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借金で老後破産に至る可能性が高い3つのケース 回避に有効な対策を元銀行員が伝授


将来の老後破産を防ぐ上で最も重要なことは、老後に極力借金を抱えないことです。

老後は大幅に収入がダウンして生活も借金の返済も難しくなり、それが原因で老後破産を招きかねません。

それを回避するためには借金を増やさないことが不可欠となります。

この記事では、借金で老後破産に至る可能性が高いケースを3つ紹介。借金による老後破産を防ぐ対策についてもお伝えします。

財布の中を見せる男性

【元銀行員が分析】まさか自分が「老後破産予備軍」 当てはまったらあなたも要注意

ケース1:良い借金と悪い借金の区別がついていない人

借金で困る人は「良い借金」と「悪い借金」の区別がついておらず、安易に借金は悪いと考えてしまいます。

明確な目的をもって返済可能な範囲でお金を借り、それを上手に活用できれば「良い借金」となります。

一般的に「良い借金」として、

  • 住宅ローン
  • 教育ローン(貸与型奨学金含む)
  • 車のローン
  • 携帯電話機種代の割賦
  • 生活費の補填

以上のうち、「生活費の補填」を除く借金は審査が比較的厳しい分低金利また、返済プランも無理のないものが多いです。

そのような借金は「良い借金」だと言えるでしょう。

一方、生活費の補填については条件つきで「良い借金」となります。

  • 金利は何%か
  • どんな目的でいくら借りるか
  • 返済プランをしっかり立てているか
  • 毎月いくら返済する予定か
  • いつまでに完済する予定か

などの点を明確にした上で利用すれば「良い借金」となります。その点が曖昧なまま借金する場合は「悪い借金」と位置付けられます。

「悪い借金」は、「明確な目的や返済プランを立てないまま安易に利用する借金」を指します。

そのような人にありがちな特徴は主に2つあります。

特徴1:借金の知識に乏しい

悪い借金に安易に手を出す人の多くは「借金の知識」に乏しい人です。

たとえばこのような知識は最低限知っておきたいところです。

  • クレジットカードのリボ払いや携帯電話の割賦払いは借金である
  • キャッシングやリボ払いの金利は住宅ローン金利の10倍以上である
  • 借金を滞納すると利息に高利率の遅延損害金が加算される
  • 度重なる滞納で信用情報に傷がいてクレジットカードを利用できなくなる

以上のことをよく理解していない人は、安易に借金を利用して自分の首を締めがちです。中には返済不能になった借金を別の借金で返そうとして多重債務に陥る人もいます。

特徴2:借金の返済プランをしっかり検証しない

借金の返済プランをしっかり検証しない人も多いです。

貸金業者は返済プランを明示した上でお金を貸し出しますが、人によってはその返済プランに無理がある場合も。その点をよく検証せずに安易にお金を借りる人は少なくありません。

その結果借金の返済が滞り、老後破産どころか現役のうちに破産する人もいます。

そのような事態を防ぐためには、借金についての正しい知識を持ち、無理のない返済プランを立てて滞納なく返済し続けることが重要です。それがわが身を老後破産から守ることになるでしょう。

ケース2:時間やお金にルーズな人

現在借金がない人にも、定年後に収入がダウンすると借金で老後破産する可能性が高い人がいます。時間やお金にルーズな人です。

時間にルーズな人が陥りがちなケース

時間にルーズな人は月々の支払い日の管理がずさんになりやすいです。

その結果、口座の残高不足で諸費用の引き落としができず、本来払う必要のない遅延損害金で家計が圧迫されることが意外と多いのです。

特に借金を度々滞納した場合は、利息と遅延損害金でみるみる借金が膨らむので要注意です。

お金にルーズな人が陥りがちなケース

お金にルーズな人は自らのお金の管理ができていません。

そのような人の多くは、

  • 現在の貯蓄額
  • 毎月の収支

を正しく把握していません。

その結果家計が深刻な赤字となり、老後資金もほとんど貯まっていないことが多く、老後に収入がダウンすると生活費のための借金で老後破産に陥る恐れが濃厚です。

それを防ぐためにも今すぐ現在の貯蓄額や毎月の収支を正しく把握し、不意の支出に備えて先取り貯蓄をコツコツ行いましょう。

その習慣をつけることで家計の赤字による借金や老後破産のリスクを減らせます。

ケース3:お人よしな人

お人好しな人も、人の借金を被ることで老後破産に至るリスクがあります。

その最たる例が「連帯保証人」です。

連帯保証人は債務者本人が返済できなくなった場合に借金を返済する法的義務を負います。それによって連帯保証人の家計が破綻する可能性が極めて高くなります。

そのような依頼が来たら原則として断るのがベストですが、依頼者が身内などで断るのが難しいケースもあるでしょう。

その場合は以下のことをよく調査・検証しましょう。

  • 依頼者は本当に信用できる人か?
  • 依頼者が借金する理由は何か?
  • 自分に頼むほかに手立てがないか?

その結果無理だと思えば身内相手でも断る勇気を持ちましょう。それによって自らを人の借金による老後破産から守ることができます。

不測の事態で借金に困った場合の対応策

老後破綻しないように

以上の3ケースに当てはまらない場合でも、自然災害など不測の事態が原因で多額の借金を抱えたり、返済中の借金を返せなくなったりして老後破綻に陥る可能性があります。

その場合に有効な対応策をいくつか紹介します。

  • 借入先の業者に相談する(返済プランの変更など)
  • 加入する保険の保障内容を確認する
  • 債務整理を検討する
  • 身内から一時的にお金を借りる
  • 緊急小口資金などの公的制度を活用する

不測の事態はいつ起こるかわかりませんが、そのような知識が頭に入っていれば借金による老後破産の可能性は大きく減るでしょう。(執筆者:元銀行員 大岩 楓)

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