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23日の香港市場概況:ハンセン0.9%高で4日ぶり反発、小米7.6%上昇で新高値


23日の香港市場は値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比223.85ポイント(0.86%)高の26343.10ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が98.34ポイント(0.95%)高の10482.52ポイントとそろって4日ぶりに反発した。売買代金は1291億5400万香港ドルとなっている(22日は1237億2600万香港ドル)。


中国の経済支援策に対する期待感が広がった。来年から始まる中国の第14次5カ年計画(2021〜25年)を見据え、政策メリットを受けやすい銘柄群が物色されている。新5カ年計画では、内需拡大が主要テーマのひとつ。また、商務部の高峰・報道官は今月10日、消費の回復を促すため、年末から年始にかけて一連の消費促進活動を展開すると述べた。また、ハンセン指数は前日まで3日続落し、足元では約1カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいただけに、値ごろ感も着目されている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が7.6%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が6.3%高、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が3.9%高と上げが目立った。小米は上場来高値を更新している。


ハイテクやITの「ニューエコノミー」関連で構成されるハンセン科技指数は2.9%高と続伸。指数算出以来の高値を更新した。構成銘柄では、上記した小米集団や美団のほか、22日に組み入れられたヘルスケア企業の京東健康(JDヘルス・インターナショナル:6618/HK)が6.9%高と大幅続伸している(同社株も新値更新)


セクター別では、飲料や酒造、スポーツ用品など消費関連が高い。中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.3%、青島ビール(168/HK)が1.7%、李寧(2331/HK)が4.5%、安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が2.4%ずつ上昇する。上場来高値をそれぞれ更新した。


太陽光や風力などエコ発電関連の銘柄群も物色される。陽光能源HD(757/HK)が15.3%高、保利協シン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が14.5%高、中国水発興業能源集団(旧社名・中国興業太陽能技術HD:750/HK)が9.3%高、龍源電力集団(916/HK)が8.7%高、中国大唐集団新能源(1798/HK)が7.2%高で取引を終えた。発電設備の上海電気集団(2727/HK)と東方電気(1072/HK)もそれぞれ5.1%高、3.1%高と値を上げている。習近平・国家主席は先ごろ、CO2の排出量と除去量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を2060年までに実現するとの長期目標を掲揚。中国政府は来年、風力・太陽光発電容量の拡大を加速させる方針だ。


他の個別株動向では、天然ガス事業の昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が11.0%高と急伸。同社は22日引け後、国家石油天然気管網集団(国家管網)に対し、パイプライン資産を売却すると発表した。売却収入のうち50%を株主還元に充てる方針で、特別配当を予定しているという。


半面、中国の銀行セクターはさえない。中国建設銀行(939/HK)が1.6%安、中国工商銀行(1398/HK)と交通銀行(3328/HK)がそろって1.5%安、中国銀行(3988/HK)が1.2%安、中国農業銀行(1288/HK)が1.1%安と下落している。中国人民銀行(中央銀行)は来年、銀行融資の伸びを前年比で徐々に縮小させる方針——などと関係者の話として報じられた。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.76%高の3382.32ポイントで取引を終えた。自動車株とハイテク株が高い。電や小売などの消費関連株、海運株、エネルギー株、非鉄株、インフラ関連株、防衛関連株、金融株なども買われた。半面、薬品株は安い。産金株、建材株、不動産株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)


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