日空調 Research Memo(4):好決算により自己資本比率は61.0%へ改善。現金及び預金も233億円へ増加
■新日本空調<1952>の業績動向
2. 財務状況
2026年3月期末の財務状況は、流動資産は99,815百万円(前期末比9,978百万円増)となった。主な増減要因は現金及び預金の増加3,065百万円、売掛債権(受取手形・完成工事未収入金等、電子記録債権)の増加4,167百万円、未成工事支出金の増加113百万円などによる。固定資産は35,576百万円(同7,245百万円増)となったが、主に有形固定資産の増加350百万円、無形固定資産の減少172百万円、投資有価証券の時価上昇による投資その他の資産の増加7,068百万円などによる。この結果、2026年3月期末の資産合計は135,391百万円(同17,224百万円増)となった。
流動負債は49,504百万円(前期末比2,605百万円増)となった。主な増減要因は支払手形・工事未払金(電子記録債務を含む)の増加841百万円、短期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の減少1,316百万円、未成工事受入金の減少395百万円などによる。固定負債は3,217百万円(同1,244百万円増)となったが、主な要因は繰延税金負債の増加957百万円であった。この結果、負債合計は52,721百万円(同3,849百万円増)となった。純資産合計は、82,669百万円(同13,375百万円増)となったが、主に当期純利益の計上による利益剰余金の増加8,070百万円、その他有価証券評価差額金の増加4,875百万円などによるものである。この結果、2026年3月期末の自己資本比率は61.0%(前期末は58.6%)となった。
3. キャッシュ・フローの状況
2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは11,621百万円の収入となった。主な収入は、税金等調整前当期純利益の計上16,878百万円、減価償却費701百万円、仕入債務の増加464百万円によるもので、主な支出は売上債権の増加3,762百万円、法人税等の支払額5,877百万円などであった。投資活動によるキャッシュ・フローは197百万円の支出となった。主な支出は有形固定資産の取得560百万円、無形固定資産の取得339百万円などで、主な収入は投資有価証券の売却(ネット)926百万円などであった。財務活動によるキャッシュ・フローは5,169百万円の支出となったが、主な支出は、長短借入金の増加(ネット)1,041百万円、配当金の支払額4,083百万円であった。
この結果、2026年3月期の現金及び現金同等物は6,749百万円増加し、期末残高は26,869百万円となった。
■今後の見通し
2027年3月期は5.8%の営業増益予想だが、上振れの可能性も
1. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期については、受注工事高180,000百万円(前期比1.3%増)、完成工事高160,000百万円(同3.3%増)、営業利益16,000百万円(同5.8%増)、経常利益16,500百万円(同3.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12,800百万円(同5.3%増)と予想している。
完成工事総利益率は、手持ち工事の採算性などから18.1%(前期は17.6%)とさらに改善する見込みで、販管費は同7.8%増を予想している。
業界環境が追い風であることに加え、繰越工事高が高水準であることを考慮すると、この予想が達成される可能性は高いと思われる。同社によれば、「今期の予想は、中期経営計画Phase IIIの初年度であり、生産性の向上に向けた投資を行うことを視野に入れ、営業利益は微増の計画」とのことであり、今後の工事の進捗度合いや期中受注・完成工事の状況によっては、予想が上振れする可能性もあると弊社では見ている。
受注工事高は国内・海外とも増加予想、完成工事高も過去最高更新を目指す
2. 分野別の予想
(1) 受注工事高
連結ベースでの受注工事高は180,000百万円(前期比1.3%増)を予想している。
個別会社の受注工事高は155,000百万円(同0.1%増)を見込んでおり、内訳としては国内一般が144,000百万円(同0.7%増)、原子力が11,000百万円(同7.2%減)と予想している。原子力は若干の減少見込みだが水準は高い。大規模開発案件、工場関連施設、データセンター、原子力関連工事を中心に旺盛な需要が継続しており、受注水準は高位で推移する見通しだ。また、採算性と施工体制を重視した受注活動を継続し、高い工事採算性を維持する。
関係会社の受注工事高は25,000百万円(同8.9%増)を予想している。国内では、保守・メンテナンス工事、電気設備工事、産業施設関連工事を中心に安定した受注を見込んでおり9,300百万円(同0.0%増)と前期並みを予想している。海外では、国・地域ごとの事業環境に留意しながら、アジア地域におけるデータセンター関連需要などを背景に、受注機会の拡大を図り15,700百万円(同15.0%増)を予想している。
(2) 完成工事高
連結ベースでの完成工事高は160,000百万円(前期比3.3%増)を予想している。
個別会社の完成工事高は133,000百万円(同3.6%増)を見込んでおり、内訳としては国内一般が124,000百万円(同2.9%増)、原子力が9,000百万円(同13.7%増)と予想されている。国内一般では大規模開発案件、工場関連工事、データセンター関連工事、原子力関連工事などの大型繰越工事が順次進捗することにより、高水準での推移を見込んでいる。
関係会社(国内)は、保守・メンテナンス工事、電気設備工事、産業施設関連工事を中心に安定的に推移すると見込まれることから、完成工事高は9,200百万円(同8.4%増)を予想している。海外では、案件ごとの進捗や地域情勢に留意しながら一定水準の完成工事高の確保を図り、17,800百万円(同1.1%減)を予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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