【ハムダイトAFP=時事】始まってから5週間がたったエチオピア北部ティグレ州の紛争から逃れた多数の避難者の中には、世界有数の独裁国家に数えられるエリトリア出身の男性や女性、子どもたちがわずかに含まれている。(写真はスーダン東部ハムダイトで、AFPのインタビュー後にベッドに座るエチオピア北部ティグレ州の紛争から逃れてきたエリトリア難民)
 これらのエリトリア人たちはこれまで、ティグレ州で難民として暮らしていた。紛争や抑圧が長年続いたエリトリアの人々にとって、ティグレ州は長い間安全な避難場所だった。
 しかし、エチオピアのアビー・アハメド政権がティグレ州政府与党「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」に対し軍事作戦を開始すると、エリトリア人の難民キャンプ周辺では衝突が激化。難民たちが抱いていた安全という幻想は打ち砕かれた。
 エチオピアとエリトリアは長きにわたり、公式には戦争状態にあった。
 アビー氏は、2018年に首相に就任後、長年続いたTPLFのエチオピア政界支配に終止符を打った。TPLFはエリトリアのイサイアス・アフウェルキ大統領の宿敵で、同大統領とアビー氏は同年、両国の紛争終結を盛り込んだ歴史的な和平合意に署名した。アビー氏はこの合意を受け、ノーベル平和賞を受賞している。
 同盟関係が劇的に変化したことを受け、アビー首相は11月4日にティグレ州で軍事作戦を開始。エチオピアで長年にわたり保護されてきたエリトリア人たちは、この戦闘で標的になったとみられる。
 以降、スーダンに逃れることのできたエリトリア難民はわずかしかいない。ティグレ州にある難民キャンプ4か所には、約9万6000人のエリトリア難民が暮らしている。
 国連は、今もティグレ州にいる難民たちの安全に懸念を示している。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2020/12/14-11:19)

情報提供元:時事ドットコム ワールドアイ
記事名:「逃れた先でまた苦難、エチオピア北部のエリトリア難民