最近のQRコード決済は、還元率よりクーポン重視で使うのがおすすめです。
au
PAYも同様で、クーポンを使いこなせば、お得なキャッシュレス生活に欠かせないアイテムです。
ですが一方、au
PAYのお得を減らしてしまう改悪も進んでいます。
2023年4月1日より、au PAYへのクレジット
カードチャージに「月5万円」という金額制限が課せられるようになります。
au
PAYが使いにくくなるのではないか、検証します。
au PAYチャージのルール改悪の影響
今回のルール変更を確認し、その影響を探ります。
金額制限ができるのは他社カードからのチャージのみ
au
PAYは事前にチャージをして使う必要があります。
現金、銀行口座からだけでなくクレジット
カードからチャージができます。
クレジット
カードのau PAYとの関係を、3種類に分類してみます。
1. チャージ不可の
カード → VISA、JCBブランドの大多数
2. チャージ時にポイント付与のない
カード → au PAY
カード等、その他多くの
カードもこれに該当
3.チャージ時にポイントが付く
カード → エポス、セゾン、オリコ、ライフ、セディナ等(エポス、セゾン以外はMastercardに限る)
もともと2022年12月、自社系列のau PAY
カードからのチャージにポイントが付かなくなったのが発端です。
au PAYゴールド
カードも、チャージ時還元率が2.0%から1.0%に落ちました。
このため2023年1月以降は、最大限にポイントを得るために、他社
カードを使う必要が生じていたのです。
3の代表として、「エポスゴールド
カード」「Orico Card THE POINT(Mastercard)」がおすすめです。
Orico Card THE POINTは年会費無料で、チャージ時還元率が通常の買い物と同じ1.0%です。今回の改悪は、3に分類される
カードを狙い撃ちしたものといえます。
結果、こうなります。
2. au PAY
カードについては従来通り制限なし(厳密には月25万円、1回10万円というチャージ上限あり)
au PAY側で金額を判断するため、2種類以上の
カードを使った制限突破はできない模様です。
他社
カードの機能を落とすことで、自社
カード(au PAY
カード)の価値を上げるのが今回の目的と思われます。
Android限定、au PAYのSuicaにも影響が
現在Androidスマホのみですが、au
PAYアプリではモバイルSuicaが使えます。
au
PAY残高をモバイルSuicaにチャージし、0.5%付与されて、なかなか便利です。
他社
カードからau PAYへのチャージ金額に月5万円の制限ができることで、Suicaへのチャージ可能額が減る人も生じるかもしれません。
チャージに困る場合、エポスゴールド
カードをおすすめします。
税金が支払いにくくなる。ただし税金支払時のポイントも同時廃止
au
PAYで税金を支払っている場合、多額のチャージが必要になることがあります。
他社
カードから月5万円までの制限が設けられると、税金支払にも影響します。
ただ、au
PAYの大きなメリットであった税金支払時のポイント付与も、2023年4月からなくなります。税金のau
PAY払いはメリットが大きく薄れたので、この機にやめたほうがいいでしょう。
ポイントが欲しく、かつ手数料も負担したくない場合、「三井住友
カード」をLINE Payに組み合わせ(チャージ&ペイ)て支払うと0.5%の還元があります。
au PAYカードに価値がある?
他社への制限によって系列のクレジット
カード、au PAY
カードの価値が上がるとして、使い勝手はどうでしょうか。
au PAYカードでは、チャージのメリットがない
au PAY
カード(スタンダード)はこのたびナンバーレス化とマット加工を施し、最新の
カードデザインになりました。
カード直接決済時のポイント還元率1.0%であり、年会費も無料(携帯キャリアがau以外の場合、年1回の利用で無料)という、決して悪い
カードではありません。
ただ、au
PAYへのチャージでポイントがたまるという最大の持ち味がなくなっています。
1.0%に過ぎないとはいえ、お金を動かして利益が得られないと、使う意欲が薄れてしまいます。
いいところを探すと、入会キャンペーンが2023年3月現在「1万円相当」です。
au PAYゴールドカードをauユーザーが使うのはあり
au PAYゴールド
カードなら、au PAYへのチャージ還元率が低下したとはいえ、まだ1.0%付きます。
年会費1万1,000円する
カードですが、au(UQモバイル、povoもOK)、ユーザーなら携帯電話料金最大11%還元があるので、十分検討に値するでしょう。
キャリアが
auならば、こちらを選んでもいいでしょう。入会キャンペーンは2023年3月現在、「2万円相当」です。
他キャリアの場合、高い年会費を取り返せない可能性が大です。
今後au PAYをどう使う?
