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26日の香港市場概況:ハンセン0.7%安で3日ぶり反落、世界的リセッション警戒


26日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比174.85ポイント(0.74%)安の23352.34ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が81.93ポイント(0.86%)安の9447.56ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は1217億7900万香港ドルとなっている(25日は1511億6200万香港ドル)。

世界的なリセッション(景気後退)の警戒感がくすぶる流れ。中国以外の国・地域では、新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからず、国境閉鎖や移動制限が強化されている。米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によれば、25日午後3時(米東部時間)時点で、コロナ感染による世界死者数は2万550人。20日に1万人の大台に乗せてから、わずか5日間で倍増した計算だ。世界貿易機関(WTO)の事務局長は25日、新型コロナによる景気悪化は2008年の金融危機時(リーマン・ショック)を上回る恐れがあるとの見解を述べている。ただ、下値を叩くような売りはみられない。指数はプラス圏で推移する場面もみられている。リセッションに対応する各国の経済対策が相場を下支えした。英メディアは25日、「中国人民銀行(中央銀行)は向こう数日内に、預金基準金利の引き下げを発表する可能性がある」と報じている。米国では、経済対策費2兆米ドル(約220兆円)規模に上る新型コロナウイルス対策法案が上院で可決された。

ハンセン指数の構成銘柄では、中国政府系インベストメント会社の中国中信(CITICリミテッド:267/HK)が5.7%安、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が5.0%安、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が3.4%安、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が2.8%安と下げが目立った。

セクター別では、中国の自動車が安い。長城汽車(2333/HK)が4.3%、東風汽車集団(489/HK)が3.2%、吉利汽車HD(175/HK)が2.3%、広州汽車集団(2238/HK)が1.5%ずつ値を下げた。

生産・化工や掘削など石油関連セクターもさえない。中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が2.3%安、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が1.1%安、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が0.9%安、中海油田服務(2883/HK)が5.5%安と下落した。

半面、中国の発電セクターはしっかり。華電国際電力(1071/HK)が2.9%高、華能国際電力(902/HK)が2.6%高、華潤電力HD(836/HK)が1.5%高、大唐国際発電(991/HK)が1.0%高と上昇した。華電国際電力の通期決算が利益2.3倍に拡大するなか、業界全体の業績成長が連想されている。このほか、原子力発電所運営で中国最大手の中国広核電力(CGNパワー:1816/HK)が1.8%高。同社の決算では増益が確保され、配当も前年から増額している。

そのほかにも業績動向を手がかりにした物色がみられた。昼に公表した決算で増益だった銘柄群では、肥料販売で中国最大手の中化化肥HD(サイノフェルト:297/HK)が6.1%高、不動産デベロッパー大手の広州富力地産(2777/HK)が5.2%高などと買われた。

一方、本土市場は3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.60%安の2764.91ポイントで取引を終えた。ハイテク株が安い。インフラ関連株、資源・資材株、不動産株の一角なども売られた。半面、銀行株は高い。食品飲料株、医薬品株も買われた。

【亜州IR】




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