米『中国軍事力報告書』の「汚職摘発で中国軍事力向上」指摘は国防費獲得のため(2)【【中国問題グローバル研究所】
中国問題グローバル研究所は、米国防総省の『中国軍事力報告書』が国防予算確保のために中国の脅威を強調していると指摘しています。この報告書は、中国が2027年までに台湾を武力攻撃する可能性があるとの主張を含んでおり、中国ではこれがデマとして憤慨しています。ただし、中国は報告書を分析し、その中で米国の戦略意図を理解しようとしています。また、ビリビリ動画では、米国の軍事予算の実際の使途についても検討が行われており、予算の多くが装備費に使われていないとしています。中国の軍事支出との比較も行われ、米国の軍事予算の非効率性が指摘されています。
◆憤慨する中国
中国のネットには、米・国防総省が予算獲得のために「中国の脅威」を手段として使うことに対する憤慨が数多く見られる。
特に、上記の「1」や「4」にあるように、アメリカは、習近平が2027年までに台湾を武力攻撃するというデマを拡散させて国防予算を獲得しようとしたり、日本を煽って日本の国防費を増額させようと画策したりしてきた。
このことは2023年2月15日のコラム<「習近平は2027年までに台湾を武力攻撃する」というアメリカの主張の根拠は?>(※2)にも書いた通りだ。
すなわち、中国では2020年10月26日から29日まで北京で第19回党大会の五中全会(第五回中央委員会全体会議)が開催され、10月29日に<第19回党大会五中全会公報>(※3)が中国共産党網で発布された。公報の全文は約6800文字あるが、その中の「確保二〇二七年実現建軍百年奮闘目標」という、わずか「17文字」が、「建軍百年に向けた奮闘目標を確保しよう」と書いてあるだけだ。
国のトップが、「建軍百周年記念に向かって頑張ろう!」と兵士に向かって激励するのは、どの国でも自然のことだろうが、アメリカは「しめた!」とばかりに、この「17文字」に飛びついた。
すると、日本政府も日本の中国論者たちもまた、まるで「鬼の首でも取った」かのように、アメリカのこの「ご高説」に飛びつき、台湾武力攻撃説を喧伝しまくったのである。
バカバカしいだけでなく、日本人の命を戦火の中に巻き込む危険な「フェイク」なので、筆者はいたる所で、その虚偽性と扇動性に関して書いてきたが、日本人は「好戦的な論説」の方を好むという、愚かな選択をしている。
中国の嫌日感情の主たる源泉は、ここにあると言っても過言ではないだろう。
中国のネットには、あまりに多くの「報告書」に対する批判と抗議と冷笑があるので、どれか一つを取り上げて解説するのは困難だが、それでも一応、まずは中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」の論説を見てみよう。
2月20日の環球時報は<米国は「中国軍事力報告書」を発表して中国人民解放軍を中傷 中国は「事実を無視し、偏見に満ち、“中国脅威論”を広めていると反駁>(※4)している。目新しい内容としては、環球時報が軍事専門家の意見として「今年の報告書には、認知戦闘能力や、西太平洋で軍事紛争が発生した場合に中国がエネルギー供給能力を確保する上で直面する課題など、いくつかの新しい内容が追加されている。これは、将来、西太平洋で軍事紛争が発生した場合、米国が軍事介入し、中国のエネルギー供給ラインに悪の手を伸ばし、中国のエネルギー供給を遮断することを示している。これは中国が非常に警戒すべきことだ」と報道していることだ。
中国はむしろ「報告書」を分析して、アメリカが何を狙っているかという分析を深めていることが興味深い。
12月19日には、比較的に知識人が集まる観察者網が<米・国防総省は中国の核拡大を誇大宣伝しており、2030年には1,000発の核爆弾を保有するとしている>(※5)という見出しで「報告書」を分析している。この分析で「報告書」に関して注目している興味深い話題を挙げると、以下のようなものがある。
●「報告書」によると、軍艦、海上兵器、電子システムの生産において、中国の防衛産業は「ほぼすべての造船ニーズを満たすことができる」という。報告書は、中国海軍が世界最大の海軍であり、140隻以上の主要な水上艦を含む370隻以上の艦艇と潜水艦を保有し、米国海軍の290隻を上回っていると評価しており、中国はさまざまな建造段階にある新しい駆逐艦や強襲揚陸艦も多数保有していると評価している。
