最近、北陸新幹線が金沢区間まで開業やリニア新幹線は2027年の開業を目指しており、目覚ましく交通機関が発達しています。
このように、高速鉄道の発達により、通勤時間は短くなってきており、最近では新幹線を利用した通勤も珍しくなくなってきているのではないでしょうか。
そのことを踏まえ、平成28年度の税制改正では通勤手当の非課税限度額(10万円)を引き上げる改正が行われました。
「通勤手当の非課税限度額」の引上げ額
平成28年度の税制改正で「通勤手当の非課税限度額」が「10万円」から「15万円」に引き上げられ、平成28年4月から施行されています。
しかし、すべての通勤手当に適用するわけではありません。
適用される通勤手当は、
(2) 交通機関を利用している人に支給する通勤用定期乗車券
(3) 交通機関又は有料道路を利用するほか、交通用具も使用している人に支給する通勤手当や通勤用定期乗車券
の3項目となります。
「自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当」につきまして、引上げは行われていません。
平成28年1月から3月までは会社によりイレギュラーな対応になる可能性があります
前述の通り、平成28年度の税制改正で「通勤手当の非課税限度額」について平成28年4月から施行されています。
しかし、改正部分の非課税規定が「平成28年1月1日以後に支払われるべき通勤手当」について遡って適用されることとなったために、平成28年1月から3月分までの通勤手当は、改正前の規定(旧規定)を適用して源泉徴収(所得税および復興特別所得税)を行っている場合があります。
平成28年1月から3月分まで過納となってしまった源泉徴収税は、平成28年の年末調整の際に精算する必要がありますので、注意が必要です。
改正後の規定が適応されない場合
ただし、平成27 年12 月31 日以前に支払われるべき通勤手当で、平成28 年1月1日以後に支払われるものや通勤手当の差額として追加支給されるものにつきましては、改正後の規定は適用されません。
もうすでに、年末調整が終わってしまっていて、平成28年1月から3月分まで過納となってしまった源泉徴収税については、年末調整の「再調整」をする必要があります。
ただし、年末調整の「再調整」ができるのは、1月末までの「給与所得の源泉徴収票」が発行されるまでの期間となります。
該当しそうな場合は、会社の給与担当者に聞くなどしてチェックしてみるとよいでしょう。(執筆者:高橋 豊)