これまで、一部の地方税(自動車税、固定資産税、住民税など)はクレジットカードの納付が可能でした。
それに加えて、2017年1月4日より、国税までもクレジットカードで納付できるようになったのです。
今回は、クレジットカードによる国税の納付方法や疑問点、注意点などを解説しちゃいます!
対象となる国税は?
2017年1月4日のスタート時点では、所得税や相続税、贈与税、自動車重量税など、全部で27税目が対象となっています。
2017年6月からは、源泉所得税及び復興特別所得税(告知分以外)、源泉所得税(告知分以外)のカード納付も可能となります。
ただし、印紙を貼り付けて納付するなど、納付書を添えて納付されない税目は対象外です。
使えるクレジットカードは?
利用可能なクレジットカードは、VISA、MasterCard、JCB、ダイナース、アメックス、TS CUBIC CARDです。
クレジットカードで納付可能な金額は1,000万円までで、決済手数料を含む金額以上の限度額がカードになければなりません。(勿論限度額がそれだけあればですが)
決済手数料はいくら?
1万円納付につき、税込82円の決済手数料がかかります。
納付額における決済手数料の割合は0.82%なので、1%以上のポイント還元率のクレジットカードならば、十分に得をする計算です。
手数料込みで1,000万円まで納付可能なので、991万8,000円程度までの納税がカードでできる計算ですね。
必要なものは?
クレジットカード
納付する「税額+決済手数料」以上の利用可能額があることを確認してください。
確定申告書など
「国税クレジットカードお支払サイト」では、整理番号、納付区分番号、納付品目、課税期間、申告区分などを入力する欄がありますので、これらが分かる書類を用意しましょう。
手続きの方法は?
(1)「国税クレジットカードお支払サイト」にアクセス
(2) 利用規約を確認した上で、利用者情報(氏名、住所など)や納付情報を入力する
整理番号が分からないときは、空欄のままで構いません。
(3) クレジットカード情報を入力する
セキュリティコードは、カード裏面の署名欄に書いてあります。
(4) 入力内容を確認した上で、納付手続きを完了させる
以上で手続きは自体は完了ですが、念のために納付手続完了ページをプリントアウトしておくことをおススメします。
クレジットカードで国税納付のメリットは?
納付手段が増える
まずは、納付手段の選択肢が増えたことが挙げられます。
これまでは、税務署や金融機関の窓口に足を運ばなければならず、平日仕事を休めない人には結構な悩みの種でした。
しかし、クレジットカード納付ならば24時間受け付けていますので、家に居ながらにして納税できるのです。
クレジットカードのポイントが貯まる
もちろん、クレジットカードのポイントも貯まります。
ただし、クレジットカードによっては公共料金や税金の支払いに関しては、ポイント付与の対象外、もしくは付与率を下げている場合もあります。
アメリカンエキスプレスの場合、地域電力会社や地域ガス会社、地域の水道局、そして東京都税や大阪府自動車税は、通常の半分の200円=1ポイントとなっています。
国税も200円=1ポイントの可能性があります。
時間稼ぎができる
特に個人事業主にとって、クレジットカードは実際の支払いを遅らせることができる便利なカードです。
口座引き落としまで1~2か月はありますので、資金繰りの面ではメリットが大きいです。
クレジットカードで国税納付のデメリットは?
決済手数料は納付書1枚ごとに負担
納付書が複数枚あると、税額にかかわらず枚数分の決済手数料を支払わなければなりません。
領収証書が発行されない
領収証書が必要な方は、金融機関や税務署などで納付してください。
納税証明書の発行に時間がかかる
カード会社から日本銀行に納付が完了して、初めて納税証明書が発行されることが予想され、日数を要します(3週間程度)。
情報漏えいのリスク
「国税クレジットカードお支払サイト」は、もちろんセキュリティがしっかりしているでしょうが、それでも情報漏えいのリスクはゼロではありません。
不明な点も多いですが
クレジットカードによる国税納付は、まだ制度が始まったばかりで、不明な点も数多くあります。
特にクレカユーザーにとっては、ポイント付与率がどうなるかは気になるところ。
カード会社のホームページにもまだ国税については記載がないため、問い合わせフォームやコールセンターへの電話で確認をしておくといいでしょう。(執筆者:角野 達仁)