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オンラインセミナー「ウクライナの『迅速かつ質の高い復興』 実現に向けて―東日本大震災の事例から」開催


2023年6月27日
公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202306236549-O2-dV7efN98
セミナーで使用されたスライドより (C) 石渡幹夫

 公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団(所在地:東京都港区、理事長:中島治男、略称:日本GIF)は、5月29日(月)14時から、Zoomを利用したオンライン形式にて、東京大学客員教授でJICA国際協力専門員の石渡幹夫先生を講師にお迎えし、「ウクライナの『迅速かつ質の高い復興』実現に向けて―東日本大震災の事例から」をテーマにセミナーを開催しました。

開催の趣旨
 2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵略の行方は依然として見通しが立たず、長期化あるいは固定化する可能性が危惧されています。現在、終戦を待たずにウクライナの復興について世界規模で検討する時期に来ています。ウクライナの復興は「大規模災害からの復興」という課題でもあり、東日本大震災からの復興を経験した日本の果たす役割は大きいと考えられます。
復興の大きな課題は、「迅速かつ質の高い復興 (quick and quality recovery)」です。住民にとって、街の機能の迅速な回復は最優先であり、また、質の高さを目指すことで、旧来の都市よりも進んだインフラ設備を整えることができます。
 しかし、通常時のインフラ建設で求められる事前の環境アセスなどの法的な枠組みは、スピードを求める上で妨げになる可能性があり、また、建設のための土地の収用や集団移住に関しては、個人の権利と公共の利益のバランスを考慮しなければなりません。これは、日本GIFが研究を続けている、気候変動適応策としてのインフラ建設や移住に通じる普遍的な課題でもあります。東日本大震災の現場では、これらをどのように解決したのでしょうか。
 今回のセミナーでは、国際的な防災および復興に様々な立場から長年携わられている、東京大学客員教授でJICA国際協力専門員の石渡幹夫先生をお招きし、ウクライナ復興における「迅速な復興」と「質の高い復興」の両立に向けての提言をいただきました。

講演要旨
 今回のセミナーでは、東日本大震災からの復興における、規制緩和、民間との連携、弱者配慮などの取り組みや知見を、ウクライナの大規模な復興に生かすことを目的に、東日本大震災の復興枠組み、インフラ復旧の迅速化、環境アセスメント、復興特区の実績等について報告しました。

 講演のまとめで石渡教授は、規制緩和は環境影響、住民の合意形成、土地利用に関する悪影響を考慮する必要性、災害復興制度を事前に整備することが重要である事、民間事業者活用が地域産業振興や雇用確保上も重要である事等を話しました。

 講演後の質疑応答では、ウクライナと東日本大震災の違い、ウクライナ復興における地域文化面への考慮、日本政府としての紛争後の復興支援の事例について等、多くの質問が飛び交いました。「日本はウクライナ復興にどんな部分で貢献できるか?」の質問に対して、「東日本大震災を乗り越えたインフラ整備や、阪神淡路大震災での被災者の心理ケアの実績等において、日本のノウハウが寄与できると考える」など、具体的なアクションについても示唆がありました。また、今後は「AI(人工知能)やXR(クロスリアリティ)、ビッグデータの活用が、復興をさらに後押ししてくれるだろう」と、技術革新への期待も示されました。

 セミナー終了後のアンケートによると、「ウクライナへの提言」、次いで「迅速な復興への工夫」のパートへの関心が高かったことがわかりました。参加者からは、「東日本大震災における事務手続きの簡素化など具体的な手法が参考になった」「東日本での復興の経験がウクライナの復興に生かせる事を知った」等の回答が寄せられ、ウクライナ復興への関心の高さが見て取れました。

セミナーの概要は以下の通りです。

セミナー概要
主 催:公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団(日本GIF)
日 時:2023年5月29日 (月) 14:00~15:30
開催形式:Zoomを利用したオンライン形式(ウェビナー)
講演者:石渡 幹夫(東京大学客員教授、JICA国際協力専門員)
司会者:坂本 晶子(日本GIF事務局長)
セミナー動画 https://gif.or.jp/seminar_youtube/ukraine-2/

講師略歴
石渡 幹夫(いしわたりみきお)

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202306236549-O3-qv0GyfJ6

 防災や水資源、環境、平和構築分野のODA プロジェクト、研究、教育に従事している。これまで、世界銀行では上席防災専門官として、「大規模災害からの復興:東日本大震災からの教訓」に従事し、「Learning from Megadisaster: Lessons from Great East Japan Earthquake(共編著):World Bank」、を出版している。国土交通省では17年にわたり、浜田河川国道事務所長、河川計画課企画専門官など、治水プロジェクトやインフラ整備、技術開発に携わる。アジア開発銀行都市開発専門官、クランフィールド大学防災研究所人事院派遣研究員を歴任。日本学術会議・東日本大震災復興支援委員会災害に対するレジリエンスの構築分科会特任連携会員を務める。現在、日本水フォーラム理事、CWSアドバイザー。防災、気候変動適応、水資源に関わる学術論文、著作多数。博士(国際協力学)。




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