「他社カード利用不可」のアナウンスに発するPayPay騒動も一段落ついたようです。
一連の騒動は、他社カード利用可能期間を延長し、PayPay側が謝罪して決着しました。
筆者は「PayPayばかり使っていると損をする。キャッシュレスは幅広く使おう」という立場を貫いており、PayPayをことさらに弁護する立場ではありません。
にもかかわらず今回、ユーザー側の主張には与しえません。
極めて便利なツールであるPayPayをフル活用するためには、他社カードなどすでに無意味になっていました。
「PayPayあと払い」(8月から名称変更して「クレジット」)」を使わないといけません。
この記事の目的は、「PayPayを便利に使うため、PayPayあと払いを利用しましょう。負担などそれほどありません」です。
筆者は、旧Yahoo!カードを解約後、PayPayあと払いのみ改めて申し込んで利用しています。
【PayPay】8月より改悪 制度が変わるまでに考えておきたい対応策4つ
PayPayはキャッシュレス生活に欠かせない
ニュースによると、QRコード決済におけるPayPayのシェアが67%に到達したとのことです。
現状を考えれば当然だといえます。他のペイとは加盟店の数が違うからです。
個人商店の隅々までPayPayが浸透していることで、快適なキャッシュレス生活が送れているのです。
「楽天ペイで十分」と言っている人は、使うお店がチェーン店に偏っているはずです。
唯一、LINE Payはユーザースキャン方式のPayPay加盟店で使えますが、これはもはや三井住友VISAカードユーザーだけのものになってしまいました。
PayPayのないキャッシュレス生活は考えられません。
きちんと向き合いましょう。
PayPayあと払い改めクレジットは世間に浸透したか
わずか1%のPayPayの他社カードユーザーを排除することにしたところ騒動になったわけですが、その原因のひとつにPayPayカードおよびPayPayあと払いに対する
という不満があると感じます。
さらに、「PayPayあと払いがなんだかよくわからない」という不信感もあるのではないでしょうか。
PayPayあと払い(クレジット)の性質
PayPayあと払い、8月から名称変更して「クレジット」ですが、変更名称の通りクレジットカードです。
券面のない、バーチャルカードやデジタルカードと呼ばれるものです。
クレジットカードですから、PayPayあと払いのみ利用の場合、審査を踏まえてカード発行されます。
最初からこう明記しておけばわかりやすいのに、2022年2月に登場した際にはその言及は一切ありませんでした。
1年半近く経過してようやく今回、与信に基づく支払(クレジット)であるという意味の名称変更がなされるわけです。
PayPay側としては、クレジットカードへの抵抗をあらかじめ認識し、「カードではないあと払い」だとアピールしたかったのでしょう。
PayPayあと払いの使い勝手はいい
悪く言えば見かけを偽って誕生した「PayPayあと払い」ですが、その使い勝手自体はPayPay側の思い描いたイメージ通りでした。
つまり、「PayPayの支払い原資のない状態で、信用に基づく支払が気軽にできる」存在です。
クレジットカードでありながら、一般のカード決済より気軽な側面が間違いなくあります。
審査もスピーディです。
プラスチックのPayPayカードを申し込む場合より緩いことはないはずですが、それでもほとんどの場合すぐに利用開始となるでしょう。
・PayPayアプリで簡単に今月の支払いが把握できる
・リアルタイムに現在の利用状況がすぐ確かめられる
・頻繁にアプリからメッセージが来るので、忘れることも少ない
・スマホでしか明細が見られない設計が、かえって現代人に向いている
そして、2023年になり、PayPayあと払いのポイント還元率がアップしました(1.0%)。
最近人気のクレジットカードの還元率に負けない数字になりました。
PayPayカードをセットしていたユーザー(0.5%)も、PayPayあと払いに替えることで還元率がアップしています。
それからPayPay残高払いにある次のメリットは、すべてPayPayあと払いでも使えます。
・PayPayジャンボ(くじ)
・PayPayステップ(翌月の還元率アップ)
・地域ごとに開催される10~30%の大型還元
