大手5大銀行の一つといわれる三井住友信託銀行が、「夏の円貨定期預金 金利優遇キャンペーン」を開催しています。
その最大金利は0.35%、利率が高いネット銀行ですらほとんど見かけない高水準です。
条件はありますが、8月4日まで開催されるため、ボーナスの預け先としてプラスアルファが狙えそうです。
詳細と注意点を紹介します。
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夏の円貨定期預金 金利優遇キャンペーンの概要
≪画像元:三井住友信託銀行≫
キャンペーン期間は2023年6月1日~2023年8月4日までですが、預入総額が一定額に達した場合は早期終了になることがありますので、早めにご検討ください。
最低預入金額は1契約300万円、上限はありません。預け入れ期間は2年、もしくは5年です。
対象となるのは個人の方のみ、新規の方なら最低でも年利0.25%が見込めます。
最大金利0.35%はどれほどの利率なのか
2023年6月6日現在、三井住友信託銀行の今回のキャンペーン商品「新型定期預金<グッドセレクト(固定型)」は、通常時では、300万円以上5年預けても年利は0.010%です。
一般的な定期預金よりは良い利率ではありますが、キャンペーンを利用すれば35倍になります。
ネット銀行大手・楽天銀行の定期預金にしても、10年預けても金利は0.02%です。
どれほどプラスアルファが見込めるか
300万円を預けたらどれだけの利息が期待できるか、楽天銀行の「定期預金 利息シミュレーション」を利用して計算してみました。
※カッコ内は税引き後
新規 | 既存ユーザー | |
単独2年 | 年0.25% 15,020円(11,969円) | 年0.20% 12,016円(9,576円) |
単独5年 | 年0.30% 45,049円(35,898円) | 年0.25% 37,541円(29,915円) |
複数2年 | 年0.30% 18,024円(14,363円) | 年0.30% 18,024円(14,363円) |
複数5年 | 年0.35% 52,557円(41,881円) | 年0.35% 52,557円(41,881円) |
参照:楽天銀行
税引き前の金額では、新規の方、既存ユーザーの方ともに、2年間で最低でも1万円ほど、最大金利が適用されれば、5万円以上の利息が得られることがわかります。
最も利息を得るために知っておきたい条件
今回の特典で規定されている「当社と初めてお取引をされるお客さま」とは、2023年5月22日以降に、初めて口座を開設される方のことです。
残高0円であってもすでに普通預金口座があったり、他店舗であっても三井住友信託銀行に口座がある場合は「すでに当社に口座のあるお客さま」としての金利となります。
いずれにしても最もメリットがあるのは、自分以外の人と「同時にお申し込みいただいた場合」、つまり複数での申し込みです。対象者は家族、未成年者でもOKです。
申し込み時の注意点1 店頭での契約が必須
手続きは原則、店頭のみです。
事前に来店予約を行い、店舗で手続きを行ってください。
三井住友信託ダイレクト(電話、インターネット)やATMでの手続きは対象外です。
不備などがなければ、1回の来店で口座開設からキャンペーンの申し込みまで完了。
平日の夜間や休日に営業している店舗もあるので、公式サイトを確認ください。
申し込み時の注意点2 「新たな資金」を預けること
特典の対象となるのは、「新たな資金」です。
三井住友信託銀行のご自身の普通預金や定期預金に元々入金してあった資金は、いったん出金されても新たな資金とはなりません。
とはいえ、高額な現金を持ち運ぶことに不安があると思います。
事前に振り込んでおくと安心です。
ただし、たとえば入金日が2023年6月5日ならば、申し込み期限は2023年7月5日までです。
入金日の翌月までに、手続きをしなくてはなりませんのでご注意ください。
申し込み時の注意点3 中途解約は原則不可
やむを得ない事情があると認められた場合に限り、中途解約ができることはありますが、所定の中途解約利率が適用されます。
「安心感」あり!1万以上のメリットあり!
最低預入金額300万円以上、来店しての契約と、ハードルは高めといえるかもしれません。
ですが、大手銀行であること、対面で手続きができることは、安心感につながるでしょう。
たとえ万が一のことがあっても、元本保証の商品であり、預金保険制度の対象です。
1人あたり、決済用預金を除く預金保険の対象となる預金が元本1,000万円までとその利息が保護されます。
すでに口座のある方でも、入金しておくだけで1万円ほどの見返りが期待できます。ぜひ、ご検討ください。(執筆者:FP2級 吉田 りょう)
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