ウイルテック Research Memo(5):2026年3月期は2期連続の増収増益で、売上高と経常利益は過去最高を更新
■ウイルテック<7087>の業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比3.0%増の45,936百万円、営業利益で同26.8%増の1,330百万円、経常利益で同20.5%増の1,463百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同26.4%増の897百万円と2期連続の増収増益となり、売上高と経常利益は過去最高を更新した。期初計画比では、売上高は若干未達となったものの、各利益は20%超で達成した。
売上面では、堅調な人材需要を背景に、技術者派遣事業が前期比745百万円増加、製造請負・派遣事業が同235百万円増加するなど、人財系フィールドがけん引し増収となった。利益面では、営業利益の増減要因として、EMS事業の新工場関連費用などの販管費増加が384百万円の減益要因となる一方、増収効果が257百万円、売上総利益率改善が408百万円の増益要因となり、281百万円の営業増益となった。このうち、売上総利益率改善には、技術者派遣事業及び製造請負・派遣事業において契約単価見直しが進捗したことや、EMS事業で採算性が高い特殊照明の販売が大幅に伸長したことなどが寄与した。
2. 事業セグメント別動向
事業セグメント別では、人財系フィールドの売上高が前期比3.8%増の26,649百万円、セグメント利益が同17.2%増の1,167百万円となり、モノ・コトづくりフィールドの売上高が同2.1%増の19,278百万円、セグメント利益が同55.2%増の405百万円となった。
人財系フィールドのうち、製造請負・派遣事業については、自動車関連分野の人材需要がイラン情勢の影響や部品調達不安を背景に低調に推移したが、半導体・電子部品分野においては在庫調整が底を打ち、情報通信機器分野においては主要取引先の生産回復が見られた。顧客業界別のシェアを見ると、半導体・電子部品分野及び情報通信機器分野が6割程度あり、相対的にシェアが低い自動車関連分野の影響は限定的となった。また、人材の採用と定着を図りつつ、契約単価見直しが進捗したこともあり、製造請負・派遣事業の売上高は前期比1.9%増の12,366百万円、セグメント利益は同6.4%増の477百万円となった。
技術者派遣事業については、派遣先の業界により状況がやや異なる。領域別に見ると、機電においては、中東情勢の混乱等により電機業界や自動車業界がやや厳しい状況となる一方、半導体関連が徐々に回復基調となり、通信インフラやデータセンター関連が堅調に推移した。総じて見れば需要が堅調に推移するなか、派遣契約単価の引上げとともに請負・受託契約への切り替え等が進捗し、売上高は前期比10.5%増の5,454百万円となった。建設においては、関西エリアで大阪・関西万博関連プロジェクトの収束に伴う一時的な人員配置の停滞が見られたが、IR(Integrated Resort:統合型リゾート)事業等を見据えた再配置により稼働率の改善を図ったほか、全般的に大型再開発やインフラ更新を中心に需要は堅調に推移した。また、賃上げ実施の一方で派遣単価の段階的引き上げも進捗し、売上高は同6.6%増の5,964百万円となった。ITにおいては、DXやAI関連を中心にIT投資が拡大する一方で、高度なスキルが求められ未経験者向けの案件が狭まる傾向や一時的な要因も加わり、売上高は同4.6%減の2,864百万円となった。これらのことから、技術者派遣事業の売上高は同5.5%増の14,283百万円、セグメント利益は同26.1%増689百万円となった。
同社では、2022年5月に熊本において半導体関連の人財育成拠点の開設、東北での拠点開設を行い、新たな需要を取り込む態勢を整えてきており、人財系フィールドではこうした施策の効果が出ている面もある。
モノ・コトづくりフィールドのEMS事業のうち、電子部品の製造・販売においては、主力の産業用設備やインフラ関連の一部取引先で需要が伸長したが、新工場稼働による工場機能再編に伴う稼働率低下が一時的な収益圧迫要因となり、売上高は前期比12.3%減の3,611百万円となった。照明器具の製造・販売においては、業界全体として蛍光ランプの生産終了に伴うLED照明への移行の動きが活発化しており、住宅用LED照明器具が堅調に推移したほか、非住宅用LED照明も好調に推移した。また、参入障壁が高い空港向けの航空機着陸誘導閃光装置をはじめとする特殊照明の販売が大幅に伸長し利益貢献も大きかった。これらのことから、EMS事業の売上高は同1.0%増の17,056百万円、セグメント利益は同0.1%増の394百万円となった。
社会サポート事業のうち、社会インフラ分野においては、主に再生可能エネルギー関連の保守・メンテナンスサービスを提供しており、原油高騰による再生可能エネルギー導入加速やデータセンター向けの蓄電池需要の増加等を背景に、新規受注案件が増加し、売上高は前期比11.3%増の1,375百万円となった。雇用サポート分野においては、外国人エンジニアの採用プラットフォームの運用や顧客における外国人雇用の管理サポートなど、派遣事業で培ったノウハウを生かしたサービスを展開しており、売上高は同12.5%増の382百万円となった。サーキュラーエコノミー分野においては、資源の効率的な利用とロスの削減を目指し、中古OA機器の買取・修理・販売やリファビッシュサービスを展開しており、売上高は同8.1%増の463百万円となった。これらのことから、社会サポート事業の売上高は同10.8%増の2,221百万円、セグメント利益は11百万円(前期は132百万円の損失)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 古川 聖治)
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