2024年5月15日に、PayPayのサーバー障害があり、ランチタイムで支払えない人が続出しました。
日本KFCホールディングス上場廃止の見込み 株主優待廃止、Pontaポイントサービス終了など変更点を要チェック
PayPay自慢のオフライン決済機能も働かなかったとのことです。
こうした事件のたびに「現金最強」と主張する人が現れますが、実際にはすべてのスマホ決済が同時に使えなくなることはそうそうありません。
今回も、キャッシュレス取り扱いがPayPayだけの小規模店舗であっても、LINE Payでの支払いは可能でした。
電子マネーやタッチ決済も含め、日頃からキャッシュレスの決済手段は多いほうがいいと痛感します。
PayPayだという方に決済手段を増やすアドバイスを、ゼロベースで考えてみた結果、万人にau PAYをおすすめします。
クレジットカードの組み合わせは重要です。
筆者が確認したキャッシュレス決済のアンケートでは、au PAYはだいたいQRコード決済の4位ですが、人気はなくても実力はあります。
auユーザーだけのアイテムではない点もおすすめポイントです。
PayPayは確かに便利だが
キャッシュレス決済で、利用数1位は常にPayPayです。
日本におけるQRコード決済のパイオニアですし、なにより使えるお店が多いのが特徴です。
*
・クレジット払い(PayPayカード)で還元率1.0%
・PayPayステップでさらにポイントアップ
・税金もクレジット払いできる(ポイントは付かない)
・クーポンが非常に多い
・通信状況が悪くてもオフライン決済可
・PayPayポイントが無期限でたまる(運用も可能)
・ポイント充当払いでもポイントがたまる
通信状況不問の点、それからクーポンが多いのは純然たるメリットです。
税金の支払いはポイントが付きません。
還元率についても、他の決済手段にいくらでも付け入るスキがあります。
PayPayステップについては、同じグループのLINE Pay(PayPayポイントに等価交換できるLINEポイントがたまる)の存在を念頭に置いたとき、まったくお得がないのでおすすめしません。
au PAYはQRコード決済最強
小規模店鋪ではPayPayが強いものの、一般的なチェーン店舗においては、お得な決済はたちまち様変わりします。
を再確認します。
au PAYのメリット1:携帯キャリアとはあまり関係ない
携帯大手(楽天を含む)は、のきなみ自社ユーザーに対し、キャッシュレスの特典を付与しています。
auも例外ではなく、「auマネ活プラン」を提供しています。
ただこのプランはクレジットカードのau PAYカード(とりわけゴールド)とは連動していますが、QRコード決済のau PAYとはほとんど関係ありません。
au PAYは、QRコード決済の中では、誰にでも平等です。
自分に関係ない決済だと遠ざけていては損します。
au PAYのメリット2:au PAYとau PAYカードとの関係
au PAYカードもまた、キャリアに関係なく誰でも持てるクレジットカードです。
キャリアがau以外の人の場合、年会費無料にするために「年1回利用」が条件となっている程度です。
ただ現在のau PAYカードは、au PAYのチャージ元として最適なカードではなくなっています。
チャージ金額の制限がほぼないメリットはあるものの、チャージ時にカードのポイントが付かないためです。
au PAYゴールドカードの場合、1.0%付きますが、年会費1万1,000円するこのカードはauユーザー以外には向いていません。
auユーザー以外は、他社カードからのチャージでau PAYを最大限活用しましょう。
au PAYのメリット3:他社カードは月のチャージ上限5万円
au PAYはプリペイド式、つまり事前にチャージして使う決済です。
au PAYカード以外には、「月5万円」というチャージ上限が設けられています。
複数のカードでこの上限額を超えることはできません。
税金の支払い等で5万円を超える残高が必要な場合は、月をまたいでチャージするといいでしょう。
参照:KDDI
au PAYのメリット4:au PAYへのチャージに向いたクレジットカード
au PAYは決済原資をチャージして使う点で、タッチして使う電子マネー(交通系、楽天Edy、nanaco等)によく似ています。
電子マネーにチャージしてポイント対象となるクレジットカードが大幅に減ったのと比べると、まだまだ組み合わせが豊富です。
セブン銀行やローソン銀行での現金チャージもできますが、たまにある現金チャージキャンペーンを除くと、チャージ時にポイントが付かないので損です。
銀行チャージも可能ですがポイントは付きません。
クレジットカードチャージについては、気をつける点があります。
