フォーバル Research Memo(3):可視化伴走型経営支援を軸に、中小企業・自治体のGDX・ESG支援(1)
1. フォーバルビジネスグループ
フォーバルビジネスグループでは、中小・小規模企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティング、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取り次ぎなどを手掛ける。主力事業は、経営コンサルティングである可視化伴走型経営支援サービスと、創業以来手掛けているビジネスフォンをはじめとする情報通信機器やOA機器の販売だ。情報機器や通信サービスを接点に次世代経営コンサルティングなどの可視化伴走型経営支援サービスでより深い解決策を提案するという一連の流れで、中小・小規模企業の多様なニーズに対応する体制を整備している。同社のコンサルティングの特色は5分野(情報通信、海外、環境、人材・教育、起業・事業承継)と3手法(売上拡大、業務効率改善、リスク回避)に整理される。2024年3月期以降は、成長戦略として中小企業の「ESG経営を可視化伴走型で支援する」を掲げ、人材投資や営業開拓を積極的に行っている。2026年3月期第3四半期は、連結子会社の(株)エルコムで新紙幣発行に伴う前年同期の特需の反動減の影響が残るものの、可視化伴走型経営支援サービスが堅調に推移したことなどから、売上高が27,905百万円(前年同期比1.5%増)、エルコムの減少及び企業ドクター活動の強化に伴う人員増等の先行投資増の影響で、セグメント利益が1,313百万円(同11.8%減)となった。
2. 可視化伴走型経営支援サービスが特徴
同社の最も注目すべき事業は、可視化伴走型経営支援サービスである。これは、定期訪問と遠隔サポート・状態監視を組み合わせた効率的な支援が特徴のコンサルティングサービスである。
可視化伴走型経営支援サービスの基本構成は、「よろず経営相談」サービス、定期訪問や通信技術を使った遠隔サポート、パソコン・ネットワーク状態監視サービス、各種アプリケーションの問い合わせサービス、顧客専用サイトとなっている。現在の一般的な可視化伴走型経営支援サービスの顧客単価は月額20,000円程度からとなっている。ほかのサービスへの入り口と位置付けているため、設定金額は低めである。同サービスは、従来は自社の“企業ドクター”が行うことが基本であったが、パートナーの販売会社によるサービスが大きく伸びている。可視化伴走型経営支援サービスはそれ自体が利益率の高いサービスであることに加え、端末(パソコン、タブレット、携帯電話、プリンター、コピー機など)やネットワークの状態監視から得られたビッグデータを基に様々な改善提案を行うことにより関連商材が拡販できるという副次的効果が大きい。
可視化伴走型経営支援サービスの一環としてリリースされたものには、スマートフォンから簡便かつ安価に勤怠管理を行えるクラウド型勤怠管理システム「HRMOS(ハーモス)勤怠 by FORVAL」や、業務フローの見直し・マニュアル化を行い、ペーパーレス化・標準化で業務の効率性を高めるコンサルティングサービス「PPLS(ププルス)」などがある。これらは、働き方改革の大前提となる勤務実態の可視化とともに、より生産性の高い働き方への変革を支援する。追加メニューの増加は顧客単価の向上につながる。実際に1顧客当たり売上高(ARPU)は年々上昇している。顧客件数と顧客単価の双方の伸びが重なり、可視化伴走型経営支援サービスの事業規模は増加傾向で推移している。
3. 「F-Japan戦略」:自治体との提携が本格化
同社は2022年に「F-Japan戦略」を打ち出し、地域でDX・GX人材が育ち、地域内で働ける環境を構築する“DX・GXの地産地消”を推進してきた。「F-Japan戦略」は、地域の基幹病院を中核とした体制やそこで活躍するドクターの創出に例えることができる。「産」「官」「学」「金」連携が基本であり、同社は地域ごとに拠点を設けてきた。2025年9月末現在、同社の支部は35都道府県に設置、「官(自治体)」との提携実績は累計で93案件、自治体へのデジタル専門人材派遣先実績は累計で23自治体と、広がりを見せている。自治体のデジタル人材不足が背景にあるが、同社の過去の支援実績が好評で横に広がった面もある。「首長マガジン」(全国の首長のための情報交換誌)で同社プロジェクトの特定地域での取り組みが紹介され、同社と提携する利点の認知度は上がっている。自治体との提携は通常1年単位で見直されるが、3年連続で提携する自治体も生まれており、同社の役割の重要さを物語っている。「F-Japan戦略」に多くの自治体が参画しているため同社の企業ブランドに好影響を及ぼし、ほかの自治体や地域の中核企業との連携スピードが加速しているようだ。また、「学」では、企業ドクターの授業を開設している大学や専門学校が増加し、「金」では全国の金融機関との連携が増加している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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