2月相場が始まりアジア各国が春節で休場の中、日経平均株価は2月2日の水曜日には戻り高値の節目となる12月3日の安値に到達し、自律反発の高値となりました。
ここで一旦は1月5日からの急激な下げは終わり、一服となりましたが、海外投資家動向としては、売り越しが続いており1月4週目は5,200億円売り越しで、2022年に入り、1兆963円の売り越しとなっています。
日経平均株価は自律反発したとはいえ、まだ下降トレンドが継続中です。
欧州でも、英イングランド銀行も欧州中央銀行のラガルド総裁も、金融引き締めスタンスを示し、タカ派という印象で欧州も軒並み下落しました。
米雇用統計も予想より大きく上回り、結果的に金融引き締めを正当化する内容となり、3月利上げかとも言われ、米国10年国債利回りが1.916と大きく上昇して週末入りとなっています。
世界各国で金融引き締めの流れが強まりつつある中、まだまだ警戒が続きボラティリティの高い相場環境が世界的にも続きそうです。
米国株はこれからも安泰か? 現在抱えるリスクと、過去の暴落を分析
現状分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、向きを上向きに変え、株価は5日線の上を推移していましたが、金曜日に5日線に触れて終えています。
25日線は下向きを継続。株価とも多少乖離を詰めましたがまだ乖離している状況です。
75日線も下向きで推移し、株価に触れることなく乖離しています。
並び順は75日25日5日線の並び順で、引き続き安定下降を示しています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線ですが、下向きに推移し、75日線とデットクロス後はその位置を維持しています。
トレンドライン
意識されていた8月20日の安値2万6954円の横軸まで戻し下値支持ラインとなり、その上の2月3日安値が上値抵抗ラインとして機能しているところです。この狭いレンジ内で留まり週末を迎えています。
2021年2月16日の高値から6月15日の高値をそのまま斜めのラインを伸ばし、上値抵抗線が12月3日には下値支持線となり、このラインの延長で、現在は2月4日下値支持線となっています。
上は直近に開けた窓(1月18日、19日)の窓埋めが意識されるところです。もう少し上を見ると、三角持ち合いの下放れした8月20日、10月6日、12月3日、1月14日安値を結んだラインが今度は高値抵抗ラインとして意識されるところです。
下は、2020年11月20日24日に開けた窓を埋めるかが意識されるところです。窓埋めの11月20日高値は2万5,555円です。
その下には11月6日9日に開けた窓があり、その水準まで下落となると2万4,000円台となります。
一目均衡表
1月27日に底を付けて、遅行線との関係は、底と底で転換となりました。
しかし、4日後に株価は天井を付けており、この時に遅行線が大底となる可能性もまだ残っています。
転換線が下向きで推移し、基準線から乖離しているので、好転するには時間がかかりそうです。
ボリンジャーバンド
-2σから-1σまで株価は戻してきましたが下への意識が強く、株価は下向きの-1σのバンドにつく形で水、木、金曜日と推移しました。
-1σとTPラインとの幅が大きいため、TPラインまで株価が戻せるのかが注目です。
スローストキャスト
12月9日10日の水準でまた中段に差し掛かって若干折れぎみでしたが、何とか50に到達しています。
このまま買われすぎゾーンまで上昇していけるのか、または売られすぎゾーンに逆戻りなのか悩ましいところです。
MACD
ヒストグラムが好転してきました。
MACDはシグナルとクロスしそうな位置で週末入りとなり、-400までの水準まで戻してきました。がまだ0ラインまでは遠く、上昇トレンドには時間がかかりそうです。
月の満ち欠けですが、次回の満月は2月17日です。
総合判断
米国も日本も決算発表時期となり、表向きは一喜一憂の決算相場となっていますが、ロシアとウクライナ情勢への不透明感など、まだリスクが多くあります。
しかし、コロナ禍からの脱却に向けて世界各国が動き始めているので、正常化が好材料になってほしいところです。(執筆者:城 晶子)