先週は、日本ではお盆休みという中、米国株の上昇を受けて日本のマーケットでも買い優勢の展開で始まり2万9000円を超えましたが、その後は高値警戒感から利益確定の売りに押されて上値が重い展開に。
今週は経済シンポジウムのジャクソンホール会議が25日から27日にあり、26日の日本時間23時からのパウエル議長のスピーチに注目が集まります。
ジャクソンホール会議は、世界各国の中銀総裁など、経済に携わる人が集まり、金融政策について議論する場です。
上にも下にも株価を大きく揺さぶる可能性がある年に1度の大きなイベントで、世界中で注目されますから、投資家は様子見ムードが漂いそうです。
イベント通過後の値動きに注意していきましょう。
8月第2週の海外投資家動向は現物1229億円の買い越しで、先物は2709億円の買い越し、合計3938億円の買い越しとなりました。
【今週の日経平均を考える】夏枯れ相場の中、2万8000円の節目を超える強さがあるか
チャート分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、上向きに推移し、株価も乖離していましたが、木曜日に5日線に触れ、金曜日には株価が5日線を割り込んできています。
25日線は、上向き継続で、株価も25日線から乖離を広げ、木曜日には過熱感を示す5%を超え5.2%まで乖離を広げました。
75日線も上向き継続中です。
並び順は5日25日75日の並び順で、安定上昇が継続中です。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、2万7549円処を推移しています。
8月に入り、横ばいかと思われた200日線は、結局徐々に下向きとなっています。
株価は200日線から上に乖離しています。
トレンドライン
大きなBOXの上限を8月12日に超え、15日には窓を空けて明確に超えてきましたので、ここでBOX相場の終焉と判断し、新しいトレンドの始まりとなった先週でしたが、勢いよく上昇し2万9000円超えたところで、上値が重くなってきました。
1月5日の高値を超え年初来高値かというところから失速。
今週は、12日15日に開けた窓を埋めるのかが意識されるところです。
更に下には10日12日の窓、そして7月19日20日の窓があります。
一目均衡表
遅行線、転換線、基準線も上向きで推移して強さを見せていた一目均衡表ですが、金曜日に横向きへと変化しています。
8月31日に雲のねじれがあるので、この辺りで転換の可能性もあり注意が必要です。
ボリンジャーバンド
15日と17日に+2σに触れ、+2σと+1σの間を推移しています。
TPラインは上向きですが、+3σと+2σのバンドが横向きに波打ち、上値の重さが意識されます。
ここから横にもみ合い+1σを割ってしまうのか、それとも+1σからまた+2σを目指すのか注目です。
スローストキャスト
10日に買われすぎゾーンから下へ脱したかと思えば、12日には再び買われすぎゾーンへ向かい、とても強いシグナルを見せていました。
買われすぎゾーン内で18日から下向きへとなり、今後、再び買われすぎゾーンを割ってくるのか、確認していきましょう。
MACD
12日から再び強さを見せ、ヒストグラムも好転していましたが、金曜日には陰転へと向かっている状況です。
しかしMACDは0ラインの上を推移し、上昇トレンド継続中です。
月の満ち欠けですが、次回の新月は8月27日、満月は9月10日です。
総合判断
週末の米国主要指数が押してきたことを受けて、日経先物も下げました。
フィボナッチで見てみると、6月20日終値から8月17日終値の0.236押しがちょうど、大きなBOXの上限と重なり2万8400円処となります。
6月20日からの上昇の押し目として意識される0.382は8月10日12日の窓を埋める水準で2万7900円処。
そして、深く押す場面では0.618の2万7000円処で7月19日20日の窓埋め水準となります。
このように何気なく上へ下へと株価が動いているように見えるチャートですが、止まるべきところで止まり、加速するところで加速し、押し目や窓などが、ぴたりと重なって現れたりするなど、驚くことが多くあります。
世界の情勢などで右往左往してしまいますが、今一度チャートをしっかり確認して、現状のトレンドは何かを、狭い範囲だけではなく、広い視野で確認していきましょう。(執筆者:城 晶子)