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両手仲介とは?不動産取引でのメリット・デメリットと注意点を徹底解説


両手仲介とは?不動産取引でのメリット・デメリットと注意点を徹底解説
  1. 両手仲介とは?片手仲介との違いを解説
  2. 不動産会社に両手仲介してもらうメリット
    1. 交渉の窓口が一本化されるため、手続きがスムーズ
    2. 不動産会社が積極的に買主を探してくれる可能性がある
    3. 売却活動のスピードが早くなる可能性がある
  3. 不動産会社に両手仲介してもらうデメリット
    1. 「囲い込み」が発生することも
    2. 売却価格が相場より低くなってしまう可能性がある
  4. 両手仲介で失敗しないための対策
    1. 売却の場合は複数社に査定を依頼して相場感を把握する
    2. 契約前に仲介取引形態や説明内容をよく確認する
    3. 売買に向けた具体的な進め方を確認する
    4. 信頼できる不動産会社かどうか、口コミや対応をチェックする
    5. 販売の進捗状況を細かく確認する

両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の仲介を行い、その双方から仲介手数料を得る取引形態を指します。両手仲介には「囲い込み」などのリスクがあるものの、上手に活用することで迅速な販売活動が可能になるなどのメリットもあります。

本コラムでは、両手仲介と片手仲介の違いや、不動産会社に両手仲介してもらうメリット・デメリット、両手仲介で失敗しないための対策を詳しく解説します。

両手仲介とは?片手仲介との違いを解説

両手仲介とは?不動産取引でのメリット・デメリットと注意点を徹底解説
(画像:PIXTA)

両手仲介とは、売主から物件の売却を依頼された際に、自社で買主を探してきて売買契約を結ぶ、つまりひとつの不動産会社が売主と買主の双方と媒介契約を締結し、それぞれから仲介手数料を受け取る取引形態を指します。

一方で片手仲介とは、ひとつの不動産会社が売主または買主の片方と媒介契約を結び、仲介手数料を受け取る形態です。例えば買主から依頼を受けた不動産会社が、他の不動産会社が募集している物件を買主に紹介する場合などがこれに該当します。

両手仲介とは?不動産取引でのメリット・デメリットと注意点を徹底解説

このように両手仲介と片手仲介では、売主と買主の両方と媒介契約を結ぶか、片方と媒介契約を結ぶかの点で異なります。両手仲介では不動産会社は売主と買主双方の利害を調整する役割を担い、片手仲介では片方の利益を最大化する役割を担うという役割に違いがあります。

不動産会社に両手仲介してもらうメリット

両手仲介とは?不動産取引でのメリット・デメリットと注意点を徹底解説
(画像:PIXTA)

両手仲介は、売主と買主双方から仲介手数料を得られるという点から、一般的に売主や買主よりも不動産会社の側にメリットが大きい取引形態といわれますが、実際には売主や買主にとってもメリットをもたらす場合もあります。ここでは、不動産会社に両手仲介してもらうメリットを3つ紹介します。

交渉の窓口が一本化されるため、手続きがスムーズ

両手仲介では、売主と買主の間に入る不動産会社が1社のみとなるため、交渉や手続きにおいて窓口が一本化されるというメリットがあります。

片手仲介の場合、売主側と買主側のそれぞれに不動産会社が存在します。価格交渉や引き渡し条件、契約内容の調整など、双方の意見をすり合わせる際に、それぞれの不動産会社を経由した複雑なやり取りが発生してしまいます。

しかし両手仲介であれば、ひとつの不動産会社が売主と買主の間に立ち、双方の意向を直接把握しながら、円滑なコミュニケーションをとることができます。これにより、無駄な伝達ミスや認識のズレが減り、問題発生時の迅速な対応も可能になります。

不動産会社が積極的に買主を探してくれる可能性がある

不動産会社が得られる仲介手数料には上限が定められています。例えば400万円を超える物件の売買であれば、「売買価格×3%+6万円+消費税」が仲介手数料の上限になります。

この上限金額は、依頼者の一方から受け取ることのできる報酬額であり、両手仲介では、不動産会社が売主と買主の双方から仲介手数料を受け取ることができます。片手仲介の倍の仲介手数料を得られる可能性があり、不動産会社にとっては収益性の高い取引となります。このため不動産会社は片手仲介よりも積極的に買主を探し、マッチングさせようと努力する可能性があり、より多くの潜在的な買主にアプローチしてもらえる可能性が高まります。

売却活動のスピードが早くなる可能性がある

両手仲介では、前述した通り1社の不動産会社が売主と買主の双方を担当するため、契約が成立するまでのスピードが早くなる場合もあります。

例えば、片手仲介で買主が売主に対して価格交渉を行う場合、買主と売主との間に不動産会社2社を介することになります。一方、両手仲介であれば1社のみが間に入ります。その不動産会社は売主と買主それぞれの要望も把握していることから、片手仲介と比べて売主と買主双方の調整を行いやすく、取引のマッチングがスムーズに行われる場合があります。