●アメリカのメディアは、アメリカの国防予算が依然として世界最高であり、アメリカは実戦に投入できる核弾頭を約1550発も保有していると言及している。
●昨年、米国が発表した年次報告書(『中国軍事力報告書』)について、中国外交部の毛寧報道官は、「米国こそが世界で最大かつ最先端の核兵器を保有している国であり、核兵器の先制使用を主張し、核戦力の増強に多額の投資を続け、同盟国に対する“拡大抑止”を強化している」と指摘した。
◆ビリビリ動画:米・国防部は予算の20%しか武器装備費に使ってない
一方、中国の人気動画であるビリビリ動画が12月9日に<米軍(の予算)9000億ドルは、いったい何に使っているんだい?なんで(9000億ドルもあるのに)足りないんだ? :米軍2025年装備購入分析>(※6)というタイトルの分析を賑々しく公開している。
その分析は、今年3月11日に発表された米国の<2025年の国防総省予算要求>(※7)に基づいて行われており、要点は以下のようなものである。
●米軍の2025年の軍事予算は9000億ドルと巨額であるものの、実際に装備品調達に使われる部分は比較的少なく、約1675億ドルで、全体のわずか20%にも満たない。
●中国の軍事予算は約3000億ドルと言われているけれど(ストックホルム国際平和研究所が推測した中国の2023年の軍事費)、その30%~40%は装備品調達に使われているようなので、米軍の装備品調達費は中国やロシアよりも低いか、トントンくらいだ。
●予算要求では、戦闘機や装甲車、軽火器など、米軍のさまざまな装備品の具体的な購入額が詳しく紹介されているが、国防産業部門の単価の高さには驚く。これは今後数年間で米軍の軍事力が徐々に縮小していくだろうことを示唆している。(動画の概要は以上)
となると、まさにイーロン・マスクが指摘した通り、米国の国防総省の予算は「無駄が多く、非効率的だ」ということになる。国防総省はそれを知っているので、イーロン・マスクがどのように言うかを見届けてから発表しようとして、今年は「報告書」の発表を遅らせたのではないだろうか。
ご参考までに書くと、この年次報告(『中国軍事力報告書』)はここのところ、
「2020年9月1日/2021年11月3日/2022年11月29日/2023年10月19日/2024年12月18日」という日時で発表されている。例年に比べると、今年はいやに遅い。きっとイーロン・マスクが「政府効率化省」で何をするかを見届けたかったために遅れたのにちがいない。
なお、「報告書」が指摘する「汚職摘発で中国の軍事力が向上している可能性」は薄く、中国の腐敗は「底なしか」と筆者は思っている。それに関しては、機会があれば別途考察を試みたい。
この論考はYahoo!ニュース エキスパート(※8)より転載しました。
写真: 米・国防総省が発表した年次報告2024『中国軍事力報告書』のカバー
(※1)https://grici.or.jp/
(※2)https://grici.or.jp/4015
(※3)https://www.12371.cn/2020/10/29/ARTI1603964233795881.shtml
(※4)https://mil.huanqiu.com/article/4Kj5IuAVPuh
(※5)https://www.guancha.cn/internation/2024_12_19_759324.shtml
(※6)https://www.bilibili.com/video/BV15CqNYzErK/
(※7)https://comptroller.defense.gov/Budget-Materials/Budget2025/
(※8)https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/937e0f78070679355f75b0cfea4625e69c145fc8
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