NECキャピ Research Memo(1):2026年3月期は最終利益で過去最高を記録。「中期計画2028」を策定
■要約
NECキャピタルソリューション<8793>は、NEC<6701>の販売金融機能を担う目的で創立された経緯から、NEC製品を含む情報通信機器、事務用機器、産業用機械設備、その他各種機器設備等のリース・割賦及びファクタリング(売上債権買取)、融資、集金代行業務等を展開する。ICT(Information and Communication Technology)製品以外の取り扱いを徐々に増やしてサービス領域を拡大し、高付加価値な事業への転換を目指し投融資やファンド組成といった金融サービスに取り組むなど、多角化を図っている。2024年10月の主要株主等の異動に伴いNECの関連会社からSBI新生銀行<8303>の関連会社に移行した。SBI新生銀行グループとの協業は順調に拡大している。
1. 2026年3月期業績
2026年3月期業績は、売上高306,155百万円(前期比20.1%増)、営業利益10,617百万円(同36.4%増)、経常利益11,427百万円(同21.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9,180百万円(同38.9%増)となり、増収増益、最終利益は過去最高を記録した。期初予想に対する達成率は、売上高103.8%、営業利益68.5%、経常利益71.4%、親会社株主に帰属する当期純利益91.8%となり、利益面は未達となった。リース業界では2025年度の取扱高が、DX投資の活発化や設備投資需要の回復を背景に堅調に推移した。同社でもリース事業において官公庁大型案件や「GIGAスクール※構想第2期」案件(以下GIGA案件)の需要などに恵まれ、契約実行高が前期比22.6%増、成約高も同28.9%増と大きく伸び、売上高は同5.4%増を達成した。またインベストメント事業やその他の事業において不動産売却収入などがあり、インベストメント事業の売上高は同76.4%増、その他の事業は同621.2%増と大きく伸長した。ファイナンス事業は企業向け融資の増加で同14.4%増となった。利益面は営業利益、経常利益とも前期比では伸びたが、一部案件の売上計上のずれ込みや、投資有価証券評価損、非支配株主持分を含むファンド案件の評価損の計上を要因に期初予想を下回った。最終利益はファンド案件において子会社が計上した評価損のうち、非支配株主の持分に対応する部分は親会社への戻入益となる会計ルールにより、乖離幅は縮小した。
※ GIGAスクール:2019年12月に文部科学省から公表された小中学校向けICT端末配備事業のこと。2024年度からの5年間が第2期となる。
2. 2027年3月期業績予想
2027年3月期の業績は、売上高310,000百万円(前期比1.3%増)、営業利益16,500百万円(同55.4%増)、経常利益17,000百万円(同48.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益10,000百万円(同8.9%増)を見込んでいる。2027年3月期より「中期計画2028」を始動、事業セグメントを商品軸から事業軸に基づく事業セグメント構成に変更した。リース事業の大半を引き継ぐ公共・ICTインフラ事業では前期に成約したGIGA案件や、官公庁案件の着実な実行による収益計上が見込まれるほか、コーポレートファイナンス事業、グローバル事業、インベストメント事業では中期計画に掲げる施策を推進し、業績予想の達成を図る。不動産・エネルギー事業では前期の販売用不動産売却等に伴い投資資産の積み上げを優先するため減収減益予想である。利益面では最終利益は過去最高を見込む。
3. 「中期計画2028」の策定
「グループビジョン2030」で掲げる「次世代循環型社会をリードするSolution Company」の実現と、2030年の「ROE10%以上」、「当期純利益150億円」の達成を目指す2ndステップとして「中期計画2028」(2027年3月期〜2029年3月期)を策定した。「循環型サービスを創出する期間」であった前中期計画では、財務目標の最終利益100億円、ROA0.9%は未達となったものの、非財務目標はおおむね達成した。「中期計画2028」は「循環型サービスを発展」させるための成長基盤を構築する段階と位置付けて、サステナビリティ経営の深化と、事業基盤の進化、経営基盤の強化を推進し、企業価値の最大化を図る。2028年は同社の創業50周年にも当たり、計画達成の如何は大きな意味を持つ。財務目標として2027年3月期に当期純利益100億円、ROA0.8%、ROE8.2%、2029年3月期に当期純利益120億円、ROA1.0%、ROE8.8%を設定した。また非財務目標は、サステナビリティ経営の深化に向けて掲げる「事業活動を通じた社会課題の解決」と「事業活動を支える経営基盤の強化」に関する14項目を設定した。株主還元については、安定配当の維持を基本方針とする。配当性向に加え、単年度の利益水準に左右されない指標としてDOE(株主資本配当率)も参考指標として活用しながら、持続的成長に見合った利益還元を目指す。
■Key Points
・2026年3月期は増収増益、最終利益は過去最高を記録する好決算
・2027年3月期は新中期計画の下、新たな事業セグメントで収益性を高める施策を展開
・「中期計画2028」を策定、創業50周年の2029年3月期に最終利益120億円を目指す
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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