令和6年能登半島地震の被災地では、金融取引にも大きな支障が生じています。
それを受け、金融庁のホームページ内に開設されたのが「令和6年能登半島地震関連情報」です。
このページでは、以下の情報を随時更新しながら発信しています。
被災地の金融機関の状況
金融機関による休日の対応
住宅ローン関係
金融機関等への要請
生命保険及び損害保険関係
金融会社関係
被災者の方の口座開設
義援金関係
金融庁・金融機関の対応等
金融庁のX(旧Twitter)アカウント(@fsa_JAPAN)でも、随時新たな情報を発信しています。
この記事では、それらの情報の中から特に重要度が高い銀行関連情報について説明します。
自然災害などで被災した場合に多発しうる銀行取引関係のトラブルや対処法も紹介します。
金融機関のどの窓口で相談すればいいか迷ったら
金融庁の「令和6年能登半島地震関連情報」の中でまずチェックしてほしいのが「令和6年能登半島地震金融庁相談ダイヤル」の情報です。
銀行、保険会社、証券会社など、金融機関に関する困りごと相談ができます。
現在被災地では、
「ATMで現金を引き出したいのにキャッシュカードがない」
「被災して住宅ローンの返済が難しくなった」
保険金の申請をしたいのに保険証書が焼失した」
など、金融機関との取引で困った事態が多発しています。
そんな時は取引金融機関の窓口で相談するのが一番ですが、多くの人はどの窓口で相談すればいいかわからないのではないでしょうか。
金融庁ではそのようなケースを想定し、被災者の各種相談に応じる「令和6年能登半島地震金融庁相談ダイヤル」を開設しています。
「ダイヤル」と聞くと「電話相談だけ?」と思う方もいるでしょうが、メールやFAX、郵送での受付も行っているのでご安心ください。
相談受付の時間帯および連絡先は以下の通りです。
電話
受付時間 平日10:00~17:00(受付)
電話番号 0120-156811(フリーダイヤル)03-5251-6813(IP電話)
FAX(専用ファックス)
受付時間 24時間
FAX番号 03-3506-6699
メール
受付時間 24時間
メールアドレス:saigai@fsa.go.jp
文書の郵送受付
受付時間 随時
〒100-8967
東京都千代田区霞が関3-2-1 中央合同庁舎第7号館
金融庁 金融サービス利用者相談室
電話相談は、時間帯によっては電話が通じないことも多々あります。
その場合は相談事項を記した文書をメールやFAX、郵便で送信、送付し、金融庁から返信が来るのを待つ方が早いでしょう。
FAX、メール、郵便で相談事項の文書を送った場合は、内容によっては原則平日10時00分~17時00分の間に相談室から電話で返事が来ます。
そのため、相談内容を記した文書の中にはすぐ連絡がつく電話番号を記しておきましょう。
金融機関やATMに行く場合は事前に金融機関の営業状況をチェック!
≪画像元:金融庁 令和6年能登半島地震関連情報(2月2日 19時00分時点)≫
もう一つチェックしてほしいのが金融機関(主に銀行)の営業状況です。
「令和6年能登半島地震関連情報」においては、「被災地の金融機関の状況」と「金融機関による休日の対応」が該当します。
「被災地の金融機関の状況」について
被災地の金融機関窓口やATMに行く方がまずチェックしてほしいのが「被災地の金融機関の状況」(主に銀行の営業状況)です。
被災地の金融機関には建物の損傷などで営業場所が移動している店舗があります。
また、営業を休止しているATMがあるので注意が必要です。
金融庁ではそのことをふまえて被災地の金融機関店舗やATMの営業状況を随時更新しています。
金融機関の店舗やATMに行く方は、まず以上のページで営業状況を確認することをおすすめします。
「金融機関による休日の対応」について
被災地を含む全国の金融機関が開設する被災者相談窓口(店頭・電話・チャット等)の連絡先や相談受付時間を確認できます。
平日仕事などで相談に行けない方はこちらも要チェックです。
銀行取引に必要なものを紛失した場合の対処法
最後に、災害で被災した場合に起こりうる事態とその対処法をお伝えします。
キャッシュカード・通帳・届出印の紛失
キャッシュカード、通帳、届出印の紛失は早急な対処が必要です。
次の手順ですぐ対処しましょう。
1:銀行に電話やメールで紛失したものを伝える
全て紛失した場合も一部紛失した場合も紛失したものと手元にあるものの両方を伝えます。
また、本人確認書類がない場合もその旨を伝えます。
それらの内容によって銀行での手続きに必要なものや手続きの内容が変わってきますが、紛失したものが少ないほどその後の手続きが迅速にできる可能性が高くなります。
2:本人確認書類を提示して口座から必要な現金を引き出す
全て紛失した方が現金を早急に必要とする場合は、本人確認書類を銀行の窓口に持参して現金を引き出す手続きを行いましょう。
その際に最低限必要なのが本人確認書類または罹災証明書です。
口座番号がわかるもの(本人確認もできる公共料金の領収書など)があれば、それも持参すると手続きがスムーズに進むでしょう。
本人確認書類については、公的機関が発行した写真つき本人確認書類(マイナンバーカードなど)なら1通でOKです。
その用意が難しい場合は、住民票や健康保険証など2通の組み合わせで本人確認を行うことになります。
3:紛失したものの再発行等手続きを行う
続いて、紛失したものの再発行等の手続きを行います。
・ キャッシュカードと通帳を紛失した場合は「再発行」
・ 届出印を紛失した場合は「届出印の変更」
の手続きを行いますが、その時も本人確認書類等の提示が必要です。(詳細は各金融機関にお問い合わせください)
もし紛失を免れたものがあれば、それらも必ず持っていきましょう。
銀行届出済実印の紛失
被災によって住宅ローン等の返済が難しくなり、借り換えを検討する方も出てくるでしょう。
その場合に必要となるのがローンの契約時に銀行に登録した実印ですが、家屋の消失などでその実印を紛失した方もいるのではないでしょうか。
その場合の手続きについても簡単に説明します。
(1) 早急に銀行へ実印を紛失した旨を伝える
不正利用の恐れがあるので、早急に銀行へ紛失を伝えましょう。
(2) 新たな実印を用意する
シャチハタ以外で複製が難しいものを用意しましょう。
(3) 住民票がある市区町村で廃印届と実印の再登録を行う
本人確認書類、印鑑登録カード、シャチハタではない認印が必要です。
その他詳細については役所にお問い合わせください。
(4) 銀行で実印の変更手続きを行う
市区町村発行の印鑑証明書、本人確認書類、新しい実印、銀行の届出印等が必要です。
その他詳細は各銀行にお問い合わせください。
金融機関取引の困りごとは「令和6年能登半島地震金融庁相談ダイヤル」へ
この記事では令和6年能登半島地震の被災者に金融庁が発信している情報や、自然災害時などに多発する金融機関取引の困りごと対処法についてお伝えしました。
しかし、この記事の情報だけではおそらく理解が不十分な被災者も多いと思われます。
その場合はまず「令和6年能登半島地震金融庁相談ダイヤル」に相談の上、必要に応じて各金融機関の適切な窓口を紹介してもらいましょう。
その上で、金融機関の窓口で相談の上で適切な対処を行えば安心でしょう。