・ドラッグストア等の大型還元
PayPayに他社カードをセットして支払っても、いずれも対象外です。
気軽なPayPayあと払いの利用に抵抗するのは、賢明ではありません。
PayPay利用の手段として気軽に使ったらいいのです。
クレジットカードといえば「使い過ぎ」の偏見が付いて回る
巨大キャッシュレス市場ができあがっているにもかかわらず、クレジットカードに対する偏見はいまだにあります。
「使いすぎてしまう」というのです。
完全キャッシュレス派の筆者からすると、「使いすぎる」の比較対象が存在しないのでナンセンスな議論です。
そして今回の騒動から見える大きな矛盾点は、「他社カードユーザー」という、すでにカードを使っている人の不利益を想定している点です。
PayPayあと払いを使いすぎてしまうかどうかは人によるものの、次のいずれかなら「使い過ぎ」はないでしょう。
・他のキャッシュレスが使えないお店で使うと決めておく
・ヘビーユーザーだが、PayPayステップを達成するまで(10万円)使うと決めておく
この2種類は対極ですが、どんなスタイルでも方針がしっかりしていて、そして利用額が可視化できているなら、問題になるとは考えられません。
それから共通項として「リボ払いはしない」ことです。
PayPayカード抜きで「あと払い」のみ利用する際のメリット・デメリット
PayPayあと払い改めクレジットを「自社への囲い込み」などといって糾弾している場合ではありません。
プラスチックのPayPayカードを持たずにPayPayあと払いだけ利用することができますが、このメリット、デメリットを最後に確かめます。
メリットは、真の意味で気軽に使えること
もちろんPayPayあと払いもクレジットカードです。
目論見通り非常に気軽な存在になっていると思います。
クレジットカードは消えてしまい、PayPayイコールクレジットカードのような感覚で使えます。
「PayPayを今月これだけ使ったので、翌月27日に引き落とされる」という感覚です。
送金の原資を作るにも便利
PayPayあと払いがあれば、PayPayカードなしでチャージもできます。
チャージして自らPayPayで支払うと還元率が下がる(0.5%)ので損ですが、このチャージ額を家族に送って、家族のスマホでPayPayを使ってもらうと便利です。
未成年の子供や、専業配偶者にキャッシュレス決済をしてもらえます。
デメリット:入会キャンペーンが対象外
現在、プラスチックのPayPayカードを申し込むと、5,000ポイントもらえる入会キャンペーンを実施しています。
PayPayあと払いだけの利用だと、審査はあっても入会キャンペーンはもらえません。
ただデメリットは、これぐらいと感じます。
PayPayカードも還元率1.0%の便利なカードですが、多数持ちの筆者にとって、ワン&オンリーの存在ではありません。
PayPayあと払いでもオンライン決済ならできます。
もっとも、これすらPayPayが使えるシーンが多いので、カード直接決済の必要性は感じません。
PayPayあと払いのみ使うと国際ブランドがJCBに限定されますが、気にすることはありません。
PayPayカードの家族会員も2023年8月よりあと払い(クレジット)利用可に
新しいニュースです。
2023年8月からPayPayカードの家族カード会員も、PayPayあと払い改めクレジットを利用できるようになります。
PayPayカードの家族カードは「家族認証ができない」など、使い勝手のよくない存在でした。
今後PayPayカードの家族会員は、プラスチックのカードは使わず、PayPayであと払いをフル活用できることになります。
家族がPayPayをあと払いで使いたい場合、PayPayカードのプラスチックカードを発行する必要があります。
PayPayあと払い改めクレジットを持ちましょう
バーチャルカードであるPayPayあと払いですが、PayPayを拡張する存在と考えればわかりやすいでしょう。
そして、決して大げさなものではありません。
PayPayあと払いで便利でお得な生活を始めましょう。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
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