海の向こうの新大統領、トランプさんがまたおかしなことをやって批判を浴びています。
せっかく、フランス大統領選挙も大過なく通過したのに、何をやっているのだか…とは思います。
今回は、今、日本もアメリカも世界経済も今後も楽観なんていいますが、ぜーんぜん、そんなことはない、という話をしていきたいと思います。
日本政府や日本銀行はいいと言うけど?
内閣府や日本銀行は「日本の経済は、よくなっている」と、おっしゃっていますが…
それは、数字上はよくなっているでしょ。ということです。
たとえば政府、日銀の物価上昇に関していえば、2015年よりも、物価は低い状態です。おそらく2015年の物価は当面、超えることはないことないかな、というのが実感です。
物価が上昇するということは日本経済が成長しているということなので、大変喜ばしいことなのですが、今後は円高や原油安ということが予想されますので、物価はむしろ今よりも、下がることがほぼ確定的と考えています。
それを抗して、日本の経済成長が上伸するということになれば、かなり日本経済は強い成長なのでしょうが、物価がデフレ気味で経済が強くなるなんてことは普通ありえません。
政府、日銀が言う経済が強いというのは、要するに前期や前年に比べて日本経済成長しているということであって、今後も強いかもしれないということなのです。
消費税も上げなくてはいけないので、景気がいい、といわなければなりませんよね。
アメリカはどうなのか?
「誰が大統領になっても関係ない」というのがアメリカ経済でしょう。
前にもお話をしましたが、冬場に少し景気減速をしましたが、これはFRBも予想済みのことで大したことになりませんでした。
ただ、完全雇用に近い状態で、労働者不足になる懸念が強いのに、入国制限をかけたり、またこれまでアメリカ経済のニュービジネスの筆頭の環境関連の予算を削ったり、やっていることが20世紀の人と言わざるを得ません。
つまり、自ら、成長を阻害するような政策を次から次へと打ち出し、議会の説得も困難な状況です。
こういう状況で、北朝鮮リスクが回避されるとはとてもではないですが、思えませんよね。
世界経済リスク
今週に開かれる、サミットですが、みなさん、ご記憶にございますでしょうか? 昨年は伊勢志摩サミットだったのです。
そこで決定されたことは、世界の不透明感を解消するために各国で財政処置を取る、ということで、それが実行されたので、トランプラリーがあったのだと個人的には思います。
今年はイタリーですが、世界の合意である自由貿易や環境問題にアメリカが積極的な立場でないことは、要するに世界が成長するテーマに悉く、アメリカが反対をして、何も決まらないということです。
つまりトランプさんが大統領でいる限り、投資妙味は極端に減るということです。
今年の最大のテーマはやはりTPPを筆頭とする自由貿易だったのですが、その世界成長の劇薬に対してアメリカが反対をしているのですから、何も決まらない、ということになるでしょう。
かんたんに考えれば、サミットで決定したことを各国の議会で批准をするから秋から株が高いのです。今年は何も決まらない可能性が高い、ということです。
楽観材料?
楽観材料と聞いて、何か思い浮かぶものがありますでしょうか?
あえていえばヨーロッパの経済回復ですが、金利を上げれば債務国がまた危機に陥るのは目に見えていることです。金利がない経済は当分、続くでしょう。
世界を牽引する成長は少なくても政治の世界からは出てこないと思います。
政治が停滞するということは、秋からはまた好況に沸くということはなかなか難しいというのが現段階での結論になります。(執筆者:角野 實)