高島 Research Memo(4):2026年3月期は産業資材が健闘も、建材及び電子・デバイスの不振等により減益
■高島<8007>の業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.1%減の90,642百万円、営業利益が同1.2%減の2,102百万円、経常利益が同24.7%減の1,523百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.8%減の1,225百万円となった。
売上高は産業資材セグメントが横ばいで推移した一方で、建材セグメントと電子・デバイスセグメントの減収が響いた。建材では住宅分野や再生可能エネルギー資材分野が伸長したものの、非住宅分野における基礎関連工事などが低調であった。電子・デバイスでは民生電子機器や白物家電向けの需要環境が厳しく、デジタルカメラ関連や基板実装も弱含んだ。
利益面では人件費やのれん償却費などを含む販管費が増加したものの、付加価値の向上により売上総利益率が15.0%と前期比1.2ポイント改善したことで、営業利益は小幅な減益にとどまった。他方で経常利益はDG Takashimaに関連する持分法投資損失の計上が響き、大きく減少した。当期純利益については政策保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益を計上したものの、経常利益の減少を補いきれず大幅減益となった。
セグメント別の業績は以下のとおりである。
(1) 建材セグメント
売上高は前期比4.2%減の58,434百万円、セグメント利益は同7.0%減の1,722百万円となった。売上高を分野別に見ると、住宅分野は同2.1%増の11,322百万円、再生可能エネルギー資材分野は同19.7%増の16,612百万円と拡大した。再生可能エネルギー資材分野では住宅向け蓄電池の販売が堅調に推移したことに加え、2025年2月に連結子会社化したサンワホールディングス(現 サンワシステム)の業績寄与も増収要因となった。一方で、非住宅分野は基礎関連工事などが低調に推移し、同15.4%減の30,498百万円となった。利益面では再生可能エネルギー資材分野が拡大したものの、売上構成比の大きい非住宅分野の減収影響に加え、業績拡大に向けた営業活動費用が増加し、セグメント利益は減益となった。
(2) 産業資材セグメント
売上高は前期比0.2%減の17,968百万円、セグメント利益は同30.1%増の1,222百万円となった。売上高を分野別に見ると、樹脂関連資材分野は同9.4%増の10,813百万円となった。自動車関連や電子機器・精密機器関連の部材・物流資材に加えて医療関連の受注が増加し、アミューズメント関連のリサイクル樹脂製品の販売も拡大した。一方で、繊維関連資材分野は同11.9%減の7,141百万円となった。産業用機能性繊維では防衛関連分野が拡大したものの、ランドセル資材の需要減少やアパレル事業の一部縮小が響いた。利益面では、売上ミックスの改善と連結子会社の生産機能を活用した工場稼働率の向上が寄与し、セグメント利益率は同1.6ポイント改善した。
(3) 電子・デバイスセグメント
売上高は前期比7.9%減の14,289百万円、セグメント利益は同35.5%減の468百万円となった。売上高を分野別に見ると、デバイス分野は同7.1%減の5,199百万円となった。主要顧客において電子部品の供給不足の反動で積み上がっていた在庫は解消に向かったものの、下期の市場失速や連結決算で使用する換算レートの影響が減収要因となった。一方で、アセンブリ分野は同8.3%減の9,089百万円となった。デジタルカメラ関連が低迷したほか、白物家電向け基板実装は国内製品向け、ASEAN製品向けともに中国企業との競争が厳しく、事業環境は弱含んだ。利益面ではデバイス分野の減収影響に加え、白物家電向け基板実装の低調な推移により、セグメント利益率は前期比1.4ポイント低下した。
2. 財務状況
2026年3月期末時点の資産合計は前期末比2,986百万円減の57,090百万円となった。このうち流動資産は同20百万円増の41,371百万円となった。売掛金が1,643百万円、電子記録債権が1,372百万円それぞれ減少した一方で、現金及び預金が1,451百万円、商品及び製品が1,305百万円増加したことにより、流動資産全体は前期末並みの水準を維持した。固定資産は同3,006百万円減の15,718百万円となった。これは主に、投資有価証券が1,746百万円、のれんが709百万円、長期貸付金が551百万円それぞれ減少したことによる。投資有価証券の減少には政策保有株式の売却が影響しており、同社は2026年3月期に投資有価証券売却益776百万円を特別利益として計上した。また、DG Takashimaに対する貸付金について回収不能のおそれが生じたことも、固定資産の減少要因になったと見られる。
負債合計は前期末比2,231百万円減の33,920百万円となった。このうち流動負債は同3,596百万円減の24,212百万円となった。これは主に短期借入金が3,300百万円、支払手形及び買掛金が1,475百万円、電子記録債務が1,112百万円それぞれ減少したことによる。一方で、固定負債は同1,364百万円増の9,708百万円となった。長期借入金が1,950百万円増加しており、短期借入金から長期借入金へのシフトにより、負債の返済期間は長期化した。純資産合計は同754百万円減の23,169百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,225百万円増加した一方で、配当金の支払いにより利益剰余金が1,553百万円減少したことが主な要因である。
主な財務指標を見ると、自己資本比率は40.6%(前期末は39.8%)、流動比率は170.9%(同148.7%)、固定比率は67.8%(同78.3%)となった。自己資本比率は40%台に上昇し、流動比率も大きく改善した。短期借入金や仕入債務の減少により流動負債が縮小したことに加え、現金及び預金が増加したことで、短期の支払余力が高まった。固定比率も固定資産の減少により改善しており、資産構成の面では財務の安定性が増している。ただし、純資産は減少しており、政策保有株式の売却やDG Takashima関連の損失処理など、一部には一過性要因も含まれる。今後は財務の健全性を維持しながら、成長投資と株主還元のバランスをどのように取っていくかが注目される。
2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは2,814百万円の収入となった。前期は支出超過であったが、売上債権の回収が進んだことで営業キャッシュ・フローは大きく改善した。投資活動によるキャッシュ・フローは711百万円の収入となった。有形固定資産や無形固定資産の取得による支出があった一方で、投資有価証券の売却による収入が寄与した。財務活動によるキャッシュ・フローは2,114百万円の支出となった。長期借入れによる収入があった一方で、短期借入金の減少、長期借入金の返済、配当金の支払いなどにより支出となった。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は前期末比1,466百万円増の10,532百万円となった。営業キャッシュ・フローの黒字転換と投資有価証券の売却収入により、手元流動性は改善した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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