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11日の香港市場概況:ハンセン2.0%安で3日続落、科技指数は3.0%下落


11日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比581.85ポイント(2.03%)安の28013.81ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が219.52ポイント(2.06%)安の10431.55ポイントとそろって3日続落した。売買代金は1887億4900万香港ドルにやや拡大している(10日は1635億1200万香港ドル)。


米ハイテク株安が嫌気される流れ。昨夜の米株市場では、米10年債利回りが1.6%台に再び上昇する中、金利高による割高感が意識され、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株が急落している。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4.7%下落し、3月下旬以来の安値水準に落ち込んだ。また、これまで上昇基調を強めていた各金属や原油の商品相場反落も、関連銘柄にとっての売り材料となっている。なお、朝方公表された4月の中国物価統計では、消費者物価指数(CPI)の上昇率がやや下振れる一方、生産者物価指数(PPI)は予想を上回った。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が5.3%安と大幅続落。王興CEO(最高経営責任者)が政府批判と取れる漢詩をSNS投稿したことを不安視し、前日も7.1%下落していた。王CEOはその後、同投稿を削除したが、市場関係者の間では「今回の騒動が美団の先行きに影を落とした」との見方が広がっている。このほか民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が6.4%安、不動産開発大手の恒隆地産(101/HK)が3.8%安と下げが目立っている。吉利汽車に関しては、4月の販売実績の13カ月ぶりマイナス成長も嫌気された。


ITやハイテクなど「ニューエコノミー」関連銘柄で構成されるハンセン科技指数は3.0%安。昨年11月以来の安値を付けた。主要な構成銘柄では、上記した美団のほか、快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が5.3%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)と百度集団(バイドゥ:9888/HK)がそろって3.5%安などと値を下げている。


非鉄や鉄鋼の素材セクターも安い。新疆新キン鉱業(3833/HK)が8.6%、江西銅業(358/HK)が7.7%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が7.6%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が5.4%、重慶鋼鉄(1053/HK)が10.5%、鞍鋼(347/HK)が9.8%、中国東方集団HD(581/HK)が5.6%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が5.3%ずつ下落した。

石油セクターもさえない。中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.5%安、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)と中国石油化工(サイノペック:386/HK)がそろって2.8%安、中海油田服務(2883/HK)が4.5%安とそれぞれ反落した。


一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.40%高の3441.85ポイントで取引を終了した。小売や食品飲料など消費関連株が高い。不動産株、医薬品株、金融株、発電株、貿易関連株なども買われている。半面、素材株は安い。石炭・石油株や産金株、半導体株、海運株、自動車株も売られている。

亜州リサーチ(株)


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