ウパダシチニブ単剤療法、アトピー性皮膚炎に対する最初の第III相試験において、皮膚症状とかゆみを改善
アッヴィ合同会社
ウパダシチニブ単剤療法、アトピー性皮膚炎に対する最初の第III相試験において、皮膚症状とかゆみを改善
●中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人および青年患者さんを対象に、プラセボと比較し、ウパダシチニブを評価した第III相試験のトップライン結果において、ウパダシチニブ単剤療法の両用量(15 mgおよび30 mg)がすべての主要評価項目および副次評価項目を達成1
●ウパダシチニブを投与された関節リウマチおよび乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の患者さんにおける安全性プロファイルと比べ、新たな安全性リスクは検出されず1-5
●ウパダシチニブは、アッヴィが発見し開発した選択的かつ可逆的なJAK阻害薬で、1日1回経口投与の治療薬として、中等症から重症のアトピー性皮膚炎、その他複数の免疫関連疾患に対する治療薬としても開発中1,6-12
イリノイ州ノースシカゴ、2020年6月18日(米国時間)—グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業であるアッヴィ(NYSE: ABBV)は、ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg、1日1回投与)単剤療法が、全身療法の対象となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する成人および青年患者さんにおいて、主要評価項目である16週時の湿疹面積・重症度指数の75%以上の改善(EASI 75)および治験担当医師によるアトピー性皮膚炎の全般的な重症度の総合評価(validated Investigator’s Global Assessment for AD:vIGA-AD)で「消失」または「ほぼ消失」(0/1)を達成したことを発表しました1。Measure Up 1試験は、中等症から重症のアトピー性皮膚炎に対するウパダシチニブの有効性および安全性を評価する、最初のピボタル第III相試験です。
本試験では、ウパダシチニブ15 mgまたは30 mgの単剤療法を受けた患者さんにおいて、皮膚症状の有意な改善が示されました1。16週時のEASI 75の達成率は、プラセボ群の16%に対して、ウパダシチニブ15mg群が70%、30 mg群が80%でした(p<0.001)1。vIGA-AD 0/1の達成率については、プラセボ群の8%に対して、ウパダシチニブ15mg群で48%、30 mg群では62%でした(p<0.001)1。
アッヴィのバイスチェアマン兼プレジデントのマイケル・セヴェリーノ医学博士、M.D.は次のように述べています。「アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは過酷な皮膚症状およびかゆみの症状に苦しんでおり、そこには大きなアンメットニーズが存在しています。ウパダシチニブが、アトピー性皮膚炎による負担を抱えて生きる患者さんに対して希望を与える可能性を示す結果が得られたことを、大変喜ばしく思います」
両用量において、患者さんのかゆみは早期に軽減され、16週時まで維持されました1。最悪のかゆみの数値評価スケールスコア(最悪のかゆみのNRSスコア)が4点以上改善することと定義した臨床的意義のあるかゆみの軽減1を16週時に達成した割合は、ウパダシチニブ15mg、30 mg群が、プラセボ群より有意に高いことが示されました(15mg群で52%、30mg群で60%、対12%、[p<0.001])1。臨床的意義のあるかゆみの軽減については、プラセボ群と比較して、ウパダシチニブ30 mg群では初回投与から1日後(試験開始後2日時点)(12% 対4%、p<0.001)、ウパダシチニブ15 mg群では初回投与から2日後(試験開始後3日時点)(16%対3%、p<0.001)の早期に認められました1。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102977/202007021602/_prw_PT1fl_S8iyycBo.png】
*主要評価項目は16週時のEASI 75およびvIGA 0/1。いずれの主要評価項目もp<0.001を達成。試験開始後2日時点、3日時点および16週時の最悪のかゆみのNRSスコア4点以上の改善を副次評価項目とした。すべての副次評価項目でp<0.001を達成。表にはすべての副次評価項目は示していません。
a EASI 75は湿疹面積・重症度指数の75%以上の低下と定義。
b vIGA-AD 0/1は、治験担当医師によるアトピー性皮膚炎の全般的な重症度の総合評価で「消失」または「ほぼ完消失」(0/1)と判定され、かつベースラインから2グレード以上減少した場合と定義。
c 最悪のかゆみのNRSスコア4点以上の改善は、最悪のかゆみのNRSスコアが4点以上改善(減少)した場合と定義。この評価項目について、ベースラインで最悪のかゆみのNRSが4点以上であった患者を対象に解析を実施。
アトピー性皮膚炎は、一般的な慢性で再発を繰り返す炎症性の皮膚疾患です。かゆみの症状と掻破行動が繰り返され、痛みを伴う皮膚のひび割れを引き起こします13,14。青年の約25%および成人の約10%が、生涯のいずれかの時点でアトピー性皮膚炎に罹患すると推定されています15。アトピー性皮膚炎の成人患者さんのうち、20~46%が中等症から重症です16。多様な症状が、患者さんに多大な身体的、心理的および経済的な負担を与えます13,14。
