株価の乱高下が激しい不安定な相場が続いています。
大きく下落したかと思いきや、翌日には大きく値を戻す。
そんな相場状況を前に
- 今の時期は投資を止めた方が良いのかな?
- また下がっても嫌だから現金化しておこうかな・・・
- いったん積立を止めて株価が安定してからもう1度始めようかな
など、多くの方が不安を抱いているのではないでしょうか。
さまざまな要因から、今のような不安定な相場はこれからもしばらく続くと予想されております。
積立投資を実践している投資家からすると、資産額が日々変動することに辟易してしまっている状況かと思います。
- 初心者でも安心だと聞いて積立を始めたけど、不安は増すばかり・・・
- 長い目で見れば期待できそうだけど、今が不安・・・
- いったん積立をストップした方がいい気がする・・・
- とにかく「何かの対策」を打った方が良いのではないか・・・
こんな考えが強くなるのも無理はありません。
ですが積立投資こそ「何もしない」方が吉と出る可能性が高いと考えます。
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未来の相場を当てることはプロでも不可能
投資における1番の理想は
ことだと思います。
これがうまくいけば、大きな利益を手にすることができるのは間違いありません。
ほとんどの投資家がこれを狙っていることでしょう。
ですが未来の相場を当てることは誰にもできません。
つまり「いつが底値」で「いつが高値」なのかを正確に当てて売買することはできないとお考えください。
大切なことは「当てること」ではなく「積立投資を続けること」です。
仮に今後も下落が続いた場合でも、積立を継続するべきです。
プロでも当てることができない相場の動きを読もうとしてはいけません。
何度もいいますが、多くの一般投資家にとってタイミングを見計らって売買することはほぼ不可能です。
稲妻が輝く瞬間に相場に居合わせなければならない
チャールズ・エリス著「敗者のゲーム」では以下のように記されています。
- 最も困難な課題は、相場の暴落期や暴騰期においても適切な投資方針を貫くこと
- 稲妻が輝く瞬間に相場に居合わせること
市場が不安定な時に投資方針を貫き、積立を継続することはとても難しいことです。
ですが同時に1番大切なことでもあります。
チャールズ・エリスはインデックス投資を推奨していますが、
- 広く分散されたファンド
- 低コストなファンド
への継続的な投資が大切だと説いています。
積立投資を実践している投資家の多くが
- S&P500
- 全米株式
- 全世界株式
に投資するファンドを保有しているかと思います。
敗者のゲームでも推奨されている「適切なインデックスファンド」の代表例でしょう。
投資するタイミングについても「読む必要はない」というのが本書の特徴です。
上がろうが下がろうが、とにかく続けることが大切だという主張です。
確かに暴落時には資産のマイナスだけではなく、精神的なダメージを負うこともあるでしょう。
ですが暴落が大きいほど、次に訪れる上昇も大きなものとなります。
そして多くの場合、その暴騰は暴落の直後に来ます。
「暴落時には積立を停止し、相場が安定してから再開しよう」と考えた場合、大きな上昇、暴騰相場に乗ることは難しくなるでしょう。
1980年から2016年の間で、ベストの何日かを逃した場合のリターンへの影響
1980年から2016年の間で、ベストの何日かを逃した場合のリターンへの影響として、以下が紹介されています。
S&P500の年収益率 | 11.4% |
ベスト10日を逃した場合の年収益率 | 9.2% |
ベスト20日を逃した場合の年収益率 | 7.7% |
ベスト30日を逃した場合の年収益率 | 6.4% |
つまり、
・ 上昇率上位ベストの10日に投資をしていなかった場合は、一貫して投資を続けた場合と比べて利益が3分の1になってしまい、
・ ベスト30日を逃してしまった場合は、約半分にまでなってしまう
ということです。
いつ上昇率ベストの日が来るかはわかりません。
とにかく優良ファンドへの投資をコツコツ続けること、これが敗者にならないための秘訣です。
次の上昇相場を逃さないためには積立を継続することが何よりも大事
- 相場が不安定だからといって、積立をストップするべきではない
- 相場が安定してから再開しようとすると、大きな上昇を逃してしまう
- 稲妻が輝く瞬間(暴騰)に相場に居合わせる(投資を続ける)ことが大きな利益につながる
ということをご理解いただけたかと思います。
多くの一般投資家にとって大切なことは今回の不安定相場で何かをすることではなく、稲妻が輝く瞬間を「ただ待つこと」つまり「積立を継続すること」だと考えます。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
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