Jトラスト Research Memo(4):日本金融事業及び韓国金融事業が連結業績をけん引(2)
(3) 東南アジア金融事業
Jトラスト<8508>の営業収益は45,805百万円(前期比4.1%減)、営業利益は1,036百万円(同31.3%減)となった。営業収益は、平均貸出金利の低下の影響等から貸出金利息収入が減少し、減収となった。営業利益は、貸倒関連費用の増加等により大幅減益となったものの、黒字を確保した。
Jトラスト銀行インドネシア(PT Bank JTrust Indonesia Tbk.)では、2025年12月末の貸出残高は2,532億円で、おおむね横ばいで推移している。自己資本比率と経済情勢を踏まえて、貸出残高及びポートフォリオの中身をコントロールしている。2025年12月期の営業収益は、優良顧客を確保するための低利融資で平均貸出金利が低下し、減収となった。営業利益は米国関税の影響により景気が後退しているうえ、当局の指示で従来より厳しい基準で貸倒引当金の積み増しをしていることで大幅減益となった。当面は経済環境や規制強化が収益圧迫要因となりそうだ。
カンボジアのJトラストロイヤル銀行(J Trust Royal Bank Plc.)では、2026年度から導入予定であるカンボジア中央銀行による自己資本比率規制の遵守体制を見据え、貸出残高とポートフォリオの中身を調整している。2025年12月末の貸出残高は1,525億円と小幅減少である。経済停滞に伴い不良債権の回収が遅れており、回収強化を図る。カンボジアでも、当面は規制や経済停滞の影響が続くと見られる。
(4) 不動産事業
不動産事業は、主にJグランド、(株)グローベルス及び(株)ライブレント及びグランド保証(株)が行っている。販売予定であった物件の建築確認に時間を要し、売却が後倒しになったことから、営業収益は15,742百万円(前期比9.5%減)となったが、販売用不動産の販売関連費用が減少したことから、営業利益は591百万円(同53.1%増)となった。
(5) 投資事業
投資事業については、主にJトラストアジア(JTRUST ASIA PTE.LTD.)が行っている。営業収益は196百万円(前期は11百万円)、営業利益は819百万円(前期は1,595百万円の損失)となった。Group Lease Public Company Limited(以下、Group Lease PCL)に関わる訴訟の判決により、同社からの回収に尽力したことや、同社経営陣の個人財産の差押えや処分等により、利益を確保した。同社では当該金銭債権に対して既に全額貸倒引当金を計上しており、将来の回収金はその他収益に計上される。
銀行業、その他金融業の自己資本比率を上回る安全性を確保
3. 財政状況
2025年12月期末の資産合計は、前期末比48,605百万円増の1,319,072百万円となった。これは主に銀行業における有価証券が7,103百万円減少した一方で、現金及び現金同等物が29,187百万円、営業債権及びその他の債権が9,566百万円、銀行業における貸出金が9,740百万円増加したことによる。負債合計は、同43,117百万円増の1,136,929百万円となった。これは主に銀行業における預金が33,422百万円、社債及び借入金が11,864百万円増加したことによる。資本合計は、同5,487百万円増の182,143百万円となった。これは主に海外子会社等の換算差額の減少等によりその他の資本の構成要素が2,037百万円減少した一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益7,939百万円の計上により利益剰余金が6,081百万円増加したこと等による。
以上の結果、安全性指標である2025年12月期の親会社所有者帰属持分比率は12.3%となり、2025年3月期に東京証券取引所(以下、東証)プライム・スタンダード・グロース市場に上場する銀行業の自己資本比率4.46%、その他の金融業の6.95%を上回る安全性を確保している。また、今後は利益の積み上げに伴い、ROA・ROE等の収益性指標も徐々に改善すると弊社では予想する。
■業績見通し
2026年12月期は、日本・韓国金融事業を中心に増益を予想
● 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の連結業績は、営業収益130,000百万円(前期比4.6%増)、営業利益11,600百万円(同6.4%増)、税引前利益11,700百万円(同0.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益8,100百万円(同2.0%増)としている。
事業セグメント別では、日本金融事業、韓国金融事業及び不動産事業の成長を見込んでいる。営業収益は、日本金融事業208億円(前期比18億円増)、韓国金融事業446億円(同11億円増)、不動産事業195億円(同38億円増)、投資事業4億円(同3億円増)と増収を見込む一方、東南アジア金融事業は442億円(同16億円減)と減収を予想する。また、営業利益については、日本金融事業94億円(前期比16億円増)、韓国金融事業38憶円(同14億円増)、不動産事業11億円(同6億円増)と増益を計画する一方、投資事業3億円(同5億円減)、東南アジア金融事業では10億円の損失(前期は10億円の利益)と減益を予想する。
特に東南アジア金融事業の営業利益の大幅悪化は、主にインドネシアの当局の規制強化や景気後退などの影響によるものだ。Jトラスト銀行インドネシアでは貸倒引当金の積み増しに伴い8億円の損失(前期は1億円の利益)、また債権回収業のJトラストインベストメントインドネシアも23億円の損失(前期は14億円の損失)を見込む。ただ、カンボジアのJトラストロイヤル銀行では、営業利益19億円(前期比3億円減)と安定的な利益を計上し、東南アジア金融事業の業績を下支えする見通しだ。例年、同社の期初予想は保守的な傾向が強いことから、実際の業績は上振れる可能性があると弊社では予想する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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