継いだ時に自分もやらないわけにはいかないという思いだった。そこに関しては、普段あそこまで座っていることはないのですが、あそこまで座っていたので、もう一回集中し直してコートに入ることができたと思います。
何よりも、内容はどうであれ勝ちたいという思いが全面に出ていたなという結果と思いますし、ファイナルはそこが全てだと思いますし。自分に対してよくやったなと言いたいなと思います。
ーーずっと地域の活力になるということを大事にしてきたと思うが、改めて長崎にどんな思いがあるか
もう、感謝の一言です。ファイナルといえど、ここまで長崎が、たくさんのブースターの方が横浜アリーナに足を運んでくださるとは正直思っていなかったです。また、画面越しにでも、パブリックビューイングを通してたくさんの方がかなり多くの方が応援してくだっていたと聞いたので、ヴェルカは(Bリーグ参入から)5年目ということなんですけど、勝っているときも負けているときも本当に変わらずに同じ情熱を毎年毎年注いでくれて、本当に感謝しています。あなたたちがいたから優勝することができました。
イヒョンジュンのファイナル第3戦後のコメント
ーーCS・MVPを受賞しての感想は
受賞して本当に嬉しいですが、チーム全員がMVPだと思っています。(熊谷)航や馬場、スタンリーやJB(ジャレル・ブラントリー)、みんながMVPに値します。とにかく勝てたことが一番嬉しいですし、本当にこのチームを素晴らしいと思っています。

ーー第3戦では23得点を記録したが、自身のオールラウンドさを見せられたか
試合中は常にどういう状況を気にして、本当に自分が必要なことをしっかりやっていたかなという印象で、普段自分は練習でもダンクとかはしないのですが、今日(第3戦)はそういう場面だったのでダンクしました。なので、リングにすみませんと言わなくてはいけません(笑)。

