トレンダーズ Research Memo(1):リテールマーケティングへの変革進み、2027年3月期は大幅増収増益見込み
■要約
トレンダーズ<6069>は、トレンド分析を軸に企業のマーケティング活動支援やメディア開発・ブランド開発を行っている。トレンド分析力やマーケティング技術、サービス開発力に強みを持ち、流行に敏感な女性の発信力や影響力を活用した、SNSマーケティング・デジタルマーケティング領域を主軸に事業展開している。2025年12月には協業先のしるし(株)を子会社化して「ECコンサルティング事業」を立ち上げ、従来の「マーケティング事業」「インベストメント事業」の2事業体制から3事業体制を構築した。ビジネスモデルを、SNSマーケティング中心から、SNSとECを連携したリテールマーケティングへ変革する。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の業績は、売上高8,278百万円(前期比33.7%増)、営業利益727百万円(同26.5%減)、経常利益724百万円(同26.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益216百万円(同63.9%減)と増収減益となった。主要サービスの業績不振のほか、2025年12月のしるしの子会社化や成長投資による販管費増から期初業績予想を下方修正した。修正後予想に対する達成率は、売上高で99.7%、営業利益で90.9%、経常利益で90.6%、親会社に帰属する当期純利益で55.6%と、いずれも未達であった。売上面は、主力のマーケティング事業では、競合激化やイベント関連の需要減などの要因から期初予想を下方修正し、おおむね予想を達成して前期比28.3%増で着地した。ECコンサルティング事業は、しるしのグループイン後4ヶ月で456百万円を確保した。利益面では、期初予想を下方修正したものの、一部案件での実施時期の変更や、SNS「X」での一時的な広告配信停止を要因に、各段階利益は予想未達となった。特に親会社株主に帰属する当期純利益については、減損損失に加え、(株)zenplus運営店舗閉鎖に係る損失等が重なり、修正予想をさらに下回った。
2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の業績は、売上高9,500百万円(前期比14.8%増)、営業利益900百万円(同23.8%増)、経常利益810百万円(同11.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益450百万円(同107.6%増)と、大幅な増収増益を見込んでいる。マーケティング事業のさらなる成長に加え、好調なECコンサルティング事業が通期で寄与することから、売上・利益ともに前期比で高い伸びを見込む。ただし、2026年3月期の業績予想未達を踏まえ、2027年3月期の予想はかなり保守的に見積もったようだ。世界情勢を背景とした顧客企業のマーケティング施策の弱含みの可能性などを織り込み、マーケティング、ECコンサルティングの各事業で不確実性の高い案件を見込みから排除し、さらに事業ごとにダウンサイドリスク調整を設定して計画を算出した。弊社では、各事業の成長可能性や計画策定の慎重さから、業績の上振れ余地は高いと見ている。
3. 中期経営目標と成長戦略
2025年5月に新たな中期経営目標(2026年3月期~2029年3月期)を策定し、営業利益の目標CAGRとして25~30%を掲げた。初年度の2026年3月期は営業利益が前期比減となったが、その主因はM&A等の将来に向けた成長投資を行ったことによるものだ。既に減益要因分析や挽回に向けた対策を進めており、2027年3月期以降の動向が注目される。同社は、2013年3月期から長期成長ビジョンを掲げ、段階を踏んで「構造改革期」「成長期」「事業変革期」「再成長期」を定義付けている。「事業変革期」に位置する2027年3月期は、ビジネスモデルを従来のSNSマーケティング中心から、商品購入や顧客体験まで網羅するSNSとECを連携したリテールマーケティングへ変革を進めている。商品認知を目的とするSNSマーケティングから、商品認知の先にある体験、購入まで網羅し、成長を図る考えである。商品を「知る」「体験する」「購入する」という一連のイベントをカバーする体制を整えるため、資本業務提携やM&A等を進めた。さらに、これらのイベントをAI活用によりシームレスにつなぎ、顧客に商品価値を正しく伝え、顧客体験を最適化することで、最終的に商品購買につながるリテールマーケティングを目指す。生成AIやAIエージェントの活用を経営戦略の中核に位置付け、グループ全体への実装・展開を加速させる方針だ。
■Key Points
・2026年3月期は増収減益。ECコンサルティング事業が寄与も、マーケティング事業が伸び悩む
・2027年3月期は大幅な増収増益を見込む。成長性の高いマーケティング事業、ECコンサルティング事業がけん引
・SNSマーケティング主体のビジネスからSNS・EC連携によるリテールマーケティングビジネスを目指す
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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