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NITE、高齢者の「介護ベッド」による事故防止対策報告書を公表


~製品の特徴や事故の状況などを踏まえ、高齢者の事故を減らすための対策を提言~

製品評価技術基盤機構(NITE)https://kyodonewsprwire.jp/author/H106885

 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))は、「介護ベッドの事故防止対策報告書」を公表しました。
 65歳以上の高齢者における重大製品事故の中でも、介護ベッド周りによる事故は、2007年度から2021年度にNITEが収集した事故情報は159件あり、そのうち死亡事故は52件発生しています。介護ベットにおける事故原因の内訳は、ベッド等の「挟み込み」が半数以上を占めており、次いで「転倒」「転落」「当たる」によるものです。
 本報告書は、高齢者の重篤な事故を防ぐために、NITEが介護ベット周りの製品の特徴や事故の状況などを踏まえたリスクアセスメントを実施し、分析結果から導き出したリスク低減策や事故防止対策を取りまとめたものです。
 介護ベッド周りの事故は、介護の現場の方々が目を離した際に発生しています。 本報告書をメーカー、販売・レンタル事業者や介護の現場の方々など多くの方にご覧いただき、最新の安全基準を満たした介護ベッドを選ぶ、体を挟む隙間や空間をなくす、カバーやスペーサーを取り付ける等の対策を行っていただき、高齢者製品の事故リスクの低減にご活用ください。

 
 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202301262425-O1-3l39wkw5
  介護ベッド周りの挟み込み死亡事故のイメージ      介護ベッド周りの転落重傷事故のイメージ

 
「介護ベッドの事故防止対策報告書」(NITE) >>  https://www.nite.go.jp/jiko/report/risk/bed.html

 
【報告書の概要】
< 介護ベッド周り 事故の発生件数>
  NITEが2007年度から2021年度に収集した介護ベット周りの事故情報は 159件でした。この159件について、事故発生年で整理したところ、件数は2008年をピークに、JIS規格が改正された 2009年以降は減少傾向にあり、近年は横ばいとなっています。件数は少ないものの、2009年JIS規格を満たしていない製品の事故は未だ発生しているため、古い製品を使い続けることは事故が発生するリスクが高くなります。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202301262425-O3-tVb36J9A

 
<介護ベッド周りのリスクアセスメント>
 NITEが収集した介護ベッド周りの事故情報をもとに、 経済産業省発行の「リスクアセスメントハンドブック」の内容に沿って 、事故の多くを占める「挟み込み」「転倒」「転落」「当たる」を対象にリスクアセスメントを実施しました。

「挟み込み」
 「挟み込み」事故の典型的な危害シナリオは、介護ベッドに身体を挟んだり、壁との隙間や昇降時に身体を挟んだりする事故であり、死亡事故も発生しています。
 リスクを低減するには、身体を挟む隙間や空間をなくす、カバーやスペーサーを取り付けるや最新のJIS規格を満たす製品を使用することが効果的です。

「転倒」
 「転倒」事故の典型的な危害シナリオは、 ベッドから車いすに移乗する際に、ベッド用グリップが動いた拍子に転倒し、骨折等の重傷事故が発生しています。
 リスクを低減をするには、さらなる低床ベッドの使用、床に衝撃緩和マットを敷くことが効果的です。

「転落」
 「転落」事故の典型的な危害シナリオは、転落防止対策がないベットから寝返りをうった拍子に(高所から)転落し、骨折する重傷事故が発生しています。
  リスクを低減をするには、 転倒同様、さらなる低床ベットの使用や、床に衝撃緩和マットを敷くことが効果的です。 

「当たる」
  「当たる」事故の典型的な危害シナリオは、 介護ベッドの部品等に当たる事故であり、裂傷等の軽傷事故が発生しています。
  リスクを低減するには、柔軟素材で部品をコーティングしソフト化することが効果的です。

 

介護ベッド周りの事故リスクを低減するには
・ 最新の安全基準を満たした介護ベッドを選ぶ 
 NITEに寄せられた製品事故の情報によると、在宅用電動介護ベッドの最新の JIS 規格によって設計・製造された介護ベッドによる死亡事故はほとんどありませんでした。 
 在宅用電動介護ベッドを販売・レンタルされる際には、最新の JIS 規格の基準を満たした製品の提供・選択をお願いします。また、非電動介護ベッドについても、サイドレール等の隙間が、在宅用電動介護ベッドのJIS規格に準拠した製品の提供・選択をお願いします。

・安全マットや見守りシステムなど、適切な機器と組み合わせて使用する 
 高さを低くできるベッド、衝撃緩和マットや見守りシステムで、転落・ 転倒時のダメージやリスクを低減することができます。 

・安全に正しく使用する 
 安全な製品を選び、取り扱い説明書を読んで正しい使い方で使用しましょう。 

 
>>介護ベッド事故のリーフレット https://www.nite.go.jp/data/000129487.pdf

 
介護ベッド周り以外の高齢者事故の事故防止報告書は、以下でご確認ください。
>>手すり  https://www.nite.go.jp/jiko/report/risk/printedlist.html
>>はしご・脚立 https://www.nite.go.jp/jiko/report/risk/ladder.html
>>車椅子 https://www.nite.go.jp/jiko/report/risk/wheelchair.html

 
リスクアセスメント手法の概要
 リスクアセスメントは以下のフローに沿っています。
 高齢者事故は、使用者が高齢であること、介護の現場の方々が事故発生現場に居合わせることが少ないという特徴から、発生経緯が不明であるため、NITEの事故情報と外部機関の情報を組合せて危害シナリオを作成し、そのシナリオの発生頻度をFTAで推定した後、R-Map上でリスクを見える化することで、安全かどうか確認しています。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202301262425-O4-4Snma364

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202301262425-O5-S1sqghqA

 
 FTAやR-Mapについて詳しく知りたい方は、「介護ベッド事故防止報告書」やNITE講座にて講演を行いましたのでそちらをご参照ください。
  2022年度 製品安全センターNITE講座 リスクアセスメント基礎 
 >>動画 https://www.youtube.com/watch?v=EP-fN_vjueQ 
 >>資料 https://www.nite.go.jp/data/000142179.pdf

 

独立行政法人 製品評価技術基盤機構 製品安全センターの概要 
  NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1千件以上の事故情報が寄せられます。 
 製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っています。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てています

 
>>YouTube NITE official  せいあんチャンネル「介護ベッドの事故に注意しましょう」

【動画:https://www.youtube.com/watch?v=CwxzCVpdRaI

 

>> NITEでは、noteで各部問の事業や制作の裏側等を分かりやすく紹介しています。ぜひご覧ください 
 note記事「製品の正しい使い方を伝えたい!だから、私たちはYouTuberになった。」
 https://nite-gov.note.jp/n/n6d3ef11fdd90

 

 

 

 

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