不動産取引においては、買主が売主に対して購入に向けた問い合わせを行った後の交渉や要望の調整はきわめて重要であり、契約成立までの時間を大きく左右しますが、スムーズな調整につながる可能性があるという点において、両手仲介は売主と買主の双方にとってメリットがあります。

不動産会社に両手仲介してもらうデメリット

ここまでは両手仲介が売主や買主にもたらすメリットを紹介しましたが、実は両手仲介には気をつけなければならないデメリット・リスクもあります。ここでは、両手仲介の不動産会社を選ぶデメリットを2つ紹介します。

「囲い込み」が発生することも

「囲い込み」とは、売却依頼のあった物件を意図的に他社へ公開せず、買主も自社が見つけようとする行為のことをいいます。前述した通り両手仲介は片手仲介の2倍の報酬を受け取ることができるため、不動産会社の中には、仲介手数料獲得を優先するあまり、売主との間で媒介契約を結んだあとで物件情報を他の不動産会社に公開せず、自社のみで買主を探そうとする会社もあります。

本来、売却活動では、より多くの買主候補に物件情報を提供することで、早期成約や高値売却の可能性が高まります。しかし、囲い込みが行われると情報の拡散が制限されるため、買主候補との接点が限られてしまい、結果として売却期間が長引いたり、売却価格が下がったりしてしまう恐れがあります。

こうした事態を防ぐために、2025年1月からは、不動産会社に対して、物件情報ネットワークである「レインズ」へ取引の申込状況の登録をすることが義務づけられました。万が一、取引が成立していないにもかかわらず「申込あり」といった虚偽情報を掲載するなど、他社の仲介を排除しようとした場合は、是正指導や行政処分の対象となることもあります。

このような制度面の改善により、囲い込みリスクは徐々に低下していくことが期待されていますが、依然として注意が必要です。

売却価格が相場より低くなってしまう可能性がある

不動産仲介取引において、不動産会社が得られる利益は主に仲介手数料になります。仲介手数料の額は売買価格に比例するため、本来は高値で成約する方が不動産会社にとっても利益となります。しかし、実際には早期成約を優先し、売却価格が相場よりも安くなってしまうケースもあります。

特に両手仲介の場合は、不動産会社が自社で売主と買主の双方の情報を持っているため、情報優位性を利用して取引をコントロールしやすい立場にあります。例えば、不動産会社が「売主がどの程度まで値引きに応じる用意があるか」という情報を把握している場合、買主から希望価格が提示された際、売主が許容しそうな下限金額で買主との価格交渉をまとめようとすることがあります。その結果、相場よりも低い価格で売却が成立してしまうケースもあります。

一方で片手仲介の場合には、不動産会社は売主または買主のどちらかを担当するため、相手方の詳細な事情まで把握できず、立場はより中立的になります。また、安易に「いくらまで値下げ可能か」といった情報を相手に開示しすぎると足元を見られるリスクがあります。もちろん、交渉の結果として価格を下げる判断に至る場合もありますが、片手仲介の方が両手仲介よりも慎重な情報管理と価格交渉が期待できる可能性もあります。

また、売買価格を大幅に値下げしたところで、仲介手数料は売主と買主の双方から受け取れるため、早期成約を優先し値下げの提案をする可能性もあります。

なお、売主が不動産取引に関する知識に乏しい場合や、急いで現金化したいという状況にある場合などは、不動産会社の提示する条件を鵜呑みにしてしまいがちです。そのため、仲介取引の形態や不動産会社の取組姿勢によって、売却価格に大きな差が生まれる可能性があることを十分に理解しておく必要があるほか、不動産情報サイトなどを閲覧して取引価格の相場観を身に付けておくことが重要です。

両手仲介で失敗しないための対策

両手仲介とは?不動産取引でのメリット・デメリットと注意点を徹底解説
(画像:PIXTA)

ここまで解説したように、両手仲介は不動産会社・売主・買主のそれぞれにメリットをもたらす一方で、特に売主にとって大きなリスクも伴う取引形態です。そこで以下からは、両手仲介で失敗しないための具体的な対策を5つ解説します。

売却の場合は複数社に査定を依頼して相場感を把握する

不動産を売却する際には、1社にだけ査定を依頼するのではなく、複数の不動産会社に査定を依頼して価格や提案内容を比較することが大切です。そのうえで、各社から提示される査定額や、売却戦略に関する提案内容を比較検討し、正確な相場感を把握しておくようにしましょう。

また、不動産ポータルサイトなどを活用し、積極的に情報収集をしておくことも大切です。売却する物件と条件(エリア・広さ・築年数・間取りなど)が近い物件の売出価格や成約価格など情報を調べ、相場感や市場の動きを把握しておきましょう。

