メタリアル:高精度産業翻訳AI対応言語を70へ拡充、ニーズの高いコア層ニーズを充足
メタリアル<6182>の連結子会社である株式会社ロゼッタは、高精度産業翻訳AI「T-4OO」の『高精度』モードの対応言語を、2026年7月28日付で従来の36言語から70言語に拡充する。セルビア語・ウズベク語・ラオ語など、利用実績の高い34言語を新たに追加。既に、中国語や欧州・東南アジアの主要言語には対応済みだが、今回は、従来型翻訳における顧客の利用実績に基づいて選定した点が特徴となる。海外拠点とのマニュアル共有、製造業の取扱説明書、法務分野の契約書・技術文書など、専門用語の正確性が求められる多言語業務での活用を見込む。対応言語は同年6月25日に15言語から36言語へ拡充されたばかり。
高精度産業翻訳AI「T-4OO」では、2026年2月に『高精度』モードの大型アップデートが実施されている。最新の生成AI技術と同社が20年間蓄積してきた産業翻訳技術を融合し、翻訳精度向上と対訳・用語集の反映精度強化により、修正必要率が従来型翻訳の5.76%からアップデート後の高精度翻訳では1.05%まで大幅に改善した。加えて、2026年4月には、エージェンティックAIを搭載した「超高精度(熟考)」モードを発表。修正必要率センテンス数は0.05%となり、高精度モードからさらに改善した。同社では、2025年12月4日に開示した新ビジョン「人手修正不要な翻訳AI」の実現に向けて、重要な機能の追加を進めている。同社では現在、3ヶ月以内の完全自動翻訳の実現を目指して開発を加速させている。
なお、メタリアルの2027年2月期第1四半期(1Q)決算は、売上高995百万円(前年同期比△11.5%)、営業利益▲35百万円(前年同期▲61百万円)と、減収・営業赤字の縮小となっている。赤字の主因は3点。第一に売上面では、翻訳AIにおいて汎用AIによる代替が進み、ライトニーズ層の売上減少が想定より加速した。第二に、AI関連の受託開発において複数の大型案件の新規受注が3Q以降にずれ込み、受注遅延が発生している。第三に、生成AI関連の一過性費用の増加に加え、ネットワーク費・保守費削減に向けた先行費用が発生した。一方、翻訳AIの「超高精度」モードおよび「高精度」モードの利用増加に伴い、先行指標であるコアニーズ層の利用ワード数が増加しており、ライトニーズ層の減少を上回り始めている。今回のバージョンアップは、コアニーズ層のさらなる取り込みを目的にしていると想定される。
超高精度モードへの需要急増への対応や事業・組織改革に伴う一時費用により、営業赤字は2Qまで継続する見通しだが、3Q以降は完全自動翻訳AIの完成による売上増加とAI受託開発の売上回復により黒字化を見込む。2027年2月期の業績は、売上高4,600百万円(前期比2.5%増)、営業利益330百万円(同54.2%増)を予想している。売上高は微増にとどまる一方、構造改革の効果が定着し、規律あるコントロールを継続する方針であり、営業利益は2期連続となる大幅増益を見込む。営業利益率は7.2%(同2.4ポイント上昇)となる見通しである。なお、業績予想値は現時点で達成可能な保守的な水準としているが、社内目標として、売上高6,000百万円(既存事業で5,000百万円とM&Aによる上積み1,000百万円)を設定しており、3か月以内に完成予定の完全自動翻訳AIによる売上増加やM&Aの成約次第では大幅な上振れも想定される。
メタリアルでは、「SaaSの死」「ソフトウェアの死」に象徴される市場環境の激変を踏まえ、業務遂行型AIの時代に適応するための「2つの構造改革」を今期より開始した。事業改革では、従来の「SaaS+受託開発」モデルから、「SaS(Service as Software:業務遂行型AIによる成果提供モデル)+FDE(Forward Deployed Engineer:現場密着型のAI実装サービス)」へとシフトする。組織改革では、150名超の体制から「少数精鋭+AI」の40名規模へ再編し、2026年7月1日付でメタリアル・ロゼッタ両社に実施している。なお「FDE」は国内で認知が進みつつあるキーワードであるが、「SaS」は米国で次のメガトレンドとして報じ始められた新しい経営コンセプトであり、日本国内ではほとんど認知されていない。メタリアルがSaSを経営戦略の柱として本格的に打ち出したことは、国内上場企業として先駆的な事例と位置づけられる。
さらに高成長事業として(1)完全自動翻訳AI(オートノマスAI)、(2)建築BIM・DXシステムの顧客別プラグイン開発(STUDIO55)へ経営資源を集中し、SaS化を軸としたM&Aによるインオーガニック成長も推進する。2030年2月期に売上150億円、長期的には売上1,000億円を目指す方針を掲げている。
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