国際ブランドがVISAまたはJCBの場合、ポイントの有無以前に、チャージ不可のケースが多くなっています。
エポス(国際ブランドはVISA)やセゾン(国際ブランド4種類)ならOKです。
・三井住友ゴールド(NL)Mastercard(年間100万円利用で1.5%)
・PayPayカードMastercard(1.0%)
・ヤマダLABI ANAマイレージクラブカード セゾン・アメリカン・エキスプレス(1.0%)
・Amazon Mastercard(1.0%)
・イオンカードMastercard(毎月10日のチャージで1.0%)
・セゾンカード(0.5%)
・ライフカードMastercard(0.5%)
エポスゴールドカードと三井住友ゴールド(NL)では、年間100万円利用で1万ポイントのボーナスが得られますが、この際の金額算定にau PAYへのチャージも含まれます。
なおJCBブランドは、JAL Payを経由することによってau PAYにチャージ可能、ポイント上乗せがあります。
【au PAYのチャージが微妙なカード】
・Orico Card THE POINT(1.0%)
・dカードMastercard(1.0%)
オリコのカードは、オリコポイントから共通ポイント等への交換率が大幅に下がり、1.0%の数字が鵜呑みにできなくなりました(一部の交換先は等価のまま)。
筆者もau PAYチャージ用にOrico Card THE POINTを重宝していましたが、交換率低下で解約しました。
交換率を還元率に落とし込み、実質0.83%程度と考えてもよければ、まだ価値があります。
dカードについては、ライバルのau PAYへのチャージが封じられると予想したのですが、今のところそのままです。
封じられると予想したのは単にライバルだからだけでなく、d払いのSuica(Android限定)が登場したためです。
dカードのMastercardを持っていると現状、d払いのSuica(チャージ還元率0.5%)より、後述するau PAYのSuica(チャージ還元率1.5%)を使うほうが得です。
JAL Payバーチャルカードからのチャージはメリット大
au PAYの価値を上げるカードがさらにあります。
他のバーコード決済で使うバーチャルカードです。
au PAYにチャージ可能なのは「JAL Pay」です(Mastercardブランドのバーチャルカード)。
よそからチャージした残高が、バーチャルカードの原資となるため、チャージごとにポイントを加算することができるわけです。
JAL Pay⇒au PAYについては、当面チャージでポイントがたまる(0.5%)という予想に基づき、具体的な活用法を後述します。
au PAYにチャージできないJCB等のカードでも、JAL Payにより間接的にau PAYチャージができて、かつポイントを増やせるメリットがあります。
au PAYのメリット5:チャージ式だからこそ税金支払いでもポイントになる
QRコード決済の中でも、チャージしないと使えない点でau PAYは珍しいものです。
若干面倒にも思えますが、チャージ自体でクレジットカードのポイントがたまるのであれば、メリットが大きいのです。
au PAYも決済自体では、税金等請求書払いでのポイント付与はなくなっています。
それでもチャージ時のポイント付与のおかげで、結果税金支払いでポイントを獲得できるわけです。
au PAYのメリット6:au PAYもクーポン豊富
PayPayほどではないものの、au PAYにも豊富なクーポンが用意されています。
月額548円のauスマートパスプレミアム会員向けのものだけでなく、誰でも使えるクーポンがあります。
2024年6月2日まで有効の「東京靴流通センター20%オフ」
2024年5月31日まで有効の「JA-SSで使える最大5%割引クーポン」「上島珈琲店で100円オフ」など
まめにチェックしましょう。
au PAYのメリット7:Androidならau PAYのSuica
アプリ内でモバイルSuicaを使えるQRコード決済としては、楽天ペイとd払いもあります。
ただ、最強なのはau PAYです(いずれもAndroid限定)。
他の2種類は、系列カードからのチャージで還元率0.5%です。
au PAYの残高から、アプリ内でモバイルSuicaにチャージする際、0.5%のポイント(Ponta)が付きます。
2023年半ばまでは、「年間100万円利用を前提としたエポスゴールドカードを、ポイント3倍になる『選べるポイントアップショップ』に登録した上で、モバイルSuicaチャージ」というルートがあり、2.5%のチャージ還元率となりました。
なくなった現在でも、エポスゴールドカード→au PAY→au PAYのSuicaで2.0%となります。
QRコード決済の地域還元ではau PAYを優先しよう
