最近多いのが株式分割ですが、その中でも注目は、株式分割と株主優待の拡充の両方を行う銘柄です。
4つの銘柄が、9月末に株式分割を行い、しかも株主優待を拡充する銘柄にあてはまりました。
営業利益についても簡単にまとめました。
※最低購入価格・配当利回りは2024年9月5日終値
※特定の金融商品の売買の推奨を目的としたものではありません。
※購入手数料は含まれていません。
「株式分割」とは?
まず、「株式分割」とは、1株を分割して発行済の株式数を増やすことです。
例えば1:2で分割を行うと、分割前に100株を保有していた人が分割後は200株を保有します。
企業によっては、1:2ではなく、1:3や1:5で株式分割をする場合もあります。
この「株式分割」と「株主優待拡充」を同時に行う銘柄もあり、
・ 1株 → 2株の株式分割を行い
・ 分割後に100株で株主優待がもらえる銘柄
であれば、分割前に50株保有している人も、分割後は100株保有になり、株主優待を受けられるようになります。
2024年9月末に株式分割を行い、かつ、株主優待を拡充する銘柄は4つありました。
9月権利時点では単元未満株だとしても、分割後に単元(100株)保有になり、2025年3月(うち1銘柄は2026年3月)には株主優待の権利がもらえる銘柄です。
王将フードサービス <9936>
中華料理のチェーン店、王将フードサービス <9936>は、9月末、1株につき3株の割合で株式分割すると決定しました。
≪画像元:王将フードサービス(pdf)≫
株主優待は、分割後100株保有者も株主優待が受けられるようになります。
また、200株保有者は分割後600株保有になり、半期ごとに3,000円から4,000円の優待券が受け取れるようになるなど、優待制度の拡充も発表。
例えば、分割前に34株を持っていた人は、分割後は34株×3=102株保有になります。
これで100株以上保有となり、2025年3月には株主優待(2,000円分の株主優待券、店舗で提示すると5%割引になる「株主様ご優待カード」)がもらえるようになります。
株価:8,380円
気になる王将フードサービスの営業利益は…
≪画像元:王将フードサービス≫
気になる王将フードサービスの営業利益ですが、コロナ禍で多少落ち込んだものの、毎年800憶以上の売上があります。
自己資本比率も高く、2023年3月期は74.6%でした。
あみやき亭 <2753>
あみやき亭は、9月末に1株につき3株の割合で株式分割すると決定しました。
≪画像元:あみやき亭≫
新たな株主優待制度は、100株以上、200株以上の2つです。
それぞれ、1,000円分、2,000円分の株主優待券が半期ごと(年間では倍額)もらえます。
これまで分割前100株(58万4,000円)ないと株主優待を受け取れなかったのが、株式分割と株主優待拡充のおかげで、株価の変動がない場合100株だと1/3額(約19万4,666円)、200株だと2/3額(約38万9,333円)で株主優待券をもらうことができます。
株価:5,840円
気になる「あみやき亭」の営業利益は…
≪画像元:バフェット・コード≫
営業利益は、2021年3月期、2022年3月期は赤字でしたが、2023年3月期、2024年3月期はプラスになっています。
また、あみやき亭では、2025年3月期の連結純利益が前期比26%増、16億円になりそうだと発表しています。
アイスコ <7698>
アイスクリーム・冷凍食品の専門商社のアイスコ <7698>でも、9月末、1株につき2株の割合で株式分割すると決定。
分割後の100株で株主優待がもらえます。
≪画像元:アイスコ(pdf)≫
アイスコでは、2024年5月に、半期ごとに100株保有者にハーゲンダッツギフト券4枚、年間8枚がもらえる株主優待を新設しましたが、9月の分割後100株保有者(分割前50株保有者)も、株主優待が受けられます。
「分割後においても、……株主優待制度の対象及び内容は維持」と書いてあります。
つまり、分割前、2024年9月は約31万円でもらえていた株主優待は、株価変動がないなら2025年3月は約15万5,000円でもらえるわけです。
株価:3,110円
気になるアイスコの営業利益は…
≪画像元:アイスコ≫
気になるアイスコの営業利益ですが、売上高だけでいうと右肩上がり。
ただ、営業利益は2022年3月期、2023年3月期は下がっていて波があります。
ただ、今後、冷凍食品市場が堅調に伸びる予想もあり、注目している人は多そうです。
第四北越フィナンシャルグループ <7327>
第四北越フィナンシャルグループ <7327>でも、9月末、1株につき2株の割合で株式分割すると決定しました。
≪画像元:第四北越フィナンシャルグループ≫
そして、分割後100株保有者も、1,000円相当の新潟県内産品の株主優待が受けられるようになります。
ただ、第四北越フィナンシャルグループの株主優待は、「1年以上保有(毎年3月31日および9月30日の株主名簿に同一株主番号で連続して3回以上記録)」した人なので、10月に買ったからといって、2025年3月に株主優待はもらえません。
10月に買った場合は、2025年3月、9月、2026年3月の3度の権利を経て2026年3月で株主優待の権利がもらえるようになります。
株価:5,060円
気になる第四北越の営業利益は…
≪画像元:日本経済新聞≫
第四北越フィナンシャルグループの経常利益は順調です。
2024年3月期の純利益は212億円で、これは最高益を更新したのだそうです。
いつ買うか? 9月末に株式分割、来月3月から株主優待をもらおう
9月末の権利後にどう株価が動くかわかりませんが、これまで単元を持っていた人が利益確定売りをするなら、10月初旬に買いやすい価格で買える可能性もあります。
一方で、単元未満株・端株で1株ずつ買い集めていき分割後に100株になるようにしておく方法もあります。
もちろん、株価はリスク商品でもあり乱高下すると不安になりますが、「株式分割をして、これまでもらえなかった単元未満株の保有者も株主優待がもらえるようになる」なら、株安も「安いうちに買っておける」ため魅力的といえるのではないでしょうか。
株主優待だけを見ず、営業利益などもしっかり読み込んで購入を検討してみましょう。