RIZAP-G Research Memo(1):2026年3月期は営業利益11,086百万円達成。海外店などへ投資加速
■要約
RIZAPグループ<2928>は“「人は変われる。」を証明する”という唯一無二の理念の下、健康づくり事業を中心に、ヘルスケア・美容、ライフスタイル、インベストメントの3領域で多様な事業を展開する企業である。「自己投資産業でグローバルNo.1」をビジョンに掲げ、持株会社体制の下、M&Aを積極的に活用しながら飛躍的に成長を遂げ、上場子会社5社を含むグループ企業68社、連結従業員数4,645名を擁するまでに成長した(2026年3月末時点)。2027年3月期は、chocoZAP事業で戦略投資(新規出店、既存店リニューアル、AXなど)を行いながら、過去最高益の更新を目指している。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の業績は、売上収益が167,257百万円(前期比2.2%減)、営業利益が11,086百万円(同488.9%増)、税引前当期利益が8,128百万円(前期は1,495百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益が1,440百万円(同445.5%増)となり、飛躍的な収益改善を達成した。2026年3月期は「収益力の向上」を重点政策に掲げ、注力事業のchocoZAP事業では、会員数の拡大に依存することなく、新規出店や広告宣伝費の抑制によるコスト最適化及び業務プロセスの効率化を積極的に推進した。その結果、RIZAP関連事業(chocoZAP含む)の売上収益は前期比3,119百万円減の46,608百万円となった。既存事業では、REXT Holdings(株)や一新時計(株)、SDエンターテイメント<4650>などの増収分があった一方で、会計基準変更等の影響があった(株)アンティローザなどによる減収分が上回り減収となった。利益面は、chocoZAP事業で、顧客獲得の効率化や業務の内製化、外注費削減等のコスト管理を徹底した結果、出店再開に伴う先行費用を十分に吸収する高い収益を確保した。既存事業でも、REXT HoldingsやBRUNO<3140>の増益、グループ各社においても、戦略的な在庫圧縮や不採算商材の抑制、コスト削減の徹底などにより黒字幅が拡大した。全社の営業利益改善額が前期比9,203百万円に対して、RIZAP関連事業(chocoZAP含む)の改善額は同5,255百万円、その他の既存事業においても構造改革を断行し改善額は同1,423百万円となり、重点政策である「収益力の向上」の成果が現れた。
2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の業績は、売上収益が180,000百万円(前期比7.6%増)、営業利益が12,000~16,000百万円(同8.2~44.3%増)、税引前当期利益が9,000~13,000百万円(同10.7~59.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益が4,000~6,000百万円(同177.7~316.6%増)と、chocoZAP事業で戦略投資を行いながら過去最高益の更新を目指す。成長のドライバーであるchocoZAP事業においては、約150億円超の積極的な成長投資を推進する。新規出店では、最大800店舗(国内650店舗、海外150店舗)、最低でも350店舗(国内300店舗、海外50店舗)を計画する。国内では、企業や自治体などと連携した共同出店・FC・協業モデルにより、地域の遊休地に出店できる同社の強みを発揮する。海外では、香港や台湾など需要が確認できた地域の出店を加速する。また、顧客体験価値向上を目的として、マシンやサービスの拡充を主とした全店リニューアルを推進する。利益に関しては、下期の投資判断に応じた機動的な経営を行うためレンジ予想を採用した。下限でも、営業利益及び当期純利益で増益予想となっており、投資を行いながら過去最高益を目指す。海外展開、FC、全店リニューアル、AXなど実験的なアプローチにより効果が実証された施策を本格展開するフェーズに入っているため、弊社では事業計画の成功確率は高いと評価している。直近の2026年3月期下期の営業利益が8,101百万円であることからも、2027年3月期通期の営業利益予想16,000百万円(上限)を目指す妥当性がわかる。
3. 成長戦略・トピックス
chocoZAPの海外展開は、実証フェーズから本格成長フェーズに入っている。香港の店舗数は2026年5月末には19店舗となり、出店が加速中である。香港の成功モデルは、日本よりも広い面積の店舗で、生活密着型サービスを「オールインクルーシブ」で提供するというものであり、会員数で日本の1.4倍、客単価で1.8倍、収益力で2.5倍という優れたモデルである。一気に本格展開を加速しており、2027年3月期に香港で最大100店舗、海外合計で最大150店舗の出店を計画するなど、アジアNo.1チェーンへの基盤を固める年となりそうだ。国内では、女性専用chocoZAPの出店を決定し、2027年3月期に最大300店舗を計画する。社会のフィットネス参加率を上げていくためには潜在的なマーケットへのアプローチが必須となる。その点で注力する顧客セグメントが女性である。厚生労働省が推進する「健康日本21(第三次)」においても特に若手女性(20~40代)の運動不足が課題となっている。同社では、安心のプライベート空間で、女性特化型のマシンとサービスにより、女性新規層の運動参加のハードルをより引き下げる構想だ。
4. 株主還元策
同社は、株主への利益配分を経営の最重要課題の1つとして位置付けている。近年は、chocoZAP事業への先行投資期間(2023年3月期から2025年3月期)と位置付け無配としていたが、2026年3月期の連結決算では営業キャッシュ・フローが着実に向上し、安定的な配当を実施する十分な基盤が整ったため、期末配当金0.67円(配当性向27.7%)と、8期ぶりの復配を実施した。2027年3月期は、増益計画を背景に期末配当金1.34~2.01円(配当性向20.0%)と増配を予定している。
同社では、将来の成長ポテンシャルに対して割安な水準にあるとの認識の下、自己株式の取得により資本効率の向上と株主還元の加速に取り組む。具体的には、株式の取得価格の総額(上限)で26億円、取得し得る株式の総数(上限)で11百万株(発行済株式総数の1.84%)の取得枠を設定した。取得期間は、2026年5月15日~2027年5月14日となる。
■Key Points
・2026年3月期はchocoZAP事業で収益力が飛躍的に向上し、営業利益11,086百万円を達成
・2027年3月期は出店加速など積極投資を行いながら、過去最高益を目指す
・chocoZAP事業で海外150店、女性専用300店等の出店攻勢に加えて、「AI店長」導入へ
・2026年3月期は8期ぶりの復配(期末配当0.67円)を実施。2027年3月期は増配予定(期末配当1.34~2.01円)
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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