先週は、月曜日に祝日という事で、11日火曜日からスタートとなった日本のマーケットですが、窓を空けて大きく下落して始まり、金曜日には、その窓を埋めるほどの大陽線で終わった一週間でした。
10日に、クリミア橋の爆破を受けて、ロシアはウクライナへの報復攻撃を開始したと表明し、首都キーウにミサイル攻撃と伝わり、地政学リスクによって、世界中で警戒心が高まり、翌日の日本のマーケットにも影響を受けました。
11日、日本では全国旅行支援と海外旅行者の個人旅行が解禁となり、インバウンド関連が盛り上がりました。
しかし米ハイテク株が売られ、ナスダックは連日年初来安値を更新。
この影響から日本の関連個別銘柄も売られました。
13日には、注目されていた米消費者物価指数の発表を受けて米国株式市場は大きく動き、翌日の日本のマーケットも大きな値幅で動きました。
窓を空けて大きく下落して、窓を空けて大きく上昇した一週間は、ボラティリティの大きい週でしたが、VIX恐怖指数を確認してみると、30台を割っておらず、まだ高い水準にあるというところが気になるところです。
【今週の日経平均を考える】2万6000円割れからのトレンド転換はいつか
チャート分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は下向きとなり、株価は5日線の下を推移していましたが、金曜日の陽線で5日線まで回復しています。
25日線は、下向き継続中で、株価は25日線の下を推移、金曜日には25日線に頭を押さえられた形で終えています。
下向きの25日線に頭を押さえられる形では上値の重さを感じます。
75日線は上向きに推移しています。
並び順は75日25日5日で安定下降となっています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、下向きで2万7266円処を推移しています。
5日線25日線75日線100日線200日線が接近して絡み合っていて、エッジがない状況です。
引き続きBOX相場が意識されるところです。
トレンドライン
10月3日4日に空けた窓を埋めるかと思っていましたが、3日の高値2万6223円に対して、13日の安値が2万6237円で、わずか14円で窓埋めとはならず。
この14円で窓埋めできなかったことで、今後もこの価格が下値メドとして意識されるところとなります。
直近では、13日と14日の上昇で空いた窓があります。10月3日安値で6日高値とすると、上値切り下げ、下値切り上げの持ち合いを作っているように見えます。
10月に入ってからの三角持ち合いをどちらに放れるのか確認していきましょう。
一目均衡表
9月22日から厚い雲の下を株価が推移しています。
この雲が上値の重さを表しているようです。
また遅行線に関しても日々線を抜けられない状況が続いています。
基準線と転換線としても、このまま今週は横ばい示唆の位置ですが、やはりこの先の10月31日から11月1日に発生する雲のねじれからのトレンド転換に注目していきましょう。
ボリンジャーバンド
下向きのTPラインと-1σの間で、行ったり来たりをしています。
下向きのボリンジャーバンドなので、株価の推移は上値切り下げと下値切り下げで、上値の重さが見える位置です。
スローストキャスト
買われすぎゾーンまで達せずに失速するという、こちらも上値の重さを感じます。
8月17日、9月13日、10月6日を結んだラインを超えないと、しっかりした上昇には入れないので、スローストキャストの買われすぎゾーンまで到達できるか確認していきましょう。
MACD
0ラインの下を推移し、下降トレンドが続いていますが、MACDとシグナルは上向きで上昇し0ラインに徐々に近づいてきています。
ヒストグラム
好転していますが、陰転と好転を繰り返しているので、しっかりとしたシグナルはでていません。
次回の新月は10月25日(部分日食)で、満月は11月8日(皆既月食)です。
次回の水星逆行期間は、12月29日から1月18日です。
総合判断
「悪い円安」に歯止めがかからず、円安が進行し、150円を目指しているかのようです。
円安=株高という神話は崩れ去ってしまったのでしょうか。
金曜日算出のオプションSQは2万6666円でしたので、今週は、SQ値を上回るのか、それとも下回って弱気相場とするのか、確認していきましょう。
また今週は決算シーズンとなり、円安がどれくらい業績の重荷となっているのか気になるところです。
安川電機の決算発表では、売り上げは上がって、増収だったのもかかわらず、円安のコスト面などが響いて、下方修正となっています。
このように、決算時期には思わぬ決算の結果となり、株価が大きく下落する場面もありますので、ぞれぞれの決算発表日を確認していきましょう。(執筆者:AFP、FP2級 城 晶子)