ミダックHD Research Memo(7):オーガニック投資とM&A投資の両輪で成長
■成長戦略
1. 長期ビジョン「Challenge 80th」及び基盤づくりステージの第1次中期経営計画
ミダックホールディングス<6564>は2032年の創業80周年に目指すべき姿を具現化するため、2022年4月に創業70周年を迎えたのを機に、同年6月にミダックグループ10年ビジョン「Challenge 80th」を策定した。そして「Challenge 80th」の実現に向けて、5ヶ年の中期経営計画を2次にわたって推進するため、第1次中期経営計画(2023年3月期〜2027年3月期)を策定した。基本戦略として、業界屈指の総合廃棄物処理企業への進化を推し進め、業界を代表する真のリーダーを目指すため、第1次中期経営計画期間を成長加速のための基盤づくりのステージ、その後の第2次中期経営計画期間(2028年3月期〜2032年3月期)を成長加速による業界屈指の地位確立のステージと位置付けた。業績目標数値には、第1次中期経営計画最終年度2027年3月期のオーガニックグロースでの売上高100億円、経常利益50億円、「Challenge 80th」最終年度2032年3月期(M&Aを含む)の売上高400億円、経常利益120億円を掲げている。
業績面での第1次中期経営計画の進捗状況として、2026年3月期時点でオーガニックグロースのみの売上高は104億円、経常利益は45億円、M&Aを含む連結売上高は118億円、経常利益は46億円となった。売上高はオーガニックグロースのみで既に100億円を超え、2027年3月期目標の売上高100億円を前倒しで達成した。経常利益についても目標の50億円を2027年3月期に達成する見込みであり、極めて順調に進捗している。
事業戦略としては、オーガニック投資とM&A投資の両輪で成長を推進し、同社の強みを追求しながら事業エリアの拡大を図る。特に市場規模の大きい関東エリアへの積極展開により、高い利益率を維持しながら規模の拡大を目指す。重点施策としては、同社グループの強みの基礎である「一貫処理体制(収集運搬~中間処理~最終処分)」の総合的な強化に向けて、コア事業と位置付ける最終処分の優位性拡大(オーガニック投資による最終処分場の許可取得、同社独自の支援型M&A投資など)、中間処理施設(焼却、水処理など)の増強、収集運搬事業の面展開強化などを推進する。
最終処分の優位性拡大に向けた最終処分場の拡大については、最終処分場の許可取得にはかなりの期間を要するため、既存拠点の増量・長寿命化投資やM&Aの活用を推進するとともに、設置候補地を複数選定して同時並行的に計画を推進することで、早期の設置許可取得と事業のさらなる拡大を目指す。2025年6月には、東日本エリアで開発を進めてきた2ヶ所の管理型最終処分場の進捗として、福島県郡山市(埋立容量161万m3、埋立期間約17年)及び栃木県那須塩原市(同約230万m3、約20年)の計画を公表した。また西日本エリアにおける同社初の管理型最終処分場として、島根県邑智郡美郷町(同約400万m3、約20年、中国地区で最大規模クラスの最終処分場)の計画も公表した。これらの許可取得及び開業に向けて準備を進めていく。そして既存の奥山の杜クリーンセンターの第2〜4期工事、浜名湖クリーンセンター、遠州クリーンセンター、大塚山クリーンセンター(大平興産)、第二処分場(エノケン工業)を含めて、同社グループとしての最終処分場の処理能力を大幅に増強する。また静岡県浜松市に2ヶ所ある管理型最終処分場については、遠州クリーンセンターを高単価案件型とするなど、役割を明確化して効率的な運用を推進する。なお中間処理施設の開発については、2021年11月に埼玉県熊谷市において新規焼却施設用地を取得済である。このように成長投資の進捗状況も順調である。
M&Aについては、第1次中期経営計画がスタートした2022年4月以降に、4件(2023年7月に遠州砕石、同年9月にフレンドサニタリー、2025年4月に大平興産、2026年4月にエノケン工業)を実行した。同社は最終処分場の適切な運営ノウハウ、最終処分場の負担軽減につなげる中間処理施設の運営、安定した財務基盤による資本的支援、M&A後の的確なPMI(統合プロセス)による安定した事業継続支援など、同社が持つ豊富な経験と実績に基づき、社会的課題(最終処分場の慢性的な不足・残存容量のひっ迫など)と、業界的課題(最終処分場経営・事業運営の難しさ、維持管理など事業継続の難しさ)に対応し、最終処分場の長寿命化を実現していく同社独自の支援型M&Aを推進している。
M&A企業のうち、遠州砕石については、同社グループとの連携を強化して収益拡大を図る。フレンドサニタリーについては、一般廃棄物収集運搬事業の事業エリア拡大と収益力向上を目的として子会社化した。大平興産は廃棄物の適正処理、科学的で環境効率性の高い廃棄物処理体系の実現を目指す廃棄物処理業者で、1997年に産業廃棄物処理業者として国内初となるISO14001を取得した実績を持っており、長期的には大塚山クリーンセンターの拡張も視野に入れている。エノケン工業は静岡県牧之原市で安定型最終処分場を運営している。中長期的には安定型最終処分場の新規設置も視野に入れ、静岡県内での安定型埋立におけるシェア拡大を図る。
なお同社は2026年6月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を公表した。現状分析として同社グループの株主資本コストは約7〜9%と認識しており、これに対してROE(自己資本当期純利益率)は継続的に株主資本コストを超えて推移し、目標とする15%の水準も維持している。今後の方向性としては、第1次中期経営計画の着実な達成、継続的な株主還元の実施、積極的なIR活動の実施など、資本収益性の向上並びに株主資本コストを上回るROEの継続的な実現に向けた各種取り組みを推進する。なお2025年10月には同社として初めての「統合報告書2025」を発刊した。
株主還元は安定した配当を継続して実施
2. 株主還元策
株主への利益還元については、経営基盤や財務体質の強化を図りつつ、安定した配当を継続して実施することを基本方針としている。内部留保資金については、経営基盤の強化及び今後のさらなる業容拡大を図るための投資に充当するなど有効に活用するとしている。この基本方針に基づいて、2026年3月期の配当は前期比4.0円増配の18.0円(期末一括)とした。3期連続の増配で、配当性向は17.2%である。また2027年3月期の配当予想は前期比2.0円増配の20.0円(期末一括)としており、予想配当性向は16.6%である。今後も業績の拡大に伴って株主還元の一段の充実が期待できると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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