マウントサイナイ・メディカルセンター アイカーン医科大学 皮膚・免疫学科教授兼治験責任医師のエマ・ガットマン-ヤスキー医学博士、M.D. Ph.D.は以下のように述べています。「中等症から重症のアトピー性皮膚炎とともに生きる青年および成人患者さんの多くが、日常生活のあらゆる側面に大きな影響を及ぼす疾患による負担に苦しんでいます。ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、皮疹の消失またはほぼ消失が高い割合で達成され、いずれの用量においても、かゆみの軽減が迅速に認められたことは、大変期待できる結果です」
ウパダシチニブを投与された関節リウマチおよび乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の患者さんにおける安全性プロファイルと比べ、新たな安全性リスクは認められませんでした1-5。Measure Up 1試験において16週時に認められた重篤な有害事象の割合は、ウパダシチニブ15 mg群で2.1%、ウパダシチニブ30 mg群で2.8%、プラセボ群で2.8%でした1。治験薬投与下で特に多く認められた有害事象は、ざ瘡、上気道感染および鼻咽頭炎でした1。ざ瘡はプラセボ群(2.1%)と比較して、ウパダシチニブの両用量群で多く認められ(15 mg群で6.8%、30 mg群で17.2%)、ほとんどの症例は軽度から中等度でした1。疱疹状湿疹がウパダシチニブ30 mg群(1.1%)およびプラセボ群(1.4%)で認められ、ウパダシチニブ15 mg群では認められませんでした1。重篤な感染症が稀に報告されました(ウパダシチニブ15 mgまたは30 mg群で0.7%、プラセボ群では報告されませんでした)1。死亡例、静脈血栓塞栓関連事象(VTE)または主要有害心血管事象(MACE)は報告されませんでした1。
全般的なMeasure Up 1試験の結果については、医学会での報告や、学術誌での発表が予定されています。ウパダシチニブのアトピー性皮膚炎に対する承認はされておらず、規制当局による本剤の安全性および有効性の評価はされていません。
Measure Up 1試験について1,17
Measure Up 1試験は、全身療法の対象となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する成人および青年(12歳以上)の患者さんにおけるウパダシチニブの安全性および有効性を評価する第III相、多施設共同無作為化、二重盲検、並行群間プラセボ対照試験です。患者さんは無作為に、ウパダシチニブ15 mg群、ウパダシチニブ30 mg群またはプラセボ群に割り付けられ、プラセボ群はその後16週時にウパダシチニブ15 mg群またはウパダシチニブ30 mg群に割り付けられました。
主要評価項目は、投与開始後16週時のEASI 75を達成した患者さんの割合およびvIGAスコア0/1を達成した患者さんの割合でした。副次評価項目は、16週時の最悪のかゆみNRSスコアで4点以上の改善、16週時のEASI 90、最悪のかゆみNRSスコアの変化率、EASIの変化率、ならびにウパダシチニブ30 mg群における投与2日時(試験開始後1日時点)およびウパダシチニブ15 mg群における3日時(試験開始後2日時点)の最悪のかゆみNRSスコアで4点以上の改善などでした。本試験は進行中で、プラセボ対照期間を完了した患者さんを対象に、ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg、1日1回投与)の長期的な安全性、忍容性および有効性を評価するために、長期継続投与期間においても盲検性が維持されています。本試験の詳細についてはwww.clinicaltrials.gov(http://www.clinicaltrials.gov)(NCT03569293)をご覧ください。
ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し、開発したウパダシチニブは選択的かつ可逆的なJAK阻害薬で、1日1回経口投与の治療薬として複数の免疫炎症性疾患を対象に研究が進められています1,6-12。本剤はJAK2、JAK3およびTYK2に比べて、JAK1に対して強力な阻害活性を示すように設計されています2。2019年8月に、ウパダシチニブは、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬としてFDAの承認を受けました。2019年12月には、1種類以上のDMARDで効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として欧州委員会の承認を得ました。関節リウマチに対して承認されているウパダシチニブの用量は15 mgです。アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です7-12,14。ウパダシチニブのアトピー性皮膚炎に対する規制当局の承認はされておらず、その安全性および有効性は評価されていません。
ウパダシチニブに関する重要な安全性情報
米国におけるウパダシチニブの使用および重要な安全性情報
ウパダシチニブは、中等症から重症の関節リウマチを有し、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった成人患者さんの治療を適応とする処方薬です。18歳未満の小児に対するウパダシチニブの安全性および有効性は確立されていません。
ウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報はどのようなものでしょうか?
