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【公的年金だけじゃだめなのか】公的年金と私的年金の違いと、その必要性について解説


【公的年金だけじゃだめなのか】公的年金と私的年金の違いと、その必要性について解説

老後2千万円不足問題を契機に、老後の生活設計が脚光を浴びています。

特に物価高の影響や、少子高齢化社会に拍車がかかっていることを考えると、この問題に直面するであろう対象者は今後も増加傾向と言えます。

年金制度において、公的年金とは別に私的年金と言う制度もありますので、今回はそれぞれの違いを解説します。

公的年金と私的年金の違いとは?

公的年金制度とは

公的年金制度とは、わが国には3階建て年金制度と呼ばれており、1階部分は自営業者やフリーランサーが強制加入となる国民年金制度です。

国民年金は原則として、国内に居住する20歳から60歳までの自営業者などが加入対象となり、全国どこにいても同じ保険料を翌月末日までに納付することによって、原則65歳からの年金受給となります。

もちろん保険料を1か月のみ納めただけで、一生涯年金を受給できると言う事はなく、最低限納めなければならない月数と言うものがあります。

2017年8月以降は旧来25年が最低限納めなければならない年数であったのが、10年に短縮されました。

すなわち最低でも10年保険料を納めることによって、65歳から死亡する月までは年金が支給されると言うことです。

しかし10年納めただけでは、十分な暮らしができる年金を受給できると言うわけではなく、25年もしくは国民年金上の上限の40年を納めることによって、一定程度の年金を受給できると言う事は言うまでもありません。

次に2階部分とは、厚生年金です。

厚生年金は公務員やサラリーマンが加入する部分であり、誤解が多い部分として、厚生年金加入者は原則として同時に1階部分である国民年金にも同時に加入していることになります。

しかし給与明細をみて「国民年金に保険料を払った覚えは給与ない(給与明細からも、厚生年金からしか保険料は引かれていない)」と言う声が多くありますが、厚生年金に保険料を納付することによって、その保険料の1部が国民年金側にも拠出されていることから、厚生年金加入者は同時に国民年金にも加入していると言うことになります。

厚生年金加入者の年金

厚生年金加入者は、原則として65歳から国民年金と厚生年金の両方の年金を受給することができます。

これは国民年金のみにしか加入していない方よりも、大きなアドバンテージであると言えるでしょう。

また、厚生年金加入者の年金は報酬比例制であり、より高い保険料をより長期間納めている方であればあるほど年金も多いと言うことになります。

厚生年金加入者は、原則として65歳から国民年金と厚生年金の両方の年金を受給できる

私的年金の必要性

公的年金のみでも生活することはできますが、近年の物価高などの影響もあり、プラスαの年金として注目を集めているのが「私的年金」です。

私的年金の代表格としてはiDeCoが挙げられます。

私的年金は、原則として強制加入となる公的年金とは異なり、加入するか否かは任意となります。

また、保険料についても、自身の経済状況を鑑みて下限の5,000円から選択することができます

保険料を選択できるという発想は、公的年金制度ではあり得ないことです。

国民年金については全国一律です。

厚生年金についても事実上給与に応じて保険料は決まっており、かつ厚生年金については年に1度必ず見直し(算定基礎届によって)が行われますので、自身が自由に設定できるという事はありません。

では、なぜ私的年金が必要かと言うと、公的年金に上乗せすると言う意味で、いわゆる3階部分の年金とも言われています。

もちろん、年金は多くもらえることに越した事はないでしょうし、老後の不安も軽減できるでしょう。

しかし、私的年金の注意点としては、あくまで自身の選択によって運用をしなければならないため、思いのほか給付が増えなかったということも考えられます。

私的年金の選択基準

iDeCoを例に挙げると、さまざまな金融機関において、加入にあたっての案内が告知されています。

1つの基準としては手数料の額が挙げられます。

iDeCoは原則として毎月保険料の納付が必要であることから、手数料の額を第一優先とするケースも見られます。

取り扱っている金融機関によってもさまざまであり、また事前に把握することも可能です。

iDeCoは原則として毎月保険料の納付が必要

私的年金についてはフレキシブルな運用が可能

私的年金については、加入は強制ではないことから、自身の経済状況を鑑みて選択することが重要です。

また、転職等によって、一定期間保険料の拠出が難しくなることもあり得るでしょう。

そのような場合でも保険料の納付を一時的に止めることも可能であることから、ある程度フレキシブルな運用も可能です。

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