そう仲介業者さんから聞かれて、断ってしまっている大家さんも多いのではないでしょうか。
このような人たちは所得が低い人も少なくないため、ちゃんと家賃を払ってくれるか心配に感じる大家さんの気持ちも分かります。
しかし、こうした人たちは本当に敬遠されるべき存在なのでしょうか。
取りっぱぐれがない生活保護受給者
とりわけ生活保護受給者の入居をむげに断ってしまうのは、とてももったいないことだと私は感じます。
それはなぜかと言うと、ある手続きをすることで確実に家賃の支払いをしてもらうことができるようになるからです。
その手続きを取ることで、家賃の支払いが保証されるだけでなく滞納の心配もなくなるというから驚きです。
そうなれば、大家さんにとってこれ以上ない最高の入居者さんということになります。
「代理納付」という制度を利用すれば、生活保護受給者への住宅扶助を大家や管理会社が自治体から直接受け取ることができるようになります。
生活保護受給者を介すことなく家賃の支払いが受けられれば、受給者が生活保護費を使い込んでしまって家賃が払えないなんてこともなくなり、大家さんにとっては安心です。
また毎月自動的に一定額の入金が約束されるため、滞納の心配も解消してしまう一石二鳥の制度なのです。
ただ、代理納付に対応していない自治体もあるので、いちど役所に問い合せて確認してみるとよいでしょう。
高齢者や外国人はどうか?
私の物件では、希望があれば高齢者や外国人であっても受け入れるようにしています。
物件を所有している地域に外国人が多いこともありますが、それ以外にも理由があります。
高齢者や外国人は多くの物件で敬遠されるため、部屋を見つけるのが一苦労です。
苦労してやっと入居できた部屋であれば、余程のことがない限り短期間でそこからの引越しを考えることはないでしょう。
つまり、ある程度長期での入居が期待できるのです。保証会社に加入してもらうことで、家賃の不払いや滞納のリスクも回避することができます。
同時に、社会的に弱い立場の人に住む場所を提供することは、一種の社会貢献と見ることもできるのではないでしょうか。
そう考えると、自分の仕事に対して誇りを持つこともできるのではないでしょうか。
こうした社会的弱者をターゲットとした賃貸物件を提供は、今後の不動産賃貸業における戦略のひとつではないかと考えています。(執筆者:内田 陽一)