投資の王道は、インデックスファンドの積立投資です。
老後の資産形成程度であれば、このインデックス投資のみで可能だと考えています。
ですがインデックス投資といえど、万能というわけではありません。
価格が上昇する時もあれば、下落する時もあります。
再現性高く勝率の高い投資手法であることは間違いありませんが、その特徴はしっかりと理解しておく必要があります。
本記事ではインデックス投資を始めたばかりの人がしがちな、勘違いやNG行動を紹介したいと思います。
1. 大きなリターンが得られる投資だと勘違いする
インデックス投資は、そこそこのリターンを追求する投資です。
指数に連動する成績を目指すため、落ち着くところは平均点です。
近年大きく伸びたハイテク銘柄などの個別銘柄と比較すると、そのリターンは必ず少なくなってしまいます。
アップルやテスラなど大きく伸びた株価を見ると、「個別株へ投資していた方が良かった」と思うかもしれません。
指数に連動するインデックスファンドには、個別銘柄にあるような爆益はないのです。
ですが、言い換えれば損失も平均点です。
ある銘柄が大暴落したとしても、インデックスファンドへの影響は緩和されます。
個別の銘柄が大きく上昇していてもその恩恵を全て受けることはできませんが、損失も全て受けることはありません。
値上がりも値下がりも個別株と比較してマイルドだと、知っておきましょう。
2. 値動きがあることを理解していない
さまざまな書籍やSNS、インフルエンサーがインデックス投資を推奨していることもあり、完全に安全な投資だと勘違いしている人が一定数いるようです。
インデックス投資も投資なので、もちろん値動きがあります。
運用中に、投資した金額よりも評価額が下がることもあるでしょう。
資産が少なくなっていることは気持ちが良いものではないことは理解できますが、そこでの行動が大切です。
値動きがあることをしっかりと理解していれば、投資を継続することも可能でしょう。
ですが、
「なんとなく減ることも理解しているけど…」
程度では、実際の評価損に心がもたないことも多いようです。
含み損の状態で売却してしまうことほど、もったいないことはありません。
3. リスク許容度を超えた資金で投資してしまう
インデックス投資でも、資金が投資元本よりも少なくなることはあります。
ですがインデックス投資で大切なことは「継続する」ことです。
長期で継続することができて、初めて大きなリターンを手にすることができるのです。
運用途中で損失が発生することも理解し、その上で継続できる資金の範囲内で投資をするべきです。
具体的には、最低でも半年分の生活費は現預金として置いておき、投資に回すべきではありません。
半年分の生活費が貯まっていない家庭については、まだ投資をするべきタイミングではないでしょう。
まずはしっかりと目先の資金を貯めることをおすすめします。
必要な資金が値下がりしていても、心穏やかでいられる人は多くはありません。
当面使う予定のない余剰資金で投資するからこそ、長期で継続することができるのです。
4. すぐ売却してしまう
投資はすぐにリターンが出るものだと考えている人が、少なくありません。
もちろん投資手法によっては、数日で大きな利益や損失といった結果が出る投資もあるでしょう。
ですがインデックス投資は違います。
先にも解説した通り、インデックス投資はマイルドな値動きで成長していく投資手法です。
大きな損失を回避すると同時に、短期で大きな利益を得ることも放棄している投資なのです。
人によってはつまらないと感じることもあるでしょう。
その通りで、インデックス投資はつまらない投資です。
ですがこれほど再現性高く、勝率が高い投資は他にありません。
再現性高い投資はつまらないものだと割り切る気持ちが必要です。
5. 短期売買を繰り返す
投資に慣れていない人ほど少しの利益で売却、利益を確定したいと考えるものです。
SNSなどでデイトレードの投稿(〇〇株を△△円で売却、利益◇◇万円!)などを目にし、インデックス投資と混同してしまうと、このような考えになるようです。
インデックス投資は、長く続けて初めて効果が実感できるものです。
利益が出るたびに売却するのではなく、利益が出ていても損失が出ていても積立を継続することが必要です。
目先の薄利を追うのではなく、長い時間をかけて投資元本を大きくしていきましょう。
それが将来の大きな利益につながります。
10年続けることができればその効果をある程度実感でき、さらに長く続けることができるでしょう。
王道投資だからこそ正しく実践を!
インデックス投資は誰でも気軽にできる、資産形成の手法です。
投資への入り口として、多くのところで推奨されています。
現在は昔と違って100円や1,000円といった少額でも投資を始められる時代です。
ポイントで投資できる証券会社も多数あるなど、日常生活と密接に関わっているところも、投資へのハードルが下がっている要因の一つでしょう。
誰でも始めやすく続けやすくなっていることは、私たち一般庶民にとってはとてもありがたいことです。
また、一度積立設定さえしてしまえば、あとはほったらかしで投資ができるのもうれしい点です。
NISAやiDeCoといった、非課税口座が拡充されているのも大きなメリットです。
低資金から世界中の優良指数へ、安価な手数料で投資ができる環境が整っています。
一方で、手軽であるからこそ、よくわからずに取り組んでいる人がいるのも事実です。
インデックス投資でも最低限知っておくべきことはあります。
本記事の内容が少しでも皆さんの資産形成に寄与できれば幸いです。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
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