QRコード決済も種類が多数ありますが、ここに来て急速に使えるお店を増やしてきたのがAEON Pay(イオンペイ)です。
7月27日から開始となる、かながわPay第3弾にも採用されているのは要注目です。
ですが利便性とオトクとは、一致しないことも多いのです。
AEON Payはイオン系列以外では、使えば使うほど損になります。
AEON Payの利用について注意喚起です。
【PayPay】8月より改悪 制度が変わるまでに考えておきたい対応策4つ
AEON Pay利用可能店舗急増中
AEON PayはイオンのQRコード決済なので、イオングループで使えるのは当然です。
最近では、グループ外店舗でもかなり使えるようになってきました。
具体的に次のチェーン店(一部抜粋)です。
・ すき家、はま寿司、なか卯、モリバコーヒー等ゼンショーグループ
・ 松屋(松のや等グループ含む)
・ BIG BOY
・ 大戸屋
・ 華家与兵衛
・ フレッシュネスバーガー
・ 瀬戸うどん
・ 牛角、しゃぶしゃぶ温野菜
・ ステーキ宮
・ アルペン
・ JINS
・ ヤマダデンキ(ベスト電器、マツヤデンキ等のグループ含む)
・ケーズデンキ
・はるやま
・ AOKI
・ ラウンドワン
・ 東横イン
AEON Payチャージ利用も始まった
2023年6月14日より、AEON Payにチャージできるようになりました。
チャージ元は、イオンカードまたは銀行です。
イオンカードからチャージしてもチャージ分にポイントは付かないため、楽天ペイ(楽天キャッシュ)のようなポイントアップ手段はありません。
イオンカードを使っても使わなくても、基本還元率は0.5%で同一となります。
ただいまチャージのキャンペーン実施中です。
・イオン銀行口座新規開設のうえ、AEON Payに3,000円以上チャージして「1,000ポイント付与」
・銀行口座またはイオンカードからAEON Payに3,000円以上チャージして「500ポイント」
AEON Payをイオン以外で使わないほうがいい理由
AEON Payが使えるお店が増えました。
積極的に使うといいことがあるでしょうか。実のところ、なにもありません。
むしろ他の決済を使わないことにより、ポイントやクーポンの機会損失を起こします。
詳しく見ていきます。
AEON Payは還元率が低い
AEON Payはイオンカード(イオンマークのカード)をセットして支払うQRコード決済です。
このたび、イオンカードおよび銀行口座からのチャージ払いも始まりました。
他のクレジットカードとの組み合わせや、現金チャージはできません。
決済の際、QRコード決済独自のポイント上乗せがなく、イオンカードの還元率のみです。
割引やクーポンに大きな存在感のあるイオンカードですが、グループの外に出るとこのメリットはありません。
イオンカードをセットしたAEON Payも同じです。
イオンの外に出ると、イオンカードとAEON Payはこんな存在に過ぎません。
・ 還元率0.5%
・ 毎月10日は1.0%
・ ポイント付与が決済単位の付与のため、切り捨てられる端数が大きい
還元率の高いQRコード決済は無数にある
AEON Payを新たに導入した店舗では、すでに他のキャッシュレス決済が利用されています。
還元率の高い決済を使うのが常道でしょう。
一例です。カッコ内は還元率(クレジットカードの数字を含めたもの)です。
・ PayPayあと払いによるPayPay(1.0%)
・ 楽天キャッシュをチャージして使う楽天ペイ(1.5%)
・ 1.0%の還元率でクレジットカードからチャージ(例:Orico Card THE POINT)した残高によるau PAY(1.5%)
・ dカードをセットしたd払い(1.0%)
・ Visa LINE Payクレジットカード(p+)をセットしたLINE Pay(5.0%)
最後の組み合わせは大きな数字ですが、月1万円の決済までという制限があります。
ともかくイオンカードをセットしたAEON Pay(0.5%)では、ポイント倍となる毎月10日を除き、まったく敵わないのがおわかりでしょう。
イオンの電子マネーWAONも同様
イオンには独自の電子マネー、WAONもあります。
Android端末では、AEON Payを使うiAEONアプリでもWAONが使えます。
WAONも多くのお店で使えるようになりましたが、やはりイオングループ以外ではメリットはほぼありません。
WAONはイオンカードからチャージして使いますが、チャージの際にポイントが付きません(イオン銀行一体型のイオンカードセレクトのオートチャージを除く)。
決済の還元率はこれだけです。
・ イオングループ … 1.0%
・ イオングループ外 … 0.5%
イオンカードセレクトの場合、オートチャージ時に0.5%が上乗せされますが、これを別にするとWAONをイオンの外で使うのはもったいないことがわかります。
イオングループで利用の場合も、還元率よりクーポンや割引等のメリットのほうが大です。
AEON Payはイオングループで使おう
露出を増やしてきたAEON Payは、イオングループで使うのがおすすめです。
ただ、どう使ったらいいのでしょうか。
イオンカードがあれば使わなくてもいい
AEON Payには、独自のメリットがあまり多くありません。
税金のコード払いにも対応していません。
チャージ方式ではないため、今後対応する可能性も高くないと思われます。
イオングループにおいていつもイオンカードで直接決済(Apple Payでも同じ)している人なら、実のところ一切使わなくても、特にポイントの機会損失はありません。
WAONポイント消化には便利
唯一の手段ではないものの、便利な使い道は、イオンカード利用でたまったWAONポイントの消化です。
AEON PayにはWAONポイントのタブがあり、ここでポイントのバーコード決済が可能です。
さらにAEON Payの画面でポイント充当して支払うサービスも始まりました。
イオンカードの券面でもポイントは使えますが、AEON Payだとポイントが可視化されているので使いやすいのです。
入会キャンペーンとゴールド狙いでは積極的に使っていい
イオンカードの低い還元率を考えると、メインカードとしてどこでも使うべき1枚ではありません。
ただし例外があります。
次の際には、イオンの内外を問わずイオンカードをセットしたAEON Payも積極的に使っていいでしょう。
・ 入会キャンペーン等で一定の金額を達成する必要があるとき
・ 年間50万円利用してゴールドカードにしたいとき
カードを持たなくていいのは便利
AEON Payの最大のメリットは、「イオンカードを持ち歩かずに実店舗でイオンカード決済ができる」ことにあります。
イオンカードを常に手放さない人にはそれほど興味はないかもしれませんが、実際に使ってみるとなかなか便利です。
QRコード決済共通の落とし穴として、レジで決済しようとするとログアウトされてしまっていることがよくあります。
QRコード決済を使う際は、早めに読み取り画面を開いておく癖を付けましょう。
AEON Payにメリットはあまりない(でも使っている)
冷静に振り返ると、AEON Payは決してメリットの多くない決済です。
無視してしまってもいいのですが、実のところ筆者は「まいばすけっと」等で活用しています。
人によるとは思いますが、クレジットカードを持たずに決済できるのは快適です。
今後は他のQRコード決済と同様に、クーポン拡大等に期待したいものです。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
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