明確な売却希望価格を持って、不動産会社との交渉に臨めば、不利な条件を提示されても冷静に判断でき、失敗のリスクを軽減することが可能です。

契約前に仲介取引形態や説明内容をよく確認する

不動産売買では、不動産会社と媒介契約を締結します。媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3つの種類があります。売主にとっては契約内容が売却活動に大きく影響するため、以下の表より違いや特徴を理解しましょう。

一般媒介専任媒介専属専任媒介
概要複数社に依頼可能で、売主自身で買主を探すこともできる一社に依頼し、売主自身でも買主を探すことができる一社に依頼し、売主自身が買主を探すことができない
他社への依頼××
自己発見取引×
契約期間法律上の制限はない3ヵ月以内3ヵ月以内
レインズ登録不動産会社の任意7営業日以内
(休日を除く)
5営業日以内
(休日を除く)
報告義務なし2週間に1回以上
(休日を含む)
週1回以上
(休日を含む)

このように、媒介契約の種類によって、レインズへの登録義務の有無や、売却活動の報告義務の有無・頻度が異なります。そのため、不動産の売却活動では契約前に仲介取引形態について理解しておくことが非常に重要です。

前述した通り、2025年1月からは両手仲介において取引の申込状況をレインズに登録をすることが義務づけられましたが、一般媒介契約では他社に依頼が可能なため、レインズへの物件情報の登録義務はありません。こうした契約上の違いを事前に把握し、担当者の説明に納得した上で契約を結ぶようにしましょう。

また、自分の物件が不動産情報サイトにどのように掲載されているか、閲覧数や問い合わせ件数がどの程度あるのかを確認することをおすすめします。確認することによって、売却活動の進捗を客観的に把握でき、値下げ交渉に至った場合にどの程度応じるべきかが判断しやすくなります。

媒介契約の違いや特徴、注意すべきポイントについては、それぞれ特集コラムを用意してありますので、ぜひこちらもご覧ください。

【関連記事】媒介契約とは?3種類の契約内容の違いと選び方を解説

【関連記事】専任媒介契約とは?一般媒介・専属専任媒介との違いを徹底比較

【関連記事】専属専任媒介契約とは?メリットや注意点、一般媒介・専任媒介との違いを徹底解説

【関連記事】三為契約とは?ワンルーム投資でサラリーマンが注意すべき理由

売買に向けた具体的な進め方を確認する

契約前に、不動産会社との間で売買に向けた具体的な進め方をしっかりと確認しましょう。

一口に「不動産会社」といっても、取り扱う物件の種類や得意とする売却方法、活用している情報サイトは会社によって大きく異なります。そのため、単に過去の実績だけで選ぶのではなく、実際にどの情報サイトに掲載する予定なのか、売却までの想定期間はどのくらいか、広告や内覧の対応方針はどうなっているかなど、具体的なプロセスを質問するようにしましょう。

具体的な進め方について不明瞭な点が多い場合は、慎重に検討し、場合によっては他の不動産会社に切り替えることも視野に入れて検討しましょう。

信頼できる不動産会社かどうか、口コミや対応をチェックする

不動産取引を成功させるためには、何よりも信頼できる不動産会社を見つけることが肝心です。そのためには、不動産会社選定の段階で、その会社の口コミや対応を徹底的にチェックすることをおすすめします。

インターネット上の評判サイトやSNSで、実際にその会社を利用した人の口コミを参考にすることはもちろん、複数の不動産会社と実際にやり取りをして、それぞれの対応を比較検討することも重要です。

ただし、口コミの中には感情的なものも含まれるため、複数のサイトを比較したり、実際の契約者のレビューに絞って読んだりするなど、慎重に情報を取捨選択することが求められます。

信頼できる不動産会社の特徴や、不動産会社の選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【関連記事】不動産会社の選び方|マンション等の売却・購入時の仲介会社選びのポイント

販売の進捗状況を細かく確認する

物件を売却する際には、販売の進捗状況をこまめに確認することが大切です。掲載している不動産情報サイトの閲覧数や問い合わせ件数はもちろん、実際に問い合わせが入った後にどのようなフォローアップをしているのか、いわゆる「追客状況」についても不動産会社に確認を行いましょう

具体的な状況を確認することによって、不動産会社側も安易に囲い込みや対応の遅延などを行いにくくなります。また、こまめに販売状況を確認することで、売却が思うように進んでいない場合でも早期に手を打つことができ、状況に応じて価格の見直しや販売方法の変更といった柔軟な対応が可能になります。

さらに、販売活動の積極性や透明性を見極めることもできるため、両手仲介による不利益を未然に防ぐ抑止力にもつながります。信頼関係を築きつつも、売主としての主体性を保ち、適切な監視の目を持つことが重要です。

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- コラムに関する注意事項 -

本コラムは一般的な情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的とするものではありません。
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外部執筆者の方に本コラムを執筆いただいていますが、その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当社の見解等を示すものではありません。
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