プロディライト Research Memo(3):「電話のDX」のためのワンストップ・ソリューション
■プロディライト<5580>の事業概要
1. 音声ソリューション事業
同社の主力事業は音声ソリューション事業で、従来の単体の事業内容とほぼ同一である。10~100人程度の規模の企業向けに、固定電話から先進の電話環境へと「電話のDX」を実現するクラウド電話システムや、システムに付随する電話回線、端末、アプリといったオールインワンのIP電話システムをワンストップ・ソリューションとして提供している。これにより、固定電話とモバイル端末の垣根を越え、テレワークやフリーアドレスといったオフィスでの働き方改革を支援し、さらに企業のBCP※対策にも貢献している。音声ソリューション事業は、PBXをクラウドで提供するシステムサービス、公衆回線網から各端末までIP回線を使用して音声通信を提供する回線サービス、SIP電話機などの端末販売の3つのサービスで構成されている。なお、10人以下の小規模事業者向けに、2025年7月に「TELENEAR(テレニア)」というブランドで、Webを活用した新たなクラウドPBX事業を開始した。
※ BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画):企業が自然災害やテロなどの緊急事態に遭遇したときに、事業資産の損害を最小限にとどめるとともに、中核となる事業の継続または早期復旧を可能とするため、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法・手段などを取り決めておくこと。
a) システムサービス
同社は、技術革新のパラダイムシフトの1つであるクラウド技術をPBXに応用し、クラウドPBX「INNOVERA」を独自に開発した。これは電話のあり方を根本から変えるシステムで、顧客に様々なメリットを提供することができる。具体的には、1)03や06、0120などの発着信や内線通話などの固定電話の機能を、場所を問わずスマートフォンやPCで使えるようにした。つまり、固定電話など従来の電話システムの弱点だった架電場所の制約をなくすことで、テレワークやフリーアドレスといったオフィスの働き方改革を支援している。2)クラウドのためハードウェアを置く場所を必要とせず、設置や運用といった手間をかけずに常に最新の環境で利用することができる。発着信や内線番号、自動音声応答の設定など電話環境の変更が必要な場合、ハードウェアPBXで必要だった専門業者による現地作業や運用する企業側の専門技術・知識が不要で、Webブラウザから容易に設定を変更できる。もちろん機械的な故障もないため、現場のメンテナンスや修理作業も不要となる。3)全通話録音、段階着信ガイダンス設定、AIによる通話のテキスト化など新たな機能を容易に追加できるうえ、他のサービスとのAPI※連携など高い拡張性がある。
※ API(Application Programming Interface):営業支援システムなど他社のソフトウェアやアプリケーション機能の一部を共有すること。API連携によって、アプリケーション機能を拡張できる。
b) 回線サービス
同社は、電気通信事業を展開するアルテリア・ネットワークス(株)と提携したIP回線「IP-Line」を活用して、クラウド上の「INNOVERA」に直接収容可能なIP電話回線サービスを提供している。従来の電話では開設時に屋外から屋内へと電話回線を引く必要があったが、「IP-Line」は「INNOVERA」に直接収容することでインターネットを介した音声通話が行える。このため電話回線の設置が不要で、インターネットがつながっていれば災害時でも電話を利用できるため、企業のBCP対策としても有効である。同社の回線サービスは、インターネット経由のため市内や市外という区別がなく全国一律の料金で通話できるほか、東京03と大阪06だけでなく全国主要都市の市外局番をカバーしている※1。また、現在使用している電話番号を変えずに固定電話回線からIP電話回線へ移行できる※2こともあって、全国をカバーしていない他社から顧客がシフトする動機にもなっている。一般的なIP電話回線はつながっただけで180秒の通話料が発生することが多いが、同社では他社にない「90秒課金」を採用しているため、理論上、同社に切り替えるだけで最大42.5%の通話料削減が見込まれる。また、IP電話は音質が悪いというイメージがあるが、「IP-Line」は通常の通話には差し支えない十分クリアな音声を提供している※3。国際電話にも対応しており、発着信を行える国・地域を限定できるので安心して利用できるうえ、業界トップクラスの安さを実現している。そのほか、発信者の通話料負担がない着信課金番号の0120/0800が使える「Free-ProLine」も用意している。
※1 一部に提供エリア外の番号がある。
※2 一部に提供できない回線もあるが、2025年1月の固定電話サービス提供事業者間における双方向番号ポータビリティ開始により、大半の回線が移行できるようになった。
※3 通信環境により異なる。
c) 端末販売
同社は、世界トップのSIP電話プロバイダーである中国Yealinkとの間で日本におけるSIP電話機の総代理店契約を締結し、販売やサポート、日本語ファームウェア(組み込みソフトウェア)の開発と運用を担っている。Yealinkの高い技術力と品質管理を背景としたSIP電話機は、製品不良率や静電気対応、落雷対応などに優れているうえ、「Microsoft Teams」に認証されているため、欧州を中心に広く世界各地で利用されている。「INNOVERA」以外の他社製クラウドPBXでも使用可能なことから端末単独での販売も行っているが、今後はアプリを使った個人所有のスマートフォンの利用も推進する。このほか、4K表示で1,200万画素のカメラや高機能スピーカーを搭載するWeb会議用大型ディスプレイ「MAXHUB」も販売している。「MAXHUB」はプレゼンテーション機能やホワイトボード機能、Web会議機能を有しているため、会議を効率的に運営でき様々なビジネスシーンで活用されているほか、IT化が進む学校など教育現場へも電子黒板として導入が進んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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