各地でQRコード決済の地域還元(10%~30%)が繰り返し実施されています。
PayPayのみのキャンペーンもありますが、QRコード決済4種類が使えるものも多くあります。
複数使えると、決済ごとに還元の上限を達成できて有利です。
例として、2024年6月の品川区はQRコード決済4種類が使えます。
この場合、筆者が考える「使うQRコード決済」には優先順位があり、
au PAY
d払い
楽天ペイ
PayPay
2、3の順序は人によりけりです。
d払いは、6か月の期間限定ポイントで還元される欠点があり、楽天ペイには、還元がリアルタイムで表示されない欠点があります。
いちばん多くのお店で使えるメリットのあるPayPayが最下位なのは、「20%還元」だと、PayPayは本当に20%で打ち切りだからです。
PayPayカード払いでも、PayPayカードGOLDでも現金チャージでも同様です。
首位がau PAYの理由は、前述した通りです。
チャージを工夫することで、そちらでポイントが稼げるためです。
チャージで1.5%稼げれば、PayPayと比べてその分還元が多いのです。
なおau PAY利用で通常たまるポイントはPontaですが、地域還元の際にはau PAY残高で還元されます。
JAL Payを使ってさらにポイントアップ
au PAYのメリットはチャージにあります。
他の決済と比較すると、その性質がよくわかります。チャージ式である点が利便性を生むのです。
そのチャージも2段階にするとさらに得をします。
au PAYにチャージできる、他のチャージ式決済を使うのです。これがJAL Payです。
JAL PAYバーチャルカードからau PAYにチャージするルートは、しばらくは安泰(マイル対象)と思われます。
「三井住友ゴールド(NL)Mastercard」からJAL Payへのチャージが可能で、現状では最強です。
ただ、三井住友側のポイント付与がいずれ消滅すると予想します。
三井住友はANAとの関係が強いためです。
JAL PayバーチャルカードはMastercard
JAL Payでは、バーチャルカードが発行されます。このカードの残高(これもチャージしてくる)を、au PAYにチャージするわけです。
au PAYへのチャージで、通常利用の0.5%のマイルが得られます。
JALマイラーでなくても、最終的に1マイル=1円相当で使えるため、0.5%のポイントと考えて構いません。
JAL PayにチャージできるのはMastercard、JCB、ダイナース
JAL Payにチャージできるのは、ダイナースは別格として、MastercardとJCBです。
au PAYにチャージできないカードが大部分であるJCBが、JAL Payにより役立つわけです。
そして、au PAYにチャージ可能なMastercardも、JAL Payを経由することでポイントが増えます。
・PayPayカードJCB、Mastercard(1.0%)
・イオンカードJCB、Mastercard(毎月10日1.0%)
・JCB CARD W(1.0%)
・dカードMastercard(1.0%)
・Orico Card THE POINT(1.0%)
・セゾンカードJCB、Mastercard(0.5%)
・ライフカードJCB、Mastercard(0.5%)
au PAYへの2段階チャージを踏まえるならば、交換率低下のオリコもまだ価値があるかもしれません。
他にTカードPrime(日曜日はポイント1.5倍)、楽天カード等も現在はポイントが付きます。
いずれもチャージ先をおおむねポイント対象外にしているカードのため、長くは持たないと予想します。
リクルートカード(JCB、Mastercard)でポイントがたまるという情報があったのですが、筆者がMastercardで試してみたところポイント対象外でした。
【例】PayPayカード(VISA不可)
・JAL Payにチャージで1.0%(PayPayポイント)
・JAL Payバーチャルカードからau PAYにチャージで0.5%(JALマイル)
合計1.5%(一部マイル)となります。
au PAYが優れているのはチャージ式だから
QRコード決済の中でも優れているau PAYの特徴を見てきました。
結局のところ、チャージして使うという特性が、すべてにおいてこの決済のメリットをかさ上げしていることがわかります。
さらにメリットを上げていきたいならJAL Payもおすすめです。
ただし、JAL Payからau PAYのルートがふさがれることもあるので、JAL Pay自体のメリットを追求してからの利用をおすすめします。
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