ダイキアクシス Research Memo(3):「環境を守る。未来を変える。」をミッションに環境課題に取り組む(2)
3. 沿革
1958年に愛媛県松山市にて創業し、2023年で創業65周年を迎えた。1964年に前身のダイキ(株)が設立され、同年にばっ気式浄化槽の生産を開始した。1978年からホームセンター事業に乗り出したダイキは、2003年に同業のホーマック(株)(現 DCM(株))、(株)カーマ(現 DCM)と業務提携をし、経営統合を決めた。2006年に現 DCMホールディングス<3050>が設立されたが、それに先立ってダイキはホームセンター以外の業務の受皿会社として同社を設立し、事業譲渡した。その後、MBO(マネジメント・バイアウト)によりダイキから独立したため同社とダイキとの資本関係はなくなったが、良好な取引関係は続いている。祖業である住宅機器の卸売から事業領域を拡大し、M&Aなども活用して「環境機器関連事業」「住宅機器関連事業」「再生可能エネルギー関連事業」からなる経営の3本柱を築いた。成長市場と位置付けて注力している「環境機器関連事業」の海外展開は、2013年にインドネシアの現地企業を買収することで東南アジア市場の橋頭堡を築いた。潜在市場規模の大きいインドには、2018年に子会社を設立した。
同社は2013年12月に東京証券取引所(以下、東証)市場第2部の化学セクターに新規上場し、2014年12月には第1部に指定替えとなった。2022年4月からの東証の市場新区分ではプライム市場に移行した。「環境機器関連事業」において海外展開を積極的に行っており、グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けとされる市場区分を選択し、サステイナビリティ委員会の設置や統合報告書の発行も行った。しかし、流通株式の時価総額基準をクリアすることに関しては不確定要素が大きく、プライム市場の上場維持基準を満たしていないままプライム市場への上場を維持した場合に起こりうる経過措置終了後の上場廃止リスクをはじめ、経営環境や既存株主の利益を総合的に判断した結果、2023年5月にスタンダード市場への選択申請を行い、同年10月にスタンダード市場に市場区分が変更された。2024年1月には、2005年の設立以来、代表取締役社長を務めてきた大亀裕(おおがめひろし)氏が代表取締役会長CEOに、大亀裕貴(おおがめひろき)氏が代表取締役社長CEO・CIOにそれぞれ就任し、共同CEO制となった。
4. ESG経営
同社グループはESGを意識した経営を行っている。堅実な企業基盤を築き、「事業活動」と「企業活動」の両面を通じて持続可能な環境と社会づくりに貢献するとともに、人々のQOL(Quality of Life)向上を目指している。環境(E)では、水関連インフラ事業のほか、太陽光発電関連事業や風力発電関連事業、バイオディーゼル燃料関連事業等に従事しており、環境マネジメントシステムの国際規格認証も取得している。社会(S)では、人材の多様化と女性従業員の活躍を促進し、働き方改革に取り組み、障がい者の社会進出支援を行っている。2023年8月には、サステイナビリティ委員会を設置した。利益追求だけでなく、自然環境の保守保全や地域への貢献、人財への積極的な投資を含めた社会システムの維持にも目を向け、中長期的な企業価値向上を志向している。また、情報開示にも積極姿勢であり、2023年から統合報告書を発行しているほか、ステークホルダーとの対話促進のため、今後は温室効果ガス排出量や人的資本等の非財務情報の開示対応を充実させる。ガバナンス(G)に関しては、監査等委員会設置会社であり、コーポレート・ガバナンス強化のため任意の指名・報酬委員会を設置している。取締役会の構成では、社外取締役が過半数を占める。
SDGsに関しては、17のうち12に関わっており、7項目の重要課題(マテリアリティ)を特定している。それらは、「気候変動への適応及び緩和に向けた取り組み」「日本の豊かな水環境を守る」「世界の美しい水環境を創る」「サステイナブルな街づくり・住環境への貢献」「働きがいのある職場環境の構築」「ステークホルダーにリスペクトを」「実効性のあるコーポレート・ガバナンスの確立」である。
2023年8月には、(株)伊予銀行と(株)三菱UFJ銀行との間でシンジケーション方式でのポジティブ・インパクト・ファイナンス(組成金額80億円)の契約を締結した。ポジティブ・インパクト・ファイナンスとは、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEPFI)が策定した「ポジティブ・インパクト金融原則」及び同実施ガイドラインに基づき、企業活動が環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブな影響とネガティブな影響)を包括的に分析・評価し、当該活動の継続的な支援を目的とした融資となる。サステナブル・ファイナンスに分類され、SDGs・脱炭素を評価した金利引き下げ効果がある。契約の締結にあたっては、三菱UFJ銀行と三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)が共同で策定した「ポジティブ・インパクト・ファイナンス フレームワーク」に基づき、SDGsの目標達成に対しインパクトを与える活動として同社の事業及び重要課題(マテリアリティ)を中心に評価された。同評価は、(株)日本格付研究所より国連環境計画・金融イニシアティブによる「ポジティブ・インパクト金融原則」に適合しているとの第三者評価を得た。また、2024年1月には、(株)ダイキアクシス・サステイナブル・パワー(以下、DASP)と愛媛銀行<8541>がポジティブ・インパクト・ファイナンス(融資金額30億円)を締結した。
5. グループ企業
同社グループは、同社、連結子会社18社(国内10社、海外8社)及び非連結子会社3社(国内1社、海外2社)並びに関連会社1社(海外1社)により構成されている(2025年12月末時点)。主要なグループ企業は、「環境機器関連事業」が国内3社、海外8社、「住宅機器関連事業」が国内3社、「再生可能エネルギー関連事業」が国内1社である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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