Jトラスト Research Memo(3):日本金融事業及び韓国金融事業が連結業績をけん引(1)
2. 事業セグメント別動向
(1) 日本金融事業
Jトラスト<8508>の営業収益は19,001百万円(前期比14.3%増)、営業利益は7,880百万円(同11.9%増)となった。営業収益は、債権回収の順調な増加に伴い実効金利法に基づく簿価修正益が増加したことや、クレジット・信販業務の手数料収益や証券事業におけるトレーディング利益の増加により、増収となった。営業利益が増加したのは、債権回収やクレジット・信販業務が堅調に推移したことなどによる。営業利益率は41.5%の高水準を維持し、同社グループの業績を下支えする主力事業として貢献している。
主力の(株)日本保証における債務保証残高は、2025年12月末には2,925億円へ増加し、2026年12月末には3,256億円を計画している。アパートローン・海外不動産担保ローン・有価証券担保ローンの保証が好調で、保証残高は順調に増加している。不動産関連保証業務における同社グループの強みは、市場ニーズに合わせたオーダーメイド型商品の開発力と独自の不動産ローン審査力である。同社グループが不動産の評価・審査と信用保証を担い、銀行が融資を行う協業モデルを構築している。地域金融機関と提携することで賃貸住宅ローン(アパートローン)保証を中心に保証残高は右肩上がりで増加を続けている。アパートローンの期間は20年〜30年超と長期にわたるため、その間は保証料収入が安定的に入ってくるほか、同社が保証する物件は東名阪の都市部、徒歩10分以内の駅近物件に集中しており、債務保証を行っている対象物件の入居率は約95%を維持している。保証料が高い個人事業主への融資保証等は近年競争が激化していることから取り扱いを抑え、保証料が低いものの貸倒リスクが小さいアパートローンへの有担保保証を増やし、ボリュームでカバーすることにより利益を確保している。
同社グループでは保証残高の大幅な拡大を目指し、様々な取り組みを行っている。従来からのアパートローン保証だけでなく、中古アパートローン、不動産担保ローン、クラウドファンディング(融資型/不動産投資型)の保証、不動産買取保証といった保証商品の多角化を推進しており、その成果は徐々に表れている。特にJグランド(株)(旧 日本ファンディング(株))が注力する富裕層向け投資用高級一棟マンションの販売事業は、保証残高の積み上げにつながると期待される。また、Jトラストグローバル証券、提携銀行、日本保証の協業による富裕層向けの有価証券担保ローンも好調で、保証残高の増加に貢献している。さらに、Nexus Cardでは男性脱毛業界最大手など提携先を通じた割賦取扱高が増加しており、これによる割賦売掛金残高の増大も日本保証の保証残高を押し上げている。日本保証が2025年7月に開始した「前払金保証」サービスは、日本保証と提携した男性脱毛業界最大手が保証料を払うことで、万が一施術提供できない場合に日本保証が未施術分を顧客に返金する保証であり、割賦取扱の拡大につながると期待される。
サービサー(債権回収)業務では、パルティール債権回収(株)の業績が好調で、請求債権残高は2025年12月末に1兆638億円と微増となった。引き続き、回収業務に注力し、営業利益増大を見込む計画だ。債権回収においては、多様な債権回収事業会社出身者のノウハウを結集した国内トップクラスの回収力があり、保証業務と並び日本金融事業の利益の柱となっている。金融機関やカード会社などから債権を買い取る際の入札競争においても優位になるため、今後もこの強みを生かして事業拡大を進める方針である。
Nexus Cardでは割賦事業の好調により、2025年12月末の割賦売掛金残高が250億円となり、2026年12月末には276億円を目指している。割賦売掛金残高は脱毛サロンを中心としたエステ系の加盟店の拡大により、順調に積み上がっている。既存加盟店の堅調な割賦取扱と新規加盟店の割賦取扱の拡大により、債権残高が増加しており、今後も継続的な成長を計画する。
Jトラストグローバル証券では、好調な株式市場の影響もあり、預かり資産は2025年12月末に4,979億円に達し、2026年12月には6,230億円を計画している。預かり資産の拡大により手数料収益が増加する見込みだ。コアターゲットである預かり資産1億円以上の富裕層顧客からの資産流入が好調に推移し、預かり資産は順調に増加している。
(2) 韓国金融事業
営業収益は43,508百万円(前期比4.3%減)、営業利益は2,442百万円(同135.5%増)となった。営業収益は、貯蓄銀行業において為替が円高に振れ、円換算後の貸出金利息収入が減少したことなどにより減収となった。営業利益は、為替の影響による円換算後の預金利息費用の減少や、NPL債権(不良債権)の売却により債権の健全性が改善したことなどにより増益となった。
JT親愛貯蓄銀行の貸出残高は2025年12月末には2,542億円となり、前年で底を打ったと見られる。一方、法人向け貸出の割合が多いJT貯蓄銀行(株)の貸出残高も、2025年12月末には2,212億円と増加に転じた。両行とも、BIS規制(銀行の健全性を維持するための自己資本比率の国際ルール)を遵守しながら、今後も安定的な貸出残高増加を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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