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抗がん剤ロンサーフ(R) 胃がんの第Ⅲ相試験結果をESMOで発表 The Lancet Oncologyに論文掲載


2018年10月22日



大鵬薬品工業株式会社



抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ(R)」

切除不能胃がん患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験結果を

ESMO 2018(欧州臨床腫瘍学会)にて発表

The Lancet Oncologyに論文掲載



大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之)とセルヴィエ社(本社:フランス・シュレーヌ、代表取締役社長:オリヴィエ・ローロ)は、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ(R)配合錠T15・T20」* (以下「本剤」)に関する、第Ⅲ相臨床試験(TAGS試験)の結果が、ドイツ・ミュンヘンで開催されたESMO 2018(欧州臨床腫瘍学会、10月19~23日)で発表されたことをお知らせいたします。また、本試験結果は医学誌The Lancet Oncologyに掲載されました。本試験結果に基づき、セルヴィエ社は欧州医薬品庁(EMA)へ、本剤の胃がんでの適応追加申請を行いました。



TAGS試験は、標準治療に不応となった既治療の切除不能胃がんおよび食道胃接合部がん患者において、本剤とプラセボの有効性と安全性を比較したものです。本剤は、主要評価項目である全生存期間(Overall Survival:OS)の延長を達成し、主な副次評価項目である無増悪生存期間(Progression-Free Survival:PFS)の延長は、OS延長の結果と一貫していました。本剤投与群は、プラセボと比較しOSを2.1カ月間有意に延長し、死亡リスクを31%低減させました(OS中央値は本剤投与群5.7カ月、プラセボ投与群3.6カ月、ハザード比:0.69)。また、PFSと全身状態(ECOGのPerformance Status)低下までの期間を有意に改善しました。本試験において、安全性にかかわる新たな所見は観察されませんでした。



本試験の結果は、10月21日11時10分(現地時間)にESMO 2018の口演で、英国Sarah Cannon Research InstituteのHendrik-Tobias Arkenau氏により”TAGS, a phase 3, randomised, double-blind study of trifluridine/tipiracil (TAS-102) versus placebo in patients with refractory metastatic gastric cancer”と題し発表されました。



大鵬薬品とセルヴィエ社は、今後もがん治療において、患者さんや医療従事者により一層貢献できるよう努めてまいります。



*ロンサーフ(R)配合錠T15・T20

一般名 : トリフルリジン・チピラシル塩酸塩

開発コード : TAS-102



TAGS試験について

TAGS試験(TAS-102 Gastric Study)は、大鵬が主導した無作為割付・二重盲検の国際共同第Ⅲ相臨床試験で、標準治療に不応となった切除不能胃がんおよび食道胃接合部がん患者においてロンサーフとベストサポーティブケア(BSC)、プラセボとBSCを比較したものです。本試験の主要評価項目はOS、副次評価項目はPFS、安全性と忍容性、QOL(Quality of Life)等です。本試験は、切除不能胃がんに対して少なくとも2レジメンの治療歴がある、18歳以上の500名を目標症例数とし、日本・米国・EU・ロシア・ベラルーシ・イスラエル・トルコで507名の登録がありました。



本試験の詳細は、ClinicalTrials.govをご覧ください。

https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02500043







胃がんについて

胃がんは世界で5番目に多いがんであり、死亡数は肺がん、肝がんに続きがんの中で3番目に多く、年間約72.3万人が亡くなっていると推定されています1。日本においては、胃がんは最も多いがんであり、死亡数は肺がん、大腸がんに続き3番目に多く、年間およそ4.5万人が亡くなっています2。



近年、胃がんに対する治療成績の向上が目覚ましく、生存期間が過去10年間で飛躍的に延長されました。しかし、がんが進行すると多くの合併症を併発するため、強力な化学療法が実施できず、使用できる薬剤が制限される場合があります。切除不能胃がんに対する治療後期での生存期間延長や症状緩和は課題であり、新たな治療薬剤の選択肢を増やすことは重要と考えられています。現在、切除不能胃がんの3次標準治療として、日本ではニボルマブとイリノテカンが推奨されています。







ロンサーフについて

本剤は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合することにより薬剤の効果を維持できるよう設計した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤で、従来のフルオロピリミジンとは異なる作用機序を有しています。



FTDはDNAの複製時にチミジンの代わりにDNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮すると推測されています。TPI はFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼ(TP)を阻害し、FTDの血中濃度を維持します。



本剤は、日本では「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の適応症で大鵬薬品が2014年より販売、米国では「フルオロピリミジン療法、オキサリプラチン療法、イリノテカン療法や抗VEGF抗体療法、およびRAS野生型の場合は抗EGFR抗体療法の治療歴があり、遠隔転移を有する結腸・直腸癌」の適応症で、大鵬薬品の米国子会社である大鵬オンコロジー社が2015年より販売しています。



2015年、大鵬薬品とセルヴィエ社は本剤の共同開発および商業化に関するライセンス契約を締結しました。本契約に基づき、セルヴィエ社は欧州・その他地域(北米・日本/アジアを除く)において、本剤の共同開発と商業化を進めています。日本以外のアジアでは、台湾において、台湾東洋薬品工業株式会社が2018年より販売しています。韓国においては、提携先である第一薬品株式会社が、本剤の商業化に向けて準備を進めています。



本剤は2018年10月現在、進行・再発の結腸・直腸がん治療薬として世界61カ国・地域で承認されています。







セルヴィエ社について

セルヴィエ社は、フランスのシュレーヌに本社を置く研究開発型の非上場製薬会社です。世界149カ国で積極的に事業を展開し2017年の売上高が41.52億ユーロに達するセルヴィエ社は、世界中に21,700名の従業員を有しています。セルヴィエ社は後発薬を除く売上高の25%を研究開発費に投資しております。セルヴィエ社の成長は、循環器領域、免疫炎症領域、中枢神経領域、がん領域、糖尿病領域の5領域におけるイノベーションの追求および高品質な後発薬により支えられています。また、薬剤開発にとどまらず、eHealthソリューションも展開しています。



がん領域で中心的な存在になるのがセルヴィエ社の長期戦略です。現在、消化器がん、肺がん、その他固形がん、種々のリンパ腫、白血病などを対象に12の化合物を開発中です。患者さんの生活を変えるような薬剤をお届けするために、これらの化合物の開発を世界中の複数のパートナーとともに進めており、細胞毒性や、プロアポトーシス、分子標的といった、がんの様々な異なる治療法をカバーしています。



セルヴィエ社の詳細は、同社ホームページをご覧ください。

http://www.servier.com/





1. Ferlay J, Soerjomataram I, Dikshit R, et al. Int J Cancer. 2015;136:E359-86.

2. 国立がん研究センター がん情報サービス 「最新がん統計」https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html Last accessed October 2018



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