サインポスト Research Memo(7):2027年2月期は事業基盤強化に向けた先行投資で減益予想
1. 2027年2月期の業績予想
2027年2月期の業績(非連結)予想は、売上高が前期比22.7%増の3,850百万円、営業利益が同43.1%減の56百万円、経常利益が同44.9%減の51百万円、当期純利益が同13.4%減の66百万円としている。売上高はコンサルティング事業がけん引して大幅増収だが、各利益は事業基盤強化に向けた先行投資で採用費・人件費・開発費などが増加するため減益の見込みである。特に上期に採用コストや新卒採用に伴う人件費の増加、及びEC事業者向けDXトータルソリューション「Global GO!」の開発投資が集中するため、損益改善は下期から顕在化する計画である。売上総利益は同20.6%増加、売上総利益率は同0.6ポイント低下して31.5%、販管費は同27.4%増加、販管費率は同1.2ポイント上昇して30.1%の予定である。なお第1四半期に特別利益として関係会社売却益(TTGの株式売却益)19百万円を計上する。
セグメント別売上高の計画は、コンサルティング事業が前期比21.3%増の3,650百万円、イノベーション事業が同97.1%増の100百万円、DX・地方共創事業が同29.5%増の100百万円である。重点戦略としてコンサルタントの増員と営業体制強化、及び新ソリューションの開発に注力する。コンサルティング事業は上流から下流までの提案力強化と社員数増加により過去最高の売上高を見込む。イノベーション事業は「Global GO!」のユーザー獲得に注力するとともに、ニーズの高い周辺機能の開発を推進する。DX・地方共創事業は「DX伴走支援サービス」の全国への水平展開を推進する。
2027年2月期は事業基盤強化の時期と位置付けて減益予想だが、先行投資の成果によって2028年2月期から再成長ステージに向かうだろうと弊社では考えている。
事業領域の拡大及び隣接領域・新市場に挑戦
2. 成長戦略
同社は中期成長戦略として、金融・公共機関向けコンサルティング事業で培ったコンサルタントとしての強み(課題発掘・解決力)、及びイノベーターとしての強み(新サービス・製品開発力)を武器に、事業領域の拡大と隣接領域・新市場へ挑戦するとともに、外部との提携も視野に入れて成長を加速する方針を掲げている。
2027年2月期~2029年2月期の重点取り組み施策としては、コンサルティング事業では基盤事業としての成長力強化に向けて、金融機関・公共機関以外への営業強化・事業領域拡大、コンサルティングからソリューション開発まで一気通貫サービスの拡大などを推進する。これらの取り組みによりさらなる収益拡大を目指す。イノベーション事業では「Global GO!」によるストック型ビジネスの確立と成長に向けて、出荷業務DXソリューション「Global GO! Smooth EC」の拡大、及び周辺サービス拡充によるワンストップ型EC支援ソリューションの確立を推進する。これによって2027年2月期に単月黒字化、2028年2月期に収益貢献本格化、2029年2月期に第2の収益柱への成長を目指す。DX・地方共創事業は「将来に向けた種まき」の段階だが、第四北越銀行及び第四北越ITソリューションズとの連携及び新潟支社の開設により「DX伴走支援サービス」が拡大しており、今後は全国への水平展開を推進する。AX事業は本格的な展開に向けた準備段階にあるが、自社開発した生成AIツール「えすぴぃAI」を中核として、社内活用によってノウハウを蓄積しながら、アライアンスも活用して販売体制を強化し、サービス拡充によりSaaS型高成長モデルの実現を目指す。
こうした重点取り組み施策を推進するため、2026年3月1日付で組織変更を実施した。コンサルティング事業に関しては、ソリューションの企画・設計・開発を一貫して提供する体制を確立するためにソリューション開発事業部を新設した。また、既存の金融・公共ソリューション事業部の名称を金融・公共コンサルティング事業部に変更し、両事業部を統括するコンサルティング・ソリューション事業本部を新設した。コンサルティング事業で受注した上流工程の案件を一気通貫で対応できる体制に変更し、顧客とのコミュニケーションから課題解決の提案・実装・運用までのリードタイム短縮、及びプロジェクト全体の品質向上を通じた提供価値の最大化を図る。また社内及び顧客のAXを推進し、生成AIを活用した事業を新たな柱として確立することを目的に、AX事業部を新設した。
3. 弊社の視点
同社の2027年2月期業績は人件費や開発費など先行投資の影響を受ける見込みだが、地域銀行再編の動きが活発化するなど事業環境は良好であり、コンサルティング事業が今後も継続的かつ安定的に拡大することを勘案すれば、事業基盤強化に向けた先行投資の成果によって2028年2月期から再成長ステージに向かうだろうと弊社では考えている。さらに、先行投資段階であるイノベーション事業やDX・地方共創事業の収益貢献本格化も期待され、同社の中期的な成長ポテンシャルに注目したいと考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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