おおむね、次の選択肢が考えられます。
(2) au PAY
カードから(ポイントが付かないことを承知で)チャージする
(3) 他社
カードから(月5万円を限度に)チャージして使う
それぞれ見ていきます。
(1) au PAYをやめる
他にもQRコード決済はありますし、au
PAYをやめることも考えられます。
ただ繰り返しになりますが、QRコード決済は還元率よりクーポンです。au
PAYには10%オフのクーポンがあるのでやめてしまうともったいないかもしれません。
例として3月は、「エディオン」「デニーズ」「CoCo壱番屋」「かっぱ寿司」などのクーポンが出ています。
auスマートパスプレミアム会員なら、さらにクーポンが増えます。
チャージ時還元率のないau PAY
カードや、銀行チャージでも、十分得にはなります。
(2) au PAYカードからチャージする
au PAY
カードからチャージするなら、チャージ時のポイントが付かない代わり、ひと月のチャージ金額を気にする必要がありません。クーポン最優先で使うと割り切っていれば、これでもいいでしょう。
特に、auスマートパスプレミアム会員にとっては、
チャージ還元率が気にならないぐらいのクーポン特典があります。
(3) 他社カードからチャージする
筆者は、一度決めたこの方法を4月以降も継続します。
au
PAYを日常の決済に使っているため、月に5万円も必要になることはありません。
むしろホッとした部分もあります。
今後他社
カードが、au PAYチャージをポイント対象外にしていく流れを警戒していました。
ですがau PAY側で他社
カードに物理的な制限を掛けた以上、この流れはなくなるかもしれません。
つまり、いつまでもau
PAYを使い続けられそうに思います。
それに筆者は、さまざまな決済を使うスタイルです。
今後は、原則このようにしていきます。
・ au
PAY → 原則、au
PAYクーポンの発行されたお店で使う
・ 高い還元率で決済したい → au
PAYを使わず、他の決済を使う
高い還元率とは、筆者手持ちのアイテムでは次のものです。
・ エポス
カード×モバイルSuica → (年間100万円利用と「えらべるポイントアップショップ」登録) → 2.5%
・ Visa LINE Payクレジット
カード(p+)×LINE Pay → 月間1万円の決済まで5.0%
・ セゾンパール・アメックス×QUICPay → 年間30万円の決済まで2.0%
au PAY
カードを強化する目論見は、筆者のようにさまざまなアイテムを使うユーザーに関していうと完全に裏目に出ることになります。利用機会が減るためです。
筆者は
auスマートパスプレミアムに入会したので、使わなくなる可能性はありません。
ですがこれまでよりささやかな使い方になります。
オプション:月始に5万円チャージしてしまえばどうか
他社
カードチャージを続ける場合の、使い方のヒントです。
月が替わったら即座に5万円、au
PAYにチャージしてしまったらどうでしょうか。
その月に、あといくら使えるかが可視化できます。
さらに月が替わって残高がまだある場合、現在のお知らせを文字通り解釈するなら、さらに追加で5万円
チャージが可能と思われます(未確認)。
結果、月5万円を超える残高を置いておくこともできると考えられ、その場合au PAY
カードがなくてもほぼ不自由なく利用できるのではないでしょうか。
どんどん変わっていくキャッシュレスですが、お得な生活維持のため、頑張ってついていきたいですね。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
\ この記事をシェア /