ウパダシチニブは免疫系が感染症と戦う能力を弱める可能性がある薬剤です。何らかの感染症が認められる場合は、担当の医療従事者が認めない限り、ウパダシチニブの服用を開始しないでください。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、結核および細菌、真菌、またはウイルスが原因で起こる全身に広がる感染症などが発生しています。これらの感染症による死亡例もあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが結核に感染しているか検査し、ウパダシチニブ投与中に結核の徴候や症状があるか慎重に確認しなければなりません。帯状疱疹を発現するリスクが増加する可能性があります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんで、リンパ腫や皮膚がんを含むその他の癌が発生することがあります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があります。これらは、生命を脅かす、または死に至る可能性があります。
胃または腸に裂傷が生じることがあります。また、一部の臨床検査結果に変化が生じることがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与前および投与中に、血液検査を行う必要があります。血液検査結果に変化が認められた場合、必要に応じて一定期間、ウパダシチニブの投与を中断する可能性があります。
ウパダシチニブの服用開始前にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合、担当の医療従事者に伝えてください。
・感染症の治療を受けている、治らない感染症がある、再発する感染症がある、または次のような感染症の症状がある場合。
○熱、発汗または悪寒
○息切れ
○皮膚の熱感、発赤もしくは疼痛、または身体部位の痛み
○筋肉痛
○疲労感
○血液の混じった痰
○下痢または胃痛
○咳嗽
○体重減少
○排尿時の灼熱感または通常より頻繁な排尿
・結核に感染している、または結核患者さんと緊密に接触している場合。
・何らかのがん、B型もしくはC型肝炎、帯状疱疹、脚や肺の静脈血栓、憩室炎(大腸の一部の炎症)、または胃潰瘍もしくは腸の潰瘍の既往歴がある場合。
・肝疾患、血球数低値、糖尿病、慢性肺疾患、HIV、免疫系が弱いなどの他の医学的病態がある場合。
・特定の真菌感染にかかるリスクを増加させる地域、例えばオハイオ川流域、ミシシッピ川流域、南西部に在住、もしくは在住していた、または旅行したことがある場合。これらの地域に行ったことがあるか不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。
・最近ワクチンを接種した、またはワクチン接種を予定している場合。ウパダシチニブを服用する患者さんは、生ワクチンを接種してはいけません。
・妊娠している、または妊娠を計画している場合。動物を用いた試験に基づくと、ウパダシチニブは胎児に害を及ぼすおそれがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが妊娠しているかどうか検査します。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも4週間は、妊娠を避けるため効果的な避妊を行ってください。
・授乳中である、または授乳を予定している場合。ウパダシチニブは母乳に移行する可能性があります。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも6日間は授乳しないでください。
処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントを含む、服用中の薬剤すべてを医療従事者に伝えてください。ウパダシチニブと他剤が互いに影響し合い、副作用を引き起こすおそれがあります。
特に、次の薬剤を服用している場合は、担当の医療従事者に伝えてください。
・真菌感染または細菌感染に対する薬剤
・リファンピシンまたはフェニトイン
・免疫系に影響を及ぼす薬剤
これらの薬剤を服用しているか不確かな場合は、担当の医療従事者または薬剤師にお尋ねください。
ウパダシチニブの服用開始後にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合は、直ちに担当の医療従事者に伝えてください。
・何らかの感染症の症状が認められた場合。ウパダシチニブにより、感染症にかかりやすくなることがあります。また、感染症を悪化させることがあります。
・ウパダシチニブ投与期間中に次のような血栓の徴候または症状を認めた場合。
○腫脹
○原因不明の突然の胸痛
○脚の痛みまたは圧痛
○息切れ
・引かない発熱または治らない腹部の痛みがあった場合、および排便習慣の変化があった場合。
ウパダシチニブの主な副作用は、どのようなものですか?
主な副作用としては、上気道感染(感冒、副鼻腔感染)、悪心、咳嗽、発熱などがあります。この他にもウパダシチニブの副作用が発生する可能性があります。
ウパダシチニブは、1日1回の服用です。食前食後は問いません。錠剤を分割したり、潰したり、砕いたり、噛み砕いたりしないでください。担当の医療従事者の指示通りにウパダシチニブを服用してください。
以上がウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報です。詳しい情報については、担当の医療従事者にご相談ください。
処方薬の副作用をFDAに報告することが奨励されています。
www.fda.gov/medwatchをご覧いただくか、1-800-FDA-1088にお電話ください。
薬剤のお支払いが難しい場合は、アッヴィがお手伝いできるかもしれません。詳細については、AbbVie.com/myAbbVieAssistをご参照ください。
詳細な処方情報についてはこちらを、服薬ガイドについてはこちらをクリックしてください。
世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。
アッヴィの皮膚科領域について
アッヴィは、10年以上にわたり、乾癬、乾癬性関節炎、化膿性汗腺炎、アトピー性皮膚炎などの重篤な皮膚疾患に悩む患者さんに向けた、新たな治療の開発や既存治療の改善に取り組んできました。このような患者さんが治療目標を達成し、皮膚疾患を乗り越えた生活にたどり着けるよう、幅広い臨床試験プログラムを実施し、皮膚科領域で進化する様々なニーズに合わせた研究を積極的に行い、当社のパイプラインを継続的に拡充しています。アッヴィの皮膚科領域での取り組みについての詳細はhttps://www.abbvie.com/our-science/therapeutic-focus-areas/immunology/immunology-focus-areas/dermatology.htmlをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、LinkedInやInstagramでも情報